国庫補助を受けて整備した廃校を、公民館や福祉施設に転用する、民間に貸す、譲る、取り壊す。処分制限期間のうちにこうした処分をするときは、原則として財産処分の手続きが要る。手続きの中身は、文部科学省の「公立学校施設整備費補助金等に係る財産処分の承認等について」(令和8年3月31日付け7文科施第1190号)、「財産処分手続ハンドブック」(令和8年3月)、「財産処分手続必要書類一覧」(令和8年3月31日時点)に書いてある。この記事は、この3つと補助金適正化法の条文を読み、廃校の処分で使う部分を並べた。
無償の処分が報告で済む、国庫補助事業の完了からの年数
10年以上
学校施設に不足を生じる場合を除く(令和8年3月31日付けの通知)
鉄筋コンクリート造の校舎の処分制限期間
47年
平成13年度以降の予算の補助事業等で取得したもの。平成12年度以前は60年
承認申請書を出す目安(処分予定時期から数える)
3か月前
報告書は2か月前(財産処分手続ハンドブック)
財産処分に当たるもの
補助金適正化法第22条と施行令第14条、通知が対象とする21の補助金等、処分制限期間、承認を得ずに処分したときの条文
補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(補助金適正化法)第22条は、補助事業者等が、補助事業等により取得し、又は効用の増加した政令で定める財産を、各省各庁の長の承認を受けないで、補助金等の交付の目的に反して使用し、譲渡し、交換し、貸し付け、又は担保に供することを禁じている。ただし書は「政令で定める場合は、この限りでない」である。政令が定める場合は2つで、補助事業者等が補助金等の全部に相当する金額を国又は補助実施法人に納付した場合と、「補助金等の交付の目的及び当該財産の耐用年数を勘案して各省各庁の長又は補助実施法人の代表者が定める期間を経過した場合」である。
公立学校の施設について、文部科学省の通知は、補助金等の交付を受けて取得し、又は効用の増加した財産を、交付の目的に反して使用し、譲渡し、交換し、貸し付け、担保に供し、又は取り壊すこと等を「財産処分」と呼び、施行令第14条第1項に定める場合を除いて文部科学大臣の承認が要るとしている。対象は、公立学校施設整備費補助金、公立学校施設整備費負担金、学校施設環境改善交付金、公立諸学校建物其他災害復旧費補助金など21の補助金等である。この通知は、令和7年3月28日付け6文科施第950号の通知で取り扱ってきたものを、令和8年度から乳児等通園支援事業(こども誰でも通園制度)が本格実施されることに伴って改めたものである。財産処分日が通知の発出日以降の案件から適用する。
ハンドブックは、国庫補助を受けて整備した学校施設を学校教育以外の目的に使えば補助目的を達成できないので、処分制限期間内に転用、貸与、譲渡、取壊し等を行うときは承認を受ける必要がある、と説明している。「交付の目的に反して」に当たるのは、他の公共施設への転用、所有権の移転、第三者への貸与、取壊し、小学校から中学校への転用のように補助時点と異なる学校種として使う場合などである。
施行令の「各省各庁の長が定める期間」は処分制限期間と呼ばれ、この期間を経過すれば財産処分の手続きは要らない。期間は文部科学大臣の告示で決まっていて、鉄筋コンクリート造の校舎では、平成12年度以前の予算に係る補助事業等で取得したものが60年、平成13年度以降の予算に係るものが47年である。
財産処分の手続きは法令上事前に行う必要があり、承認を得ないうちに転用等を行うことは補助金適正化法第22条に反する。同法は、補助事業者等が法令に違反したときは補助金等の交付の決定の全部又は一部を取り消すことができるとし(第17条第1項)、この規定は補助金等の額の確定があった後も適用がある(同条第3項)。交付の決定を取り消した部分にすでに補助金等が交付されているときは、期限を定めてその返還を命じなければならない(第18条第1項)。
