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ARTICLE · 廃校活用

廃校の売却と貸付を条文で比べる:行政財産と普通財産、議会の議決、相手方の選び方、契約後の解除、貸付の期間

廃校を売るか貸すかで変わる手続きを、地方自治法と同法施行令、借地借家法、民法の条文と文部科学省の資料で比べた。行政財産のままでは売れないこと、無償や適正な対価に満たない額で出すときと一定の額以上を売り払うときの議会の議決、競争入札と随意契約、契約後に自治体が解除できる場合、定期借地権・事業用定期借地権等・定期建物賃貸借と使用貸借の違いを並べる。

この記事の要点

  • 行政財産は、地方自治法第238条の4第2項から第4項に定める場合を除いて、貸し付けることも売り払うこともできない。文部科学省の財産処分手続ハンドブックでは、廃校にするときは、他の公用・公共用施設とする場合を除いて普通財産に改める
  • 適正な対価なく譲渡・貸付をするには、条例か議会の議決が要る。不動産の売払いは、予定価格が市で2,000万円、町村で700万円を下らない範囲で条例が決めた額以上で、土地は市町村で1件5,000平方メートル以上のものが議会の議決事件になる。適正な対価で貸すときは、このどちらにも当たらない
  • 貸し付けた普通財産は、公用・公共用に供するため必要を生じたら長が契約を解除でき、借受人は損失の補償を求められる。売払い・譲与に準用されるのは、用途と期日・期間を指定したときの解除だけである
  • 借地借家法の定期借地権は存続期間50年以上、事業用定期借地権等は10年以上50年未満で、事業用定期借地権等は公正証書で契約する。賃料を取らない貸付は民法の使用貸借で、期間も使用の目的も定めなければ貸主も借主もいつでも解除できる
対象読者・読む前に確認したいこと

こんな方に

  • 廃校を売るか貸すかを決める前に、条文でどこが違うかを確かめたい自治体の財産管理・教育委員会・契約の担当者
  • 廃校の公募に応じる前に、契約の形と期間、契約後に解除される場合を知っておきたい事業者・社会福祉法人・NPO

前提となる知識

  • 国庫補助を受けて整備した建物の財産処分の手続き(「廃校の財産処分」の記事に載せた)
この記事の内容

廃校を売るか貸すかで、地方自治法の手続きと契約の中身が変わる。議会の議決が要るか、相手をどう選ぶか、契約のあとに自治体が解除できるか、貸すなら期間をどう決めるか。この記事は、地方自治法と同法施行令、借地借家法、民法の条文を読み、売払い、譲与、有償の貸付、無償の貸付の違いを並べた。国庫補助を受けて整備した建物の財産処分の手続きは廃校の財産処分の記事に、募集中の廃校で自治体が示している形と金額は廃校は売るか貸すかの記事に載せた。

市が不動産を売り払うとき、議会の議決に付すものを条例で決める予定価格の基準

2,000万円

条例の額はこれを下らない。町村は700万円で、土地は1件5,000平方メートル以上のものに限る(地方自治法施行令別表第四)

定期借地権の存続期間

50年以上

事業用定期借地権等は10年以上50年未満で、公正証書で契約する(借地借家法第22条・第23条)

売払い・譲与・有償の貸付・無償の貸付の違い

行政財産のままでできるか、議会の議決、契約後の解除、借地借家法、財産処分の手続きを4つの形で並べた表

条文で比べると、次のようになる。根拠にした条文と文書は、下の節ごとに示した。

売払い(有償の譲渡)譲与(無償の譲渡)有償の貸付無償の貸付
行政財産のままでできるかできないできない地方自治法第238条の4第2項から第4項に当たる場合だけ同左
議会の議決予定価格が条例で決めた額以上で、土地は1件5,000平方メートル以上(市町村)のものは要る条例で定める場合を除いて要る第96条第1項第6号にも第8号にも当たらない(条例で議決事件に加えている場合を除く)条例で定める場合を除いて要る
契約後に公用・公共用で要るようになったとき解除の定めは無い同左長が解除でき、借受人は損失の補償を求められる同左
用途と期日・期間を指定したとき指定に反したら解除できる同左同左同左
借地借家法当たらない当たらない建物の所有を目的とする土地の賃借権と、建物の賃貸借に当たる当たらない(民法の使用貸借)
国庫補助を受けた建物の財産処分承認申請が要る国庫補助事業の完了後10年以上なら報告で済む承認申請が要る国庫補助事業の完了後10年以上なら報告で済む

