本文へスキップ
公共資産活用の専門メディア

サイト全体のメニュー

PUBLIC AS A COMMON GOOD

公共資産の活用を、
まずは、考えるところから。

運営:一般社団法人 社会構想デザイン機構(ISVD) ↗関連メディア:構想0区 ↗プライバシーポリシーRead in English

ARTICLE · 公共施設マネジメント

PFI法とPark-PFIの違い:根拠法・SPC・期間を比較【2026年版】

PFI法(民間資金等活用)とPark-PFI(都市公園法)の根拠法・SPC要件・事業期間・財源スキーム・適用場面の違いを徹底比較。公共施設マネジメントの担当者向け中級解説。

この記事の要点

  • PFI法は公共施設等の整備・運営に民間資金を活用する包括的な枠組みで、コンセッション(運営権)・BTO・BOT等の多様なスキームを包含する。Park-PFIは都市公園限定の独立した制度だが、PFI法のコンセッションと組み合わせることも可能
  • PFI法では実施方針の公表・特定事業の選定・事業者の選定と段階が多い。Park-PFIは都市公園法に基づく公募・認定・設置許可で完結し、手続きが相対的に軽い。小規模案件ではPark-PFIの方が導入ハードルが低い
  • 事業期間:PFI法に上限の定めは無く、内閣府の手引きは先行事例を7〜30年程度としている。Park-PFIは認定の有効期間が20年を超えない。費用負担・収益構造・SPCを置くかどうかは案件ごとに大きく異なる
対象読者・読む前に確認したいこと

こんな方に

  • PFI法とPark-PFIのどちらを選ぶか検討中の公共施設マネジメント担当者
  • 大規模な都市公園再整備でPFI法(コンセッション)とPark-PFIの組み合わせを検討している自治体
  • PPP/PFI制度の全体像を体系的に理解したい中級者

前提となる知識

  • PPP/PFIの基礎概念(コンセッション、BTO、VFM)についての基礎知識
  • [Park-PFI完全ガイド](/park-pfi-guide)(基本的な仕組みの理解)
この記事の内容

PFI法の概要とスキーム分類

BTO・BOT・RO・コンセッション等の分類と財源スキームの違い。VFMの考え方

PFI法制定年(Park-PFIは2017年、18年差がある)

1999年

PFI法の主な類型(BTO・BOT・RO・コンセッション)

4スキーム

Park-PFIの認定の有効期間の上限(都市公園法第5条の2第5項)

20年

内閣府の手引きが挙げるPFI事業の事業期間

7〜30年

民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(PFI法、1999年制定)は、公共施設の整備・管理・運営に民間の資金・経営能力・技術力を活用するための包括的な法律だ。道路・学校・病院・刑務所・水道・空港まで、公共施設のほぼすべてが対象になり得る。

主なスキーム分類

PFI法では複数のスキームが規定されており、施設種別・財源・リスク分担に応じて使い分ける。

優先的検討の対象。建設等を含む事業費総額10億円以上、運営等のみで単年度1億円以上。基準未満でもスモールコンセッションを推進する事業を含めて対象にできる。
基準に届かなくても、広域化や分野横断で届く可能性があるなら対象にできる出典: 内閣府 民間資金等活用事業推進会議「多様なPPP/PFI手法導入を優先的に検討するための指針(令和7年改定版)」

BTO(Build-Transfer-Operate): 民間事業者が施設を建設(Build)し、完成後直ちに所有権を公共に移転(Transfer)し、その後民間が維持・運営(Operate)する。学校・病院・刑務所などの行政サービス施設に多い。公共が費用を負担(サービス購入型)するため、民間は安定した収益が見込める。

BOT(Build-Operate-Transfer): 民間が施設を建設・運営し、事業期間終了後に公共に移転する。事業期間中は民間が所有権を持ち、利用料収入等で自己回収する独立採算型が多い。

RO(Rehabilitate-Operate): 既存施設を民間が改修(Rehabilitate)して運営(Operate)する。廃校・旧公共施設の活用に適している。

コンセッション(運営権方式): を民間に付与し、運営・利用料収受を行わせる。施設所有権は公共に残したまま、運営権のみを移転する。平成11年度から令和6年度末までに実施方針を公表した累計のPFI事業1,154件のうち、公共施設等運営事業は71件である。

VFMの考え方

VFM(Value for Money) とは、従来方式(公共が自ら実施)に比べてPFI方式が総事業費をどれだけ削減できるかを示す割合である。

内閣府の手引きは、VFMの算定には、PFI事業として行うかどうかを判断するために特定事業の選定時に公表する「シミュレーションのVFM」と、落札者の提案内容から算定する「実際のVFM」の2種類があると説明している。実績は10%台が多いが、何%以上出ればよいという決まりは無く、定量的な評価だけでなくPFIとした場合の利点と欠点を合わせて判断するとしている。