建物がどの国庫補助事業で整備され、いつ完了したかは、補助事業の実績報告書と額の確定通知書、公立学校施設台帳で確かめる。必要書類一覧は、実績報告書について、補助年度、建物区分、構造区分、補助面積(配分基礎面積)、補助金額、竣工(完成)年月が確認できる箇所を付けるよう求めている。申請書や報告書に無い補助が施設台帳に記載されている場合は、その補助が処分する箇所と無関係であることを施設台帳に手書きで補足する。
手続きが要らない場合
国庫補助を受けていない施設、処分制限期間の経過、1年以内の公益に資する一時的な使用、地域再生計画の認定、廃校を普通財産に改めることの扱い
ハンドブックは、次のどれかに当てはまれば財産処分の手続きは要らないとしている。
- 国庫補助を受けずに整備した学校施設と、国庫補助を受けずに取得した用地
- 交付の目的に反していない場合
- 一時的な使用の場合
- 処分制限期間を経過した場合
- 過去の財産処分の手続きで、処分する部分の残存価額に対する補助金相当額を国庫に納付した場合
A小学校とB小学校を廃校にして統合校のC小学校を設置し、A小学校の施設をC小学校として使うのは補助目的に適った使用なので、手続きは要らない。廃校になったB小学校を他の公共施設に転用するときは、原則として手続きが要る。
1年以内の、公益に資する一時的な使用
通知は、廃校施設等の現に学校教育の目的で使っていない補助財産を、改変を行わずに一時的に転用・貸与し、かつ公益に資する用に供する場合は、財産処分に当たらず手続きは要らないとしている。ハンドブックによると、この扱いは平成30年度通知(平成31年1月7日付け)からで、「廃校施設等」には休校施設も含む。「改変を伴わない」は簡単に原状復帰できる状態、「一時的」は1年以内、「公益に資する」は観光などの経済効果の創出や地域の活性化などを指し、有償か無償かは問わない。個人の所有物として一時的に使い、個人の収益だけを挙げて地域に経済効果などをもたらさない使い方は当たらない。
1年以内の契約でも、実態として1年を超える期間の更新が見込まれるなら一時的な使用とはいえず、別の用途として使い始めた時点に遡って手続きをする。当初から更新するか分からない場合は、1年以内の契約でも手続きをする。廃校になる前に学校開放で地域の団体に貸していた屋内運動場を、廃校後も続けて貸す場合は、廃校後の期間について手続きが要る。後から公益に資する用に当たらないと分かった場合は、第22条に反したと判断されることも考えられる。
地域再生計画の認定を受けた場合
地方公共団体が地域再生法第5条により地域再生計画の認定を申請し、内閣総理大臣の認定を受けたものは、同法第18条により文部科学大臣の承認を受けたものとみなされ、通知の手続きは要らない。国庫補助事業の完了後10年を経ていないものも対象になる。ハンドブックは、対象を転用又は無償による貸与とし、認定には財産処分の承認申請や報告と同様の根拠資料が要るとしている。
廃校を普通財産に改めること
ハンドブックによると、廃校にするときは、財産を管理する権限を持つ地方公共団体の長が、他の公用又は公共用施設とする場合を除いて、その施設を行政財産から普通財産に改める。行政財産から普通財産に改めることをもって財産処分の手続きをする必要はない。手続きが要るのは、行政財産か普通財産かを問わず、学校施設以外の目的に転用、譲渡、取壊し等をする場合である。行政財産は、普通地方公共団体において公用又は公共用に供し、又は供することと決定した財産で、普通財産は行政財産以外の一切の公有財産である。
廃校を公民館などの公共施設に変え、行政財産のまま使う場合も、学校施設以外の目的への転用なので手続きが要る。報告で済むかどうかは、次の節の要件で見る。
報告で済む処分と承認が要る処分
報告で済む3つの事項、承認が要る処分の一覧、10年の数え方、用途を変えるときと貸与を更新するときの手続き
