プラットフォームとは何か
国交省が2024年12月に設立した産官学金連携の情報基盤。遊休公的不動産活用の普及・マッチング・案件形成を支援
スモールコンセッションPF会員登録数(令和8年8月27日現在)
1,547件
民間企業等606・個人479・自治体365
会員登録の参加費
完全無料
法人格・規模問わず誰でも登録可能
公式フォームから会員登録を受け付け
随時
登録条件は公式ページで確認
スモールコンセッションプラットフォームは、国土交通省が令和6年12月に設立した産官学金連携の情報共有・マッチング基盤である。
スモールコンセッション(事業費10億円未満の小規模なPPP/PFI)の普及を阻む「3つの壁」(イメージの壁・パートナーの壁・事業化の壁)を解消するため、情報共有・官民マッチング・案件形成支援の3機能を一体的に提供する。
参加費は 完全無料 で、自治体・民間事業者・NPO・一般社団法人・個人・金融機関・大学など、法人格や立場を問わず誰でも参加できる。公式サイト( https://www.mlit.go.jp/smcn/(外部サイト、新しいタブで開きます) )では、事例紹介・イベント情報・政策資料を随時公開している。
なぜ国交省がプラットフォームを設立したのか
これまでPPP/PFIの情報は各省庁・自治体に分散しており、民間事業者が案件情報を収集するには多大な手間がかかっていた。自治体側も「民間事業者がどこにいるか」「どのような条件なら参入してくれるか」を把握する手段が乏しかった。
また、スモールコンセッション自体が2024年に国として推進方針を打ち出した新しい取組みであり、官民双方の認知度向上が急務だった。プラットフォームはこれらの課題を一気に解決するための「ハブ」として機能することを意図して設計されている。
国交省の推進方策では、プラットフォームを通じた官民の「マッチング強化」と「案件形成支援」を4つの推進方策のうちの2つに位置づけており、政策上の重要度が高い。
会員数と内訳
令和8年8月27日現在で1,547件。民間企業等606・個人479・自治体365・金融機関50・府省庁25・大学22
国土交通省は、会員の種別ごとの登録数を一覧で公表している。
公表されている登録状況
| 時点 | 会員登録数 | 備考 |
|---|---|---|
| 令和8年8月27日 | 1,547件 | 公表されている最新の一覧 |
推移は公表されていない。国土交通省が出しているのは、その時点の登録状況の一覧だけである。増え方を追うには、過去の一覧を自分で控えておく必要がある。
会員の内訳(令和8年8月27日現在)
令和8年8月27日現在の会員登録数は1,547件。種別ごとの内訳は以下のとおりである。
| 会員種別 | 登録数 | 一覧に載っている顔ぶれ |
|---|---|---|
| 民間企業等(金融機関を除く) | 606 | コンサルタント・建設・不動産・まちづくり |
| 個人 | 479 | 一覧には載らない(個人会員は非公表) |
| 都道府県及び市区町村 | 365 | 市区町村・都道府県の担当部署 |
| 金融機関 | 50 | 地方銀行・信用金庫・沖縄振興開発金融公庫 |
| 関係府省庁等 | 25 | 国土交通省・内閣官房・内閣府・農林水産省・文化庁・こども家庭庁 |
| 大学、研究機関等 | 22 | 建築・都市計画・公民連携・不動産の研究者 |
| 計 | 1,547 | このうち名前が公表されているのは872 |
この内訳は一覧の表紙にある集計表から取っている。同じPDFの種別ごとのページには、表紙と違う数が見出しに書かれている(民間企業等587・都道府県及び市区町村355・大学、研究機関等23)。
民間事業者と自治体の参加比率は近い。プラットフォームでは、情報発信に加えて、両者の対話やマッチングの機会を設けている。
個人会員が479で、民間企業等606に次いで多い点も特徴的だ。PPP/PFIの世界は従来「法人対法人」の取引が中心だったが、スモールコンセッションの「小規模性」は、個人事業主・フリーランス・移住者など多様な担い手の参入を可能にする。
登録方法
Microsoft Formsで5分で完了。法人格問わず誰でも無料登録可能
会員登録は公式サイトの会員登録ページから、Microsoft Formsの申込フォームに必要事項を入力して申し込む。
受付は随時(継続中) であり、締め切りはない。
登録時に入力する主な項目
- 組織名(または個人名)
- 所在地(都道府県)
- 組織区分(民間/自治体/省庁/大学/金融機関/個人)