VFMの算定には専門的な知識が必要であり、小規模自治体ではコンサルタントへの委託費が必要になる。これがPFI法導入の障壁の一つとなっている。


Park-PFIの仕組みの再整理

収益施設設置許可と特定公園施設整備の一体型。3つの特例措置

は都市公園法(第5条の2〜第5条の9)に基づく制度で、公園内への 収益施設(カフェ・レストラン・スポーツ施設等)の設置許可 と引き換えに、民間事業者が 特定公園施設(トイレ・園路・広場等)の整備 を担う仕組みだ。

3つの特例措置

Park-PFIが民間参入を可能にする根拠となっているのが3つの特例措置だ。

設置許可期間の最大20年: 通常の公園施設設置許可(最長10年)に対し、認定を受けることで最大20年に延長。

建ぺい率の上乗せ: 公園施設として設ける建築物の建築面積の割合は、100分の2を参酌して条例で定める割合を超えてはならない(国の設置に係る都市公園は2%)。認定公募設置等計画に基づく公募対象公園施設である建築物については、敷地面積の100分の10を限度にこれを超えることができる。条例が参酌基準どおりの2%であれば、上乗せ後は12%になる。

この上乗せの10%は、休養施設等と合わせての10%である。それぞれに10%が付くわけではない。すでに休養施設や運動施設で建蔽率が12%に達している公園には、Park-PFI で便益施設を新設できない(ガイドライン 2.3)。

占用物件の特例: 通常は不可とされる公園内施設の占用が、Park-PFI認定事業者には一定条件下で認められる。

手続きの簡潔さ

Park-PFIの手続きは、①公募・②事業計画の認定・③設置許可の3ステップが基本だ。VFMを算定する義務は無く、特別目的会社(SPC)の設立を求める条文も無い。都市公園の管理者(自治体)が公募し、事業者が提案書を提出して審査を受ける。


根拠法・手続き・期間の比較

10項目の比較表。VFM・SPC・手続き期間・費用負担・期間上限の違い

比較軸PFI法Park-PFI
根拠法PFI法(1999年制定、2011年改正)都市公園法(2017年改正)
対象施設公共施設全般(道路・学校・病院・空港等)都市公園のみ
主なスキームBTO・BOT・RO・コンセッション等収益施設設置許可+特定公園施設整備
SPC設立応募できるのは法人(PFI法第9条第1号)。特別目的会社を求める条文は無い条文に定めは無い
VFM評価内閣府の手引きは、特定事業の選定時にシミュレーションのVFMを公表すると説明条文に定めは無い
手続き期間手引きが挙げる先行事例12件では、実施方針の公表から契約締結まで5〜17か月公募設置等指針で公園管理者が定める(法定の期間は無い)
事業期間上限法律に上限の定めは無い。手引きは先行事例の事業期間を7〜30年程度としている認定の有効期間は20年を超えない(都市公園法第5条の2第5項)
費用負担サービス購入型(公共が支払)or 独立採算事業者の収益施設収入が原資(独立採算)
担当省庁内閣府(民間資金等活用事業推進室)国土交通省(都市局)
対象事業規模条文に定めは無い条文に定めは無い

両制度の組み合わせ

大規模公園でPFI法コンセッションとPark-PFIを組み合わせる事例と条件

大規模な都市公園の再整備では、PFI法(コンセッション)とPark-PFIを組み合わせる ケースが議論されることがある。

組み合わせが成り立つ構造

例えば、ある大型都市公園において、公園全体の管理運営をPFI法コンセッション方式 で民間に委ね、かつ 公園内の特定エリアにPark-PFIを適用して収益施設を設置 するという組み合わせが理論上は可能だ。

ただし実際には、管轄法令(PFI法 vs 都市公園法)の調整、二重の公募手続き、設置許可と運営権の整理など、行政実務上の課題が多い。国土交通省は大型公園のマネジメントにPFI法を活用する事例を検討しているが、両制度の完全な一体化はまだ制度設計上の課題が残る。

実務的な考え方

一般的には「都市公園内の収益施設 → Park-PFI」「都市公園外または公園全体の指定管理 → PFI法または」という使い分けが現実的だ。

両制度の同時適用を検討する場合は、国土交通省の相談窓口や内閣府PFI推進室に事前に照会することが望ましい。


適用判断フレームワーク

施設種別・投資規模・手続き重さの3軸で判断する選択フロー

出典を示していない収支試算の単価・金額は、説明用に仮定した数値であり、統計に基づく相場ではない。事業計画を作る際は、対象施設の状態や立地、事業内容に応じた見積もりと実績を用いる。出典を示した統計や事例の金額は、この仮定とは区別して参照する。