報告で済む3つの事項
通知は、次の財産処分について、財産処分報告書(別紙様式2)を文部科学大臣に出せば承認があったものとみなすとしている。学校施設に不足を生じる場合と、報告書に記載事項の不備など必要な要件が欠けている場合は、この限りでない。この3つに当たる処分は、国庫納付金も要らない。
- 国庫補助事業の完了後10年以上たった建物等の、無償による財産処分(関係法令の規定に反しない取扱いが要る)
- 通知の別表1「報告事項一覧」に並ぶ財産処分
- 国庫補助事業の完了後10年未満の建物等の無償による財産処分で、合併市町村基本計画に基づくもの
1の無償による処分は、転用、貸与、譲渡、取壊しのどれでもよく、相手方を問わず国庫納付金は要らない。建物等の「建物」は校舎、屋内運動場、寄宿舎で、プロパン庫のような建物以外の工作物と、建物と一体で整備した衛生設備・電気設備・消防用設備・空調設備も含む。
国の補助金全体については、補助金等適正化中央連絡会議の決定(平成20年4月10日)が、社会経済情勢の変化に対応し、既存ストックを効率的に活用した地域活性化を図るため、概ね10年経過した補助対象財産は補助目的を達成したものとみなし、報告等をもって国の承認があったものとみなす包括承認制を導入するとしている。有償の譲渡・貸付の場合に国庫納付を求めることなど、必要最小限の条件を付けることができるともしている。
別表1のうち廃校に関わるのは、営利を目的とし又は利益をあげる場合を除いた、公共用又は公用に供する施設への転用で、統合又は別敷地移転等により廃校となる学校の建物等で、その統合等について国庫補助を受けたものの転用などである。特別支援学校、不登校児童生徒の実態に配慮して特別に編成された教育課程に基づく教育を行う学校、学齢を経過した者に夜間などに義務教育の段階の普通教育に相当する教育を行う学校の用に供するための、建物等の転用と無償による貸与・譲渡も並ぶ。この「転用」には、営利を目的とせず利益をあげない貸与も含む。統合等による廃校の建物等の転用は、補助事業の完了後10年未満でも報告で済み、統合等について補助事業の交付決定を受けていることが条件である。
公共施設に転用し、利用者から維持管理費に相当するものとして条例等で定めた使用料や利用料金を取る場合も、財産処分の手続きでは無償による処分として扱う。
承認が要る処分
報告事項に当たらない処分は、財産処分承認申請書(別紙様式1)を出して承認を受ける。国庫補助事業の完了後10年以上たった建物等でも、有償による処分は1の報告事項に当たらない。10年以上たった建物等の有償による処分で、国庫に納付することになる補助金相当額以上を、その地方公共団体が設置する学校の施設整備に要する経費に充てる基金に積み立て、適切に運用するものは、国庫納付金を要さずに承認される。この扱いは、処分の相手方や内容(貸与か譲渡か)を問わない。必要な手続きと国庫納付の要否は、使う者が地方公共団体か民間事業者などの第三者かで区別しない。
廃校の処分で出てくる主なものを並べると、次のとおりである(通知の3と4、ハンドブックQ.20・Q.37・Q.38による)。
| 処分 | 国庫補助事業の完了からの年数 | 手続き | 国庫納付金 |
|---|---|---|---|
| 建物等の無償の転用・貸与・譲渡・取壊し | 10年以上 | 報告 | 要らない |
| 統合などで廃校になった学校の建物等で、統合などに国庫補助を受けたものを、営利を目的とせず利益もあげない公共用・公用の施設に転用する(貸与を含む) | 10年未満でもよい | 報告 | 要らない |
| 建物等の無償の処分で、合併市町村基本計画に基づくもの | 10年未満 | 報告 | 要らない |
| 建物等の有償の貸与・譲渡で、国庫納付金相当額以上を学校の施設整備に充てる基金に積み立てるもの | 10年以上 | 承認申請 | 要らない |