相手方の選び方(競争入札か随意契約か)は、売買にも貸借にも同じ条文が当たる。財産処分の手続きは、国庫補助事業の完了後10年以上たった建物等でも、有償による処分は報告事項の1(10年以上たった建物等の無償による処分)に当たらず、承認申請が要る。国庫に納付することになる補助金相当額以上を、その地方公共団体が設置する学校の施設整備に要する経費に充てる基金に積み立て、適切に運用するものは、国庫納付金を要さずに承認される。10年以上たった建物等の無償による処分は、学校施設に不足を生じる場合などを除いて、報告書を出せば承認があったものとみなされる。10年未満の処分の扱いと必要書類は、廃校の財産処分の記事に載せた。

行政財産と普通財産

行政財産は決まった場合を除いて貸付も売払いもできないこと、使用の許可、廃校を普通財産に改める扱い

公有財産は行政財産と普通財産に分かれる。行政財産は、普通地方公共団体において公用又は公共用に供し、又は供することと決定した財産で、普通財産は行政財産以外の一切の公有財産である。行政財産は、第238条の4第2項から第4項に定めるものを除いて、貸し付け、交換し、売り払い、譲与し、出資の目的とし、若しくは信託し、又はこれに私権を設定することができず、これに違反する行為は無効である。第2項が挙げるのは、行政財産である土地の上に堅固な建物などを所有しようとする者にその土地を貸し付ける場合や、庁舎等の床面積や敷地に余裕がある場合に余裕がある部分を貸し付ける場合などである。行政財産は、用途又は目的を妨げない限度で使用を許可することができ、この許可を受けてする使用には借地借家法の規定を適用しない。公用若しくは公共用に供するため必要を生じたとき、又は許可の条件に違反する行為があると認めるときは、長又は委員会は許可を取り消すことができる。普通財産は、貸し付け、交換し、売り払い、譲与し、若しくは出資の目的とし、又はこれに私権を設定することができる。

財産処分手続ハンドブックによると、廃校にするときは、財産を管理する権限を持つ地方公共団体の長が、他の公用又は公共用施設とする場合を除いて、その施設を行政財産から普通財産に改める。売り払うのも、第238条の4第2項から第4項に当たらない貸付も、普通財産に改めてからになる。公民館などの公共施設に変えて行政財産のまま使い、その一部を事業者に使わせるなら、使用の許可になり、借地借家法は適用されない。

財産処分の必要書類一覧は、譲渡の欄に「譲渡契約書(案)」を、貸与の欄に「貸借契約書、目的外使用許可書等(案)」を挙げている。

議会の議決が要る場合

無償や適正な対価に満たない額で出すときの条例か議決、売払いの議決の基準になる予定価格と土地の面積

無償や、適正な対価に満たない額で出すとき

地方自治法は、第238条の4第1項の規定の適用がある場合を除き、普通地方公共団体の財産は、条例又は議会の議決による場合でなければ、適正な対価なくしてこれを譲渡し、若しくは貸し付けてはならないと定め(第237条第2項)、条例で定める場合を除くほか、適正な対価なくして財産を譲渡し、若しくは貸し付けることを議会の議決事件にしている(第96条第1項第6号)。無償で貸すか譲る場合と、適正な対価に満たない額で出す場合は、財産の無償貸付や譲与を定めた条例が自治体にあるかを先に確かめ、条例で足りなければ議会の議決を日程に入れる。国庫補助を受けた建物の財産処分では、承認申請にも報告にも、無償の譲渡・貸与に「無償での処分が可能な根拠」(例として条例や議会の議決等、案でも可)を付ける。

一定の額以上の不動産を売り払うとき

議会は、第6号と第7号に定めるものを除くほか、その種類及び金額について政令で定める基準に従い条例で定める財産の取得又は処分を議決しなければならない(第96条第1項第8号)。これとは別に、条例で、普通地方公共団体に関する事件で議会の議決すべきものを定めることもできる(同条第2項)。