どちらの制度を選ぶかは以下の3軸で判断する。

軸1: 施設種別(最優先の分岐点)

  • 都市公園内の施設 → まずPark-PFIを検討
  • 都市公園外の施設 → PFI法(スキーム選択)またはスモールコンセッション

軸2: 投資規模と手続きの重さ

  • 10億円未満の小規模案件 → Park-PFIまたはスモールコンセッション(VFM不要・SPC不要)
  • 10〜100億円規模 → PFI法(BTO等)またはPark-PFI
  • 100億円超の大規模案件 → PFI法(コンセッション・BTO)

軸3: 費用負担の構造

  • 公共が費用を支払う形式 → PFI法(サービス購入型)
  • 民間が独立採算で運営 → Park-PFIまたはPFI法(コンセッション)

このフレームワークに従えば、都市公園の収益施設(カフェ・スポーツ等)かつ中小規模 という組み合わせでは、Park-PFIが最もシンプルな選択肢になる。一方、都市公園外の公共施設で大規模投資が必要 な場合はPFI法が適切だ。

Park-PFI(公募設置管理制度)完全ガイド

制度の基本・特例・全工程の概要。PFI法との違いを理解した後の詳細入門に最適

Park-PFI事業の全工程ロードマップ

構想から開業まで4年のタイムライン。PFI法との手続き重さの違いを実感できる


次にやること

PPP/PFIの導入を検討する際は、対象施設の条件と自団体の規程を確認する。

順確認・検討すること担当・相談先
1対象施設の事業費を確認する。建設等を含む総額10億円以上、運営のみの場合は年1億円以上という国の目安と、自団体の規程を照合する予算担当
2自団体の優先的検討規程を確認する。未整備の場合は、内閣府の指針を参考に整備を検討する企画担当
3利用料金の有無と収入の見込みを確認する。料金を徴収できる施設は、コンセッションの適用条件も調べる各施設の所管課
4事業費、施設の種類、利用料金の見込みを踏まえて、適用できる事業手法を比較する。都市公園ではPark-PFI、遊休施設ではスモールコンセッションも候補となる所管課、企画担当
5着手する施設を選び、民間事業者の関心と事業条件を確認するサウンディング

事業費と自団体の規程を確認して、優先的検討の対象になるかを判断する。そのうえで、施設の用途や収入の見込みに合う手法を比較する。


この記事で使った統計の出典

  1. 1民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(PFI法、平成11年法律第117号) 出典を開く
  2. 2本記事の整理
  3. 3都市公園法(昭和31年法律第79号)第5条の2第5項(e-Gov法令検索) 出典を開く
  4. 4内閣府 民間資金等活用事業推進室「PFI事業導入の手引き 基礎編 Q12 事業範囲と事業期間」 出典を開く
  5. 5内閣府 民間資金等活用事業推進室「PFI事業の実施状況(令和6年度)について」(2025年) 出典を開く
  6. 6内閣府 民間資金等活用事業推進室「PFI事業導入の手引き 基礎編 Q13 VFM(Value for Money)」 出典を開く
  7. 7都市公園法(昭和31年法律第79号)第4条第1項、同法施行令(昭和31年政令第290号)第6条第6項(e-Gov法令検索) 出典を開く
  8. 8内閣府 民間資金等活用事業推進室「PFI事業導入の手引き 基礎編 Q7 PFIを進めるスケジュール」 出典を開く

この記事を共有・引用する

記事を庁内資料・議会・勉強会・研究で引用するときは、記事名・公共0区(一般社団法人 社会構想デザイン機構)・URLを明記してください。

訂正の内容

  1. :PFI法が特別目的会社(SPC)の設立を義務づけていると書いていました。条文にその定めはありません。

    訂正前
    SPC要件:PFI法は原則SPC設立が義務(法定)/比較表「SPC設立 原則必須(法定)」
    訂正後
    PFI法が定めているのは「応募できるのは法人」まで(第9条第1号)で、特別目的会社を求める条文は無い

    理由 民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律の全文に「特別目的会社」は1回も出てきません。会社の形について書いているのは第9条第1号の欠格事由で、法人でない者は募集に応じることができない、という定めです。e-Gov法令検索の法令データで確かめました。

  2. :VFMの削減率として挙げていた数字が、リンク先のページに載っていませんでした。

    訂正前
    VFM評価の結果、PFI方式の財政負担削減効果は特定事業選定時に平均7.9%、落札後(最終VFM)で平均16.8%とされている(1999〜2020年の451件集計)
    訂正後
    内閣府の手引きは、特定事業の選定時に公表する「シミュレーションのVFM」と落札者の提案から算定する「実際のVFM」の2種類があるとし、実績は10%台が多いが何%以上出ればよいという決まりは無いと書いている