| 耐震補強事業などを実施した建物の無償による処分(補助事業の完了直後に取り壊すなど著しく適正を欠くものを除く) | 10年未満 | 承認申請 | 原則として要らない |
| 10年以上たった建物等の無償の処分と併行してやむを得ず行う、大規模改造事業などの無償による処分(完了後5年以内に取り壊すなど著しく適正を欠くものを除く) | 10年未満 | 承認申請 | 要らない |
| 上のどれにも当たらない処分(基金に積み立てない有償の処分など) | 問わない | 承認申請 | 原則として要る |
10年の数え方と、補助事業を重ねた建物
10年は、建てた年や廃校の日ではなく、国庫補助事業の完了から数える。処分制限期間の起算日は補助事業の完了の翌年度の4月1日(1年未満の端数は切り上げ)で、処分制限期間は最終年の3月31日までである。経過年数は、実務上は、財産処分予定日の前日の属する年度から補助事業の完了年度を引いて計算できる。
国庫納付金の額は、棟別・補助事業別に算出する。新増改築後10年以上たった建物の無償による処分であれば、同じ建物に行った大規模改造事業が10年未満でも、国庫納付を要さずに承認される。ただし、大規模改造事業などの施工箇所が、10年以上たった補助事業の施工箇所と物理的に切り離せない関係にあることが要り、完了後5年以内に取り壊したり改築したりするなど著しく適正を欠くものは除かれる。
用途を変えるとき、貸与を更新するとき
廃校を社会教育施設に転用したあと老人福祉施設に転用するように、当初の承認と別の用途で財産処分を行うときは、改めて申請又は報告をする。当初の処分で残存価額に対する補助金相当額を国庫に納付していれば要らない。転用中に処分制限期間が経過した建物は、その後の転用等に手続きは要らない。民間企業に無償で譲渡し、その企業が建物を取り壊したり第三者に有償で譲渡したりする場合も、当初に国庫納付をしていなければ、所有権が移っていても再度の手続きが要り、有償の譲渡では国庫納付や基金への積立ても要る。ハンドブックは、再処分するときは補助事業者等にあらかじめ連絡することなどを譲渡契約書に書いておくよう求めている。一定の年数に限った貸与は、期間が過ぎたあと、更新する期間について改めて申請又は報告をし、申し出がなければ更新される契約でも同じである。
国庫納付金と基金
国庫納付金の原則と算定式、耐震補強などを実施した建物の扱い、有償の処分で基金に積み立てる条件と期限
国庫納付金の算定
国庫納付金が要らない場合に当たらない処分を承認するときは、原則として、処分する部分の残存価額に対する補助金相当額を国庫に納付する。期間を限った貸与では、その貸与期間における残存価額の減少額に対する補助金相当額である。適正な対価による有償の処分では、残存価額に対する補助金相当額を上限に、処分で生じる収益のうちの補助金相当額を納付する。
ハンドブックは算定方法を次のように示している。国庫納付額等は棟別・補助事業別に出し、棟別の補助額は面積で按分する(難しければ設計書や実績報告書に基づく)。棟別の譲渡額・貸与額は、不動産鑑定評価額や固定資産税評価額等に基づく。
- 処分する建物の補助金相当額は、補助額×(財産処分面積÷補助面積)×(処分制限期間から経過年数を引いた年数÷処分制限期間)
- 無償の処分は、上の補助金相当額
- 有償の譲渡は、上の補助金相当額と、譲渡額×(財産処分面積÷譲渡面積)×補助率の、低いほう
- 有償の貸与は、貸与期間に係る補助金相当額と、貸与額に係る補助金相当額の、低いほう
実績報告書や額の確定通知などを紛失していて補助額が分からないときは、譲渡額などに係る補助金相当額を国庫納付額等とする。補助率が分からないときは、その事業年度に当てはまりうる補助率のうち最も高いものを使い、新増築・危険改築・不適格改築のどれか分からない場合は新増築の1/2を用いる。
耐震補強などを実施した建物