施行令は、この基準を、種類は別表第四の上欄に定めるもの、金額は予定価格の金額が同表の下欄に定める金額を下らないこと、としている。上欄は、不動産若しくは動産の買入れ若しくは売払い(土地については、その面積が都道府県は1件2万平方メートル以上、指定都市は1件1万平方メートル以上、市町村は1件5,000平方メートル以上のものに限る)又は不動産の信託の受益権の買入れ若しくは売払いで、下欄は、都道府県7,000万円、指定都市4,000万円、市(指定都市を除く)2,000万円、町村700万円である。

別表第四に並ぶのは買入れと売払いで、貸付と譲与は入っていない。適正な対価で貸すときは、第96条第1項第6号にも第8号にも当たらない。売り払うときに議決が要るかは、自治体の条例が決めた額と面積で見る。条例で議決事件を加えている場合もあるので、貸付でも条例を確かめる。

相手方の選び方

競争入札を基本とする地方自治法第234条と、随意契約によることができる場合

売買、貸借、請負その他の契約は、一般競争入札、指名競争入札、随意契約又はせり売りの方法により締結するものとし、指名競争入札、随意契約又はせり売りは、政令で定める場合に該当するときに限り、これによることができる。

随意契約によることができる場合として、施行令は、予定価格(貸借の契約は予定賃貸借料の年額又は総額)が別表第五の額の範囲内で規則で定める額を超えない契約(別表第五は、財産の売払いが都道府県と指定都市で100万円、市町村で50万円、物件の貸付けが都道府県と指定都市で50万円、市町村で30万円)、その性質又は目的が競争入札に適しない契約、競争入札に付することが不利と認められるとき、時価に比して著しく有利な価格で契約を締結することができる見込みのあるとき、競争入札に付し入札者がないとき又は再度の入札に付し落札者がないとき、などを挙げている。

廃校の売払いも貸付も、この条文で相手方の選び方が決まる。事業の提案を比べて相手方を選ぶなら、施行令第167条の2第1項のどの号に当たるかを、契約の担当と先に詰めておく。募集中の廃校で自治体が示している選び方と条件は、廃校は売るか貸すかの記事に載せた。

契約後に自治体が解除できる場合

公用・公共用に必要を生じたときの解除と損失の補償、用途を指定したときの解除、売払い・譲与への準用

普通財産を貸し付けた場合に、その貸付期間中に国、地方公共団体その他公共団体において公用又は公共用に供するため必要を生じたときは、普通地方公共団体の長はその契約を解除することができ、借受人はこれによって生じた損失につきその補償を求めることができる(第4項・第5項)。長が一定の用途並びにその用途に供しなければならない期日及び期間を指定して普通財産を貸し付けた場合に、借受人が指定された期日を経過してもなおその用途に供せず、又はその用途に供した後指定された期間内にその用途を廃止したときは、長はその契約を解除することができる(第6項)。第4項と第5項は貸付け以外の方法により普通財産を使用させる場合に、第6項は普通財産を売り払い、又は譲与する場合に準用する(第7項)。

売り払ったあとや譲与したあとに、公用・公共用で要るようになっても、第4項の解除は準用されていない。売払い・譲与で解除の定めがあるのは、用途と期日・期間を指定した場合である。売るなら、何の用途に、いつまでに使い始め、何年続けるかを契約で指定する。貸すなら、公用・公共用の必要で解除されうることと、そのときの損失の補償を、契約の前に借受人と確かめておく。

国庫補助を受けた建物を民間企業に無償で譲渡し、その企業が建物を取り壊したり第三者に有償で譲渡したりする場合も、当初に国庫納付をしていなければ、所有権が移っていても再度の手続きが要る。ハンドブックは、再処分するときは補助事業者等にあらかじめ連絡することなどを譲渡契約書に書いておくよう求めている。

貸付の期間と更新

賃貸借と使用貸借、借地権の存続期間、定期借地権と事業用定期借地権等、定期建物賃貸借、国庫補助を受けた建物の貸与を更新するときの手続き

賃貸借と使用貸借

賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うこと及び引渡しを受けた物を契約が終了したときに返還することを約することによって、その効力を生ずる(第601条)。使用貸借は、当事者の一方がある物を引き渡すことを約し、相手方がその受け取った物について無償で使用及び収益をして契約が終了したときに返還をすることを約することによって、その効力を生ずる(第593条)。使用貸借は、期間を定めたときはその期間の満了によって終了し、借主の死亡によっても終了する(第597条第1項・第3項)。当事者が期間も使用及び収益の目的も定めなかったときは、貸主はいつでも契約の解除をすることができ、借主もいつでも契約の解除をすることができる(第598条第2項・第3項)。