    理由 出典に挙げていたページは内閣府「PFI事業導入の手引き 基礎編 Q13 VFM」で、7.9%も16.8%も451件という数も載っていません。出典の名前は「PPP/PFI推進アクションプラン総括レビュー」と別の資料になっていました。数字の出どころを確かめられないので落とし、リンク先のページが実際に書いている内容に替えました。VFM評価をPFI法の義務としていた点も、条文に定めが無いので直しています。

  3. :公園の建ぺい率を「通常2〜5%」と書いていました。法令の参酌基準は2%です。

    訂正前
    建ごい率の最大12%:通常2〜5%の公園建ぺい率が、認定区域では最大12%まで緩和
    訂正後
    都市公園法第4条第1項は100分の2を参酌して条例で定める割合とし(国の設置に係る都市公園は2%)、施行令第6条第6項が公募対象公園施設に敷地面積の100分の10を限度とする上乗せを認めている

    理由 5%という数字の出どころが確かめられませんでした。条例で定める割合なので自治体によって違い、全国の通常値として5%を示す資料は見つかりません。見出しの「建ごい率」という誤字も直しました。

  4. :比較表の手続き期間と事業期間が出典のない目安でした。

    訂正前
    手続き期間 準備〜事業開始まで2〜5年が典型/事業期間上限 制限なし(契約で設定、20〜30年が多い)
    訂正後
    内閣府の手引きが挙げる先行事例では、実施方針の公表から契約締結まで5〜17か月/法律に上限の定めは無く、手引きは先行事例の事業期間を7〜30年程度としている

    理由 内閣府「PFI事業導入の手引き 基礎編」のQ7が先行事例12件の実施方針から契約締結までの月数を、Q12が「先行事例における事業期間は7〜30年程度です」と書いています。記事が書いていた2〜5年と20〜30年は、どの資料の数字か辿れませんでした。

  5. :コンセッションが空港・水道・スポーツ施設などで活用が進んでいるという記述を、件数に替えました。

    訂正前
    空港・水道・スポーツ施設などで活用が進んでいる
    訂正後
    平成11年度から令和6年度末までに実施方針を公表した累計のPFI事業1,154件のうち、公共施設等運営事業は71件である

    理由 分野別に何件かを示した資料をこの記事では確かめていませんでした。内閣府が公表している件数に替えました。

  6. :PFI法へのリンクが開けない状態で、制定年も誤っていました。

    訂正前
    法令ID 411AC0000000117、制定年2011年
    訂正後
    法令ID 411AC1000000117(平成11年法律第117号)

    理由 e-Gov法令検索の法令IDが違っており、たどっても法令が表示されませんでした。2026-09-12にe-Gov法令APIで引き直しています。制定年の2011年は平成11年を西暦に読み違えたもので、正しくは1999年です。

この記事の用語

Park-PFI(公募設置管理制度)
都市公園法に基づき、飲食店等の収益施設と公園施設の整備・管理を一体的に行う民間事業者を公募する制度。2017年の法改正で創設。収益施設の設置許可期間は最長20年。
コンセッション方式
公共施設の所有権を行政が保持したまま、運営権を民間事業者に委託するPFI手法。水道事業では2022年に宮城県が全国初の導入事例となった。
指定管理者制度
地方自治法第244条の2に基づき、公の施設の管理を民間事業者やNPO等に委ねる制度。2003年の法改正で導入。総務省の調査(令和6年4月1日現在、79,332施設)では指定期間は5年が77.1%、3年が10.9%、10年以上は5.7%で、この期間の短さが長期投資を妨げる課題として挙げられる。

ご自身の案件で確認すること

  • 対象施設が都市公園内かどうか。公園外の施設(スポーツセンター・温浴等)ならPFI法が主な選択肢。公園内の収益施設ならPark-PFIが手続き上シンプルだ
  • VFM評価(公共が実施する場合との財政負担比較)を実施できる体制があるか。なければPFI法の手続きは難易度が高い
  • 特別目的会社(SPC)を設立するコストと、SPCなしでの事業継続リスクを比較した場合、どちらが現実的か。法律はSPCを求めていないので、公募の条件を確かめたうえで決める

YOUR PROJECT

一般論から、個別の条件へ。

対象施設や公募条件に合わせて、調査・方針整理・対話・提案準備をご相談いただけます。初回は状況と対応範囲を確認し、個別業務は事前にお見積もりします。

目次

サイトの動作に必要な機能は常に有効です。任意のCookieは、いつでもこの画面で変更できます。

詳しく見る ↗

記事を検索する

知りたい言葉を入力してください。複数の言葉はスペースで区切れます。

記事の題名・要点・本文全体から検索します。

一次資料用語集よくある質問