耐震補強事業、法令等に適合させるための大規模改造事業(石綿・PCB対策工事など)、法令等に適合させるための防災機能強化事業などは児童生徒の安全確保のためやむを得ず行うものなので、これらを実施した建物を無償で処分するときは、経過年数を問わず、承認申請の上、原則として国庫納付を要さない。補助事業の完了直後に取り壊すなど著しく適正を欠くものは除かれ、取壊しは個別に審査して判断する。
有償の処分で基金に積み立てるとき
承認申請のときに基金が設けられていなければ、処分の日から1年以内に基金を設け、国庫納付金相当額以上を積み立てて適切に運用する。複数年にわたって設置者に収益が生じるときは、複数年に分けて積み立てることができ、収益が生じる期間の終期を示して、終期の属する年度までに積立てを終える。
期限内に積み立てなければ、改めて承認が要る可能性がある。基金の設置は承認の前でも後でもよく、積み立てたら設置と積立ての状況を補助金等を所管する課に報告する。使い道は、その地方公共団体内の公立学校の施設整備費で、工事請負費に限られ、起債の償還や、工事請負費を伴わない備品購入・小規模な修繕には充てられない。公共施設全般に充てる基金条例しかなければ、学校の施設整備だけに充てる基金条例を新たに作るか、財産処分で積み立てたものは学校施設整備にだけ充てられるよう既存の条例を改める。分けて積み立てられるのは、複数年にわたる有償貸与と、譲渡額が複数年にわたって支払われる有償譲渡だけで、申請書等にその旨を書く。基金に積み立てず国庫納付で済ませる場合は、分割の納付は認められていない。国庫納付金相当額を売却額などに上乗せするかは、地方公共団体と処分の相手方が取り決めることである。
必要書類と提出の時期
提出の目安、財産処分日、提出先、承認と報告に共通する書類、処分の種類で加わる書類、地方自治法と建築基準法の手続き
提出の目安、財産処分日、提出先
文部科学省への提出の目安は、承認申請書が処分予定時期の3か月前、報告書が2か月前である。年度末と年度当初は全国からの申請が重なり、通常より審査に時間がかかる。期限を過ぎたときは、任意の様式で顛末書・理由書などを作って出す。申請は、経由機関となる都道府県教育委員会に相談しながら進める。市区町村(市区町村の組合を含む)が申請書や報告書を出すときは、都道府県教育委員会を経由する。
財産処分日は、転用なら公共施設の場合は条例の施行日、貸与は貸与契約の開始日、取壊しは取壊しの着工日(契約時や仮設工事の着工時ではない)、譲渡は所有権の移転日である。提出先の担当課は補助事業によって違い、災害復旧事業、一部の幼稚園、産業教育施設、GIGAスクール構想支援体制整備事業、プール・武道場等以外は、大臣官房文教施設企画・防災部施設助成課振興地域係である。処分する箇所が複数の課の補助事業にまたがるときは、それぞれの課に、その課の事業についての書類を出す。
承認と報告に共通する書類
必要書類一覧は、承認申請にも報告にも、次の書類を付けるとしている。
- 実績報告書(補助年度、建物区分、構造区分、補助面積、補助金額、竣工年月が確認できる箇所)
- 額の確定通知書
- 実績報告書か額の確定通知書が無いときは理由書(承認申請では、補助を受けた年度の決算書等も)
- 公立学校施設台帳の写し(処分予定年度か廃校年度のもの)
- 建物配置図(補助対象範囲と処分範囲を示し、面積を確認できる寸法を書く)
- 学校設置条例の一部改正条例(又は議会の議決等)。廃校を処分する場合に、その学校が廃校になっていることが分かるもの
- 処分後の施設に係る事業計画の概要等資料(案でも可)。どんな事業を行うかを具体的に示すもので、事業の収支計画等は添付不要。転用では、転用後の施設の設置条例が無い場合に付ける
- 提出期限を過ぎたときの顛末書・理由書
- 「経過及び処分の理由」を補う資料(実施しようとする事業の実施要綱、譲渡先や貸与先からの申出書など)