借地借家法は、建物の所有を目的とする地上権及び土地の賃借権の存続期間、効力等並びに建物の賃貸借の契約の更新、効力等に関し特別の定めをする法律で、借地権は、建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう。借地権の存続期間は30年で、契約でこれより長い期間を定めたときはその期間とする。

賃料を取らない貸付は使用貸借で、借地借家法が特別の定めをしている賃借権と建物の賃貸借には当たらない。無償で貸すときに期間も使用の目的も書かなければ、自治体も事業者もいつでも解除できる契約になる。事業者が改修費をかけて長く使うなら、期間、使用の目的、解除できる場合を契約書に書く。

定期借地権と事業用定期借地権等

存続期間を50年以上として借地権を設定する場合は、契約の更新と建物の築造による存続期間の延長がなく、建物の買取りの請求をしないこととする旨を定めることができ、その特約は公正証書による等書面によってしなければならない(第22条)。専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除く)の所有を目的とし、存続期間を30年以上50年未満として借地権を設定する場合も同じ旨を定めることができ、存続期間を10年以上30年未満として設定する場合は、第3条から第8条まで、第13条及び第18条の規定を適用しない。これらの借地権の設定を目的とする契約は、公正証書によってしなければならない(第23条)。

校舎を取り壊して事業者が自分で建物を建てるなら、建物の所有を目的とする土地の賃貸借で、借地権の定めが当たる。更新の無い契約にするなら、第22条か第23条の期間で組む。既存の校舎を有償で貸すなら建物の賃貸借で、更新の無い契約にするなら次の第38条による。

定期建物賃貸借

期間の定めがある建物の賃貸借をする場合は、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、契約の更新がなく期間の満了により終了することを、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならず、説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは無効となる。期間が1年以上の場合は、期間の満了の1年前から6月前までの間に、期間の満了により終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。

貸与の期間を更新するとき

国庫補助を受けた建物を一定の年数に限って貸与した場合、期間が過ぎたあと、更新する期間について改めて財産処分の申請又は報告をする。申し出がなければ更新される契約でも同じである。更新の手続きと、定期借地権や定期建物賃貸借の期間は別々に決まるので、両方の日付を契約の工程表に並べる。

比較

廃校は売るか貸すか:募集中の廃校で自治体が示す形と金額、事例集で譲渡と有償貸与を選んだ14事例

活用用途を募集している廃校の一覧で数えた譲渡と貸与の示し方、金額と期間を書いた募集、事例集の改修費の負担

ガイド

廃校の財産処分:手続きが要らない場合、報告で済む処分、国庫納付金と基金、必要書類と提出の時期

手続きが要らない場合、報告で済む処分と承認が要る処分、国庫納付金の算定と基金への積立て、必要書類と提出の目安

ガイド

福祉事業者のための廃校活用ガイド:借り方、建物の確認、補助金、指定基準と事例【2026年版】

行政財産と普通財産、無償や低額に要る条例か議会の議決、契約を解除できる場合、施設の種類ごとの補助と設備の基準


次にやること

廃校の活用方針と改修予算を検討する際は、次の事項を確認する。

順確認・検討すること担当・相談先
1活用に関心のある事業者を探す。希望する用途や必要な条件を聞き、活用方針の検討に反映するサウンディング、地元事業者
2耐震診断とアスベスト調査の結果を確認する。未実施の場合は、調査の範囲と実施方法を検討する営繕担当
3調査結果に基づいて改修費を見積もり、解体する場合の費用と比較する設計事務所
4財産処分に必要な手続きを確認する。国庫補助を受けた校舎は、活用方法と処分制限期間に応じて、文科省の承認申請または報告の要件を確認する教育委員会、文科省
5用途を公表する前に、卒業生や地域団体に活用方針を説明し、意見を聞く同窓会、自治会

用途を確定する前に事業者の関心と必要な条件を確認し、借り手の見込みを踏まえて活用方針を検討する。


この記事で使った統計の出典

  1. 1地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)第121条の2の2第2項・別表第四(e-Gov法令検索) 出典を開く
  2. 2借地借家法(平成3年法律第90号)第22条・第23条(e-Gov法令検索) 出典を開く
  3. 3文部科学省「公立学校施設整備費補助金等に係る財産処分の承認等について(通知)」(令和8年3月31日付け7文科施第1190号)(2026) 出典を開く
  4. 4地方自治法(昭和22年法律第67号)第238条第3項・第4項、第238条の4第1項・第2項・第6項〜第9項(e-Gov法令検索) 出典を開く
  5. 5地方自治法(昭和22年法律第67号)第238条の5第1項(e-Gov法令検索) 出典を開く
  6. 6文部科学省「財産処分手続ハンドブック」(令和8年3月)Q.52(2026) 出典を開く
  7. 7文部科学省「財産処分手続必要書類一覧」(令和8年3月31日時点)(2026) 出典を開く
  8. 8地方自治法(昭和22年法律第67号)第237条第2項・第96条第1項第6号(e-Gov法令検索) 出典を開く
  9. 9地方自治法(昭和22年法律第67号)第96条第1項第8号・第2項(e-Gov法令検索) 出典を開く
  10. 10地方自治法(昭和22年法律第67号)第234条第1項・第2項(e-Gov法令検索) 出典を開く
  11. 11地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)第167条の2第1項・別表第五(e-Gov法令検索) 出典を開く
  12. 12地方自治法(昭和22年法律第67号)第238条の5第4項〜第7項(e-Gov法令検索) 出典を開く
  13. 13文部科学省「財産処分手続ハンドブック」(令和8年3月)Q.54(2026) 出典を開く
  14. 14民法(明治29年法律第89号)第593条・第597条・第598条・第601条(e-Gov法令検索) 出典を開く
  15. 15借地借家法(平成3年法律第90号)第1条・第2条第1号・第3条(e-Gov法令検索) 出典を開く
  16. 16借地借家法(平成3年法律第90号)第38条第1項・第3項・第5項・第6項(e-Gov法令検索) 出典を開く
  17. 17文部科学省「財産処分手続ハンドブック」(令和8年3月)Q.55(2026) 出典を開く

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記事を庁内資料・議会・勉強会・研究で引用するときは、記事名・公共0区(一般社団法人 社会構想デザイン機構)・URLを明記してください。

訂正の内容

  1. :地方自治法の表と説明で、第238条の4を普通財産の条文とし、廃校は普通財産として管理される、無償貸付は規則・要綱による行政判断で足りる、有償貸付は長期・高額なら議会の議決が要る、と書いていました。e-Gov法令検索の条文と文部科学省のハンドブックに合わせて直しました。

    訂正前
    廃校(校舎・体育館・グラウンド)は自治体の普通財産(公有財産のうち行政財産以外のもの)として管理される/地方自治法第238条の4以下が普通財産の管理・処分を規定しており、売却・貸付の方法・条件については議会の議決や規則に従う必要がある/議会議決(高額案件)、補助金適正化法承認/長期・高額案件は議会議決、補助金適正化法承認/行政判断(規則・要綱)、補助金適正化法承認
    訂正後
    行政財産は、第238条の4第2項から第4項に定めるものを除いて貸付も売払いもできず、普通財産は第238条の5第1項で貸付・売払い・譲与ができる。廃校にするときは、他の公用又は公共用施設とする場合を除いて行政財産から普通財産に改める(財産処分手続ハンドブックQ.52)。適正な対価なく譲渡・貸付をするには条例か議会の議決が要る(第237条第2項、第96条第1項第6号)。不動産の売払いは、予定価格が施行令別表第四の金額(市2,000万円、町村700万円など)を下らない範囲で条例が定める額以上で、土地は市町村で1件5,000平方メートル以上のものが議会の議決事件になる(第96条第1項第8号、施行令第121条の2の2第2項)

    理由 第238条の4は行政財産の管理及び処分の条文で、普通財産は第238条の5です。第237条第2項と第96条第1項第6号は、条例で定める場合を除いて、適正な対価なく財産を譲渡し、貸し付けることを議会の議決事件にしていて、規則や要綱で足りるとは読めません。第8号の基準を定めた施行令別表第四に並ぶのは不動産などの買入れと売払いで、適正な対価による貸付はここにも第6号にも当たりません。売払いの議決は「高額案件」ではなく、この基準に従った条例で決まります。ハンドブックQ.52は、他の公用又は公共用施設とする場合を除いて普通財産に改めるとしていて、廃校がいつも普通財産になるわけでもありません。