報告書には、別紙様式3「財産処分報告事項照合票」も付ける。学校用のスペースを必要十分に確保しているか、教育機能は確保されているか、管理運営上の問題は生じないかの3項目と、設置者の総合的な意見を書く様式で、廃校(廃園)となる建物等の財産処分では3項目の記載は要らない。
処分の種類で加わる書類
処分の種類ごとに、次の書類が加わる。
| 処分 | 加わる書類 |
|---|---|
| 転用 | 転用後施設に係る設置条例の写し(案でも可)、転用後施設の図面(屋内運動場を社会体育施設に転用するなど大幅な改修を要しないものは、施設台帳の平面図で替えられる) |
| 譲渡 | 譲渡契約書(案)、処分相手方の概要(相手方が他の地方公共団体や自治会・個人の場合は不要) |
| 貸与 | 貸借契約書、目的外使用許可書等(案)、処分相手方の概要(相手方が他の地方公共団体や自治会・個人の場合は不要) |
| 無償の譲渡・貸与 | 無償での処分が可能な根拠(条例や議会の議決等、案でも可) |
| 有償の譲渡・貸与(承認申請) | 契約額・使用料の算定根拠(計算方法を示した条例・規則等、不動産鑑定評価書や固定資産税評価書、それに基づく計算書)、基金条例の写し(案でも可。国庫納付の場合は不要) |
| 取壊し | 工事工程表等、新旧建物の配置図、老朽化の状況を示す資料(写真、耐力度調査の結果等)、新たな施設整備について地方公共団体が進めようとしている施策・方針・計画等の資料 |
すでに承認や報告をした処分で、処分の内容を変えずに処分期間だけを変える場合は、一覧で「●」を付けた書類(申請書や報告書、直近の承認通知書や報告書の写し、更新履歴一覧など)だけでよい。貸与額を変える場合など処分の内容が変わるときは、この簡素化は当たらない。市町村合併で保管場所が的確に記録されていなかったなど、やむを得ない事情で書類の所在を確かめられないときは、その旨を簡潔に書いた理由書を出す。
地方自治法は、普通地方公共団体の財産は、第238条の4第1項の規定の適用がある場合を除き、条例又は議会の議決による場合でなければ、適正な対価なくして譲渡し、若しくは貸し付けてはならないと定め(第237条第2項)、条例で定める場合を除いて、適正な対価なく財産を譲渡し、若しくは貸し付けることを議会の議決事件にしている(第96条第1項第6号)。
財産処分と別に要る手続き
建物の用途を変えて、別表第一(い)欄の用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が200㎡を超えるものにする場合は、確認の手続きの規定が準用される。財産処分の手続きとは別の手続きなので、転用の計画を立てる段階で、確認が要るかを建築の担当に確かめる。
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活用用途を募集している廃校の一覧で数えた譲渡と貸与の示し方、金額と期間を書いた募集、事例集の改修費の負担
次にやること
廃校の活用方針と改修予算を検討する際は、次の事項を確認する。
| 順 | 確認・検討すること | 担当・相談先 |
|---|---|---|
| 1 | 活用に関心のある事業者を探す。希望する用途や必要な条件を聞き、活用方針の検討に反映する | サウンディング、地元事業者 |
| 2 | 耐震診断とアスベスト調査の結果を確認する。未実施の場合は、調査の範囲と実施方法を検討する | 営繕担当 |
| 3 | 調査結果に基づいて改修費を見積もり、解体する場合の費用と比較する | 設計事務所 |
| 4 | 財産処分に必要な手続きを確認する。国庫補助を受けた校舎は、活用方法と処分制限期間に応じて、文科省の承認申請または報告の要件を確認する | 教育委員会、文科省 |
| 5 | 用途を公表する前に、卒業生や地域団体に活用方針を説明し、意見を聞く | 同窓会、自治会 |
用途を確定する前に事業者の関心と必要な条件を確認し、借り手の見込みを踏まえて活用方針を検討する。