  2. :振り返りの問いで処分制限期間を「国庫補助財産の場合は原則10年」とし、本文で多くの廃校は処分制限期間がすでに終わっていると書いていました。学校施設の処分制限期間は、鉄筋コンクリート造の校舎で47年か60年です。

    訂正前
    補助金適正化法の処分制限期間(国庫補助財産の場合は原則10年)が残っている場合/多くの廃校では処分制限期間がすでに終了しているケースも多い
    訂正後
    処分制限期間は、鉄筋コンクリート造の校舎で、平成13年度以降の予算の補助事業等で取得したものが47年、平成12年度以前が60年(財産処分手続ハンドブックQ.5)。10年は、国庫補助事業の完了後10年以上たった建物等の無償による処分が報告で済む線で、処分制限期間とは別。財産処分の手続きは「廃校の財産処分」の記事に載せた

    理由 財産処分手続ハンドブック(令和8年3月)のQ.5は、処分制限期間を文部科学省の告示で示し、鉄筋コンクリート造の校舎を47年(平成12年度以前の予算で取得したものは60年)としていて、10年は令和8年3月31日付けの通知が無償の処分を報告事項にしている線です。2026年9月12日の訂正で本文の「原則10年」を直したとき、振り返りの問いに同じ書き方が残っていました。廃校のうち処分制限期間が終わったものが多いことを示す資料も、見当たりませんでした。あわせて、施行令第14条の引用は現行の条文と文言が違っていたので、この記事からは外しました。

  3. :承認申請の書類を「財産処分承認申請書」「処分理由書」「活用計画書」とし、承認に数か月から1年程度かかる場合があると書いていました。文部科学省の必要書類一覧とハンドブックに合わないので外しました。

    訂正前
    承認申請には「財産処分承認申請書」「処分理由書」「活用計画書」等の書類が必要で、承認には一定の時間(数ヶ月〜1年程度)を要する場合がある
    訂正後
    承認・報告とも、実績報告書、額の確定通知書、公立学校施設台帳、建物配置図、廃校を処分するときの学校設置条例の一部改正条例、処分後の施設に係る事業計画の概要等資料などを付け、提出の目安は承認申請書が処分予定時期の3か月前、報告書が2か月前(「廃校の財産処分」の記事に載せた)

    理由 文部科学省の財産処分手続必要書類一覧(令和8年3月31日時点)に「処分理由書」「活用計画書」という名前の書類は無く、財産処分手続ハンドブックのQ.8は提出の目安を承認申請書で3か月前、報告書で2か月前としています。承認まで1年程度かかることを示す資料は、見つかりませんでした。

  4. :有償貸付の貸付料を「固定資産評価額×貸付料率(通常2〜5%)」を基本に決めるとし、売却で数千万〜数億円の収入になる場合があると書いていました。どちらも出典を示せないので外しました。

    訂正前
    貸付料の水準は「固定資産評価額×貸付料率(通常2〜5%)」を基本として設定するが、地域の市場相場・事業の公益性・改修費負担等を考慮して調整される/廃校の立地・規模によっては数千万〜数億円の収入になる場合もある
    訂正後
    外した。国庫補助を受けた建物を有償で譲渡・貸与するときの承認申請には、契約額・使用料の算定根拠として、計算方法を示した条例・規則等、不動産鑑定評価書や固定資産税評価書、それに基づく計算書を付ける(「廃校の財産処分」の記事に載せた)。募集中の廃校で自治体が示している金額は「廃校は売るか貸すか」の記事に載せた

    理由 通常2〜5%という率と、売却の収入の幅を示す資料は、見つかりませんでした。同じサイトの売却と貸付の記事は同じ率を年率0.5〜3.0%程度と書いていて、2本の記事で食い違ってもいました。

  5. :定期借地権の期間を30〜50年と書いていました。借地借家法では、定期借地権は存続期間50年以上、事業用定期借地権等は10年以上50年未満です。

    訂正前
    更新を原則としない定期借地権(30〜50年)や定期建物賃貸借を活用することで、長期の事業者投資回収を保証しつつ、契約終了後の返還を確実にする
    訂正後
    存続期間を50年以上として借地権を設定する場合は、契約の更新と建物の築造による存続期間の延長がなく、建物の買取りの請求をしない特約を公正証書による等書面で定められる(第22条)。専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除く)の所有を目的とする借地権は、存続期間を30年以上50年未満とする場合と10年以上30年未満とする場合があり、契約は公正証書でする(第23条)。定期建物賃貸借は、公正証書による等書面で契約し、あらかじめ書面を交付して説明する(第38条)

    理由 e-Gov法令検索で借地借家法の第22条、第23条、第38条を読み直しました。30〜50年は第23条第1項の事業用定期借地権の幅で、第22条の定期借地権は50年以上、第23条第2項で10年以上30年未満の借地権も設けられます。投資の回収を保証する定めは条文にありません。

  6. :売却のあとに用途を縛る契約は実効性が限られ、取り戻すには市場価格での再購入が要る、と書いていました。地方自治法には、用途と期日・期間を指定して売り払ったときに契約を解除できる定めがあります。

    訂正前
    売買契約に「特定用途での使用義務(例:20年間は福祉施設として使用すること)」を定めることは可能だが、法的強制力の実効性は限定的だ/売却後は原則として取り戻しが難しく(市場価格での再購入が必要)、20〜30年後の地域人口変化や行政ニーズへの対応ができなくなる可能性がある
    訂正後
    長が一定の用途並びにその用途に供しなければならない期日及び期間を指定して貸し付けた場合に、借受人が期日を過ぎても用途に供さず、又は期間内に用途を廃止したときは、契約を解除できる(第238条の5第6項)。この定めは普通財産を売り払い、又は譲与する場合に準用する(同条第7項)。貸付期間中に公用・公共用に供するため必要を生じたときの解除と損失の補償(同条第4項・第5項)は、売払い・譲与には準用されていない

    理由 e-Gov法令検索で地方自治法第238条の5を読み直しました。用途を指定した売払いには解除の定めがあり、実効性が限られると示す資料はありませんでした。売ったあとに取り戻すには市場価格での再購入が要るという記述も、出典を示せませんでした。

  7. :貸付が選ばれやすい理由を3つ挙げ、地方・過疎地域では無償貸付が主流で「無償貸付+補助金」の組み合わせが現実的と書いていました。裏付けが無いので外しました。

    訂正前
    貸付が選ばれやすい理由として挙げられるのは、①地域の福祉・教育施設として維持したいというニーズ、②事業者(NPO・社会福祉法人等)の資金力の限界、③自治体が所有権を手放すことへの慎重さ、の3点である/地方・過疎地域では無償貸付が主流だ。事業者の資金力が限られ、有償貸付料が事業採算を圧迫するケースが多いためだ。過疎地では「無償貸付+補助金」の組み合わせが現実的な活用スキームとなる
    訂正後
    外した。文部科学省の活用用途を募集している廃校施設の一覧で、自治体が譲渡と貸与のどちらを示しているかを数えた結果は「廃校は売るか貸すか」の記事に載せた

    理由 貸付が選ばれやすい理由を挙げた資料と、地域ごとに無償貸付が多いことを示す統計は、見当たりませんでした。2026年9月12日の訂正で全国の割合を落としたあとも、地域の傾向として同じ主張が残っていました。

  8. :事業者から見た比較で、この記事が置いた前提として、改修費1億円の回収に15〜20年、無償貸付は5〜10年程度の更新制、売却なら資金調達が最も容易、といった比べ方を載せていました。出典の無い前提なので外しました。

    訂正前
    1億円の改修投資なら少なくとも15〜20年の契約期間が必要とされる一般的な基準と照らし合わせたか/一般的な目安として、改修費1億円の回収には15〜20年程度の事業期間が必要とされる(収益水準により異なる)/無償であっても期間が短い(5〜10年程度の更新制)場合は、大規模改修への投資が難しい/これが最も資金調達しやすい形態だ。銀行融資・不動産担保ローン・SBIBなど多様な調達手段が活用できる/改修費に対する融資は中小企業向け補助金・ふるさと融資等の組み合わせが一般的だ/有償貸付は賃料負担がある一方で契約期間が長めに設定されやすい。売却は所有権取得により担保設定・資金調達が最も容易
    訂正後
    外した。文部科学省の事例集で譲渡と有償の貸与を選んだ事例の改修費と負担は「廃校は売るか貸すか」の記事に載せた。賃貸借と使用貸借の違いと、借地借家法の期間は、本文の「貸付の期間と更新」に書いた

    理由 改修費と回収期間の目安、無償貸付の期間、資金調達のしやすさの順は、どれも出典を示せませんでした。「SBIB」が何を指すかも書いていませんでした。本文で前提と断っていても、比べる表の軸として読まれるので外しました。

  9. :自治体から見た比較の表で、売却は議決・競争入札等で行政手続きが重く、貸付は公募・審査で中程度とし、維持管理の費用も比べていました。条文で確かめられないので、条文で比べる表に替えました。

    訂正前
    重(議決・競争入札等)/中(公募・審査)/ゼロ(譲渡後)/低〜中(所有権に付随)/自治体が直接維持管理する場合と比べて維持管理費を節減できるという間接的な財政効果がある
    訂正後
    売払い・譲与・有償の貸付・無償の貸付ごとに、行政財産のままでできるか、議会の議決、契約後の解除、借地借家法、国庫補助を受けた建物の財産処分を並べた表に替えた。相手方の選び方は、売買にも貸借にも地方自治法第234条と施行令第167条の2が当たる

    理由 地方自治法第234条は、売買も貸借も、一般競争入札、指名競争入札、随意契約、せり売りの方法で結ぶとしていて、売却の手続きだけが重いとは言えません。維持管理の費用がどちらでどれだけかかるかは、出典を示せませんでした。

  10. :「次にやること」の表で、財産処分の手続きがいつも承認を要するように読める書き方でした。

    訂正前
    国庫補助を受けた校舎は文科省の承認が要る
    訂正後
    国庫補助を受けた校舎を処分制限期間内に学校以外に使うときは文科省の承認が要る(要件を満たせば報告で済む)

    理由 文部科学省の財産処分手続のページは、処分制限期間内に学校教育以外の用途で使うときに承認と国庫納付が要り、一定の要件を満たせば国庫納付をせず報告書の提出で済むとしています。報告で済む場合を落としていました。

  11. :処分方式の全国分布として載せていた数字が、出典に無いものでした。数字を落としました。

    訂正前
    無償貸付43.1%・有償貸付25.7%・売却13.3%・転用17.9%(出典 = 文部科学省 廃校施設活用状況実態調査)
    訂正後
    どれが全国で多いかは、公表された統計が見当たらない

    理由 出典に挙げていた文部科学省「令和6年度 廃校施設活用状況実態調査」の調査項目は、廃校の数・活用の状況・活用に向けた検討の状況の3つで、処分方式は聞いていません。無償・有償・売却・貸付のいずれの語も本文にありません。文部科学省の入口ページからリンクされているPDFも、この調査と余裕教室の調査の2本だけです。他の出典を探しましたが見つからず、数字を落としました。

  12. :処分制限期間を「原則10年」と書いていました。条文にその定めはありません。

    訂正前
    補助金適正化法施行令第14条により、耐用年数が10年以上の施設(校舎・体育館等)の処分制限期間は原則10年
    訂正後
    施行令第14条は「補助金等の交付の目的及び当該財産の耐用年数を勘案して各省各庁の長が定める期間」と書くにとどまる。10年は文部科学省の通知にある線で、国庫補助事業の完了から10年以上経った建物等の無償処分が報告だけで済む

    理由 リンク先の施行令第14条を読み直したところ、年数の定めがありませんでした。10年は文部科学省の通知(令和8年3月31日付け7文科施第1190号)にある要件で、起算点は国庫補助事業の完了、対象は無償の処分に限られます。有償の売却や貸付は10年を過ぎても承認申請が要ります。通知を出典に加えました。

ご自身の案件で確認すること

  • 売ろうとしている、または貸そうとしている廃校は、いま行政財産か普通財産か。行政財産なら、普通財産に改める手続きはいつ済むか
  • 売払いなら、予定価格と土地の面積は、議会の議決に付すものを定めた条例の基準に届くか。無償や適正な対価に満たない額なら、それを定めた条例はあるか、議決が要るか
  • 貸すなら、有償の賃貸借か無償の使用貸借か。期間、使用の目的、公用・公共用で必要になったときの解除と補償を、契約書に書く案になっているか

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