- 主な活動・事業内容
- スモールコンセッションに関心を持ったきっかけ
- 連絡先メールアドレス
個人情報は国交省の個人情報保護方針に従って管理される。登録内容は会員間の交流・マッチングに活用されることがあるため、活動内容は具体的に記入するほうが接触機会が増える。
3つの会員メリット
①事務局からの情報提供 ②ワーキンググループへの参加 ③サイト掲載による案件発掘
会員登録によって得られるメリットは大きく3つに分類できる。
メリット1: セミナー・政策情報の定期配信
最も基本的なメリットが、スモールコンセッションに関する最新情報を直接受け取れることである。
| 配信情報の種類 | 内容 |
|---|---|
| セミナー・イベント情報 | 国交省主催のウェビナー、地方でのシンポジウム、先進事例見学会 |
| 政府支援情報 | 補助金・交付金の新規公募、制度改正のお知らせ |
| 事例情報 | 全国の先進事例の紹介、成果報告会の案内 |
| 専門家公募情報 | スモールコンセッション形成推進事業の公募開始通知 |
特に価値が高いのは 専門家公募の早期通知 である。2025年度の専門家公募(第1グループ締切: 2025年4月23日)のように、公募開始から締め切りまでの期間が短い(約3週間)案件では、会員向けの通知が募集情報の確認に役立つ。
情報収集のためだけに登録する価値は十分にある。国交省からの直接配信であるため、二次情報・三次情報に頼るよりも速く・正確な情報が得られる。
メリット2: ワーキンググループへの参加
会員同士で課題を共有し解決策を検討する場として、4つのWGが設置されている。普及啓発WG(検討テーマ例は行政・民間の相互理解の促進)、人材育成・組織検討WG(行政・民間の人材育成、組織のあり方の検討)、事業手法検討WG(スモールコンセッションの事例等の研究・分析)、資金調達WG(補助金を含む資金調達方法の研究)である。参加は希望制で、複数のWGに入れる。開催はオンラインである。
令和8年度は「普及啓発+人材育成・組織検討」「事業手法検討+資金調達」の2つの合同WGとして開く。第1回は令和8年10月2日(金)14時から16時と令和8年10月6日(火)10時から12時で、参加申込の締切は令和8年9月25日(金)18時。第2回は12月に開く予定と書かれている。
なお会員特典のページでは、ワーキンググループへの参加は「準備中」と書かれている。WGのページには参加申込フォームがあるので、申し込む前にどちらの案内が新しいかを確かめる。
単発のセミナーと違い、複数回にわたる議論なので関係が続く。コンソーシアム(複数の事業者が連携して公募に応募する形)の相手を探す場としても使える。
メリット3: 広報機能による案件発掘
公式Webサイトに載ることで、自分の組織が見つけてもらいやすくなる。
会員は自分の組織の 活動・イベント・事例 をプラットフォームのWebサイトで広報できる。「このような施設活用の実績がある」「このような課題を持つ自治体を支援できる」という情報を、同じ場に登録している官民の会員に向けて出せる。団体会員一覧には、令和8年8月27日現在で民間企業等606件が載っている。
特に民間事業者にとっては、政府の公式プラットフォームへの掲載が「信頼性の担保」として機能する。自治体担当者が事業者を探す際に参照する可能性が高いため、事業者選定における可視性 を大きく高める効果がある。
活用のコツ
民間・自治体・個人それぞれの具体的な活用法と注意点
出典を示していない収支試算の単価・金額は、説明用に仮定した数値であり、統計に基づく相場ではない。事業計画を作る際は、対象施設の状態や立地、事業内容に応じた見積もりと実績を用いる。出典を示した統計や事例の金額は、この仮定とは区別して参照する。
会員区分別に、プラットフォームを最大限に活用するためのポイントを整理する。
民間事業者・NPO・一般社団法人向け
登録情報の充実化 が最初のステップである。「建築設計事務所」「まちづくりコンサル」「観光施設運営」のような一般的な表現ではなく、「廃校を宿泊施設に転用した実績2件(福島県・山形県)」「古民家カフェの収支設計・補助金活用のノウハウ保有」のように具体的に記入することで、案件を持つ自治体担当者の目に止まりやすくなる。
専門家公募への応募 も積極的に検討すべきである。スモールコンセッション形成推進事業の専門家公募は有償(業務委託契約)であり、類似事業で上限2,000万円の実績がある。一般社団法人での採択実績(池田町: エリアクラフト北海道)があり、大手コンサルが独占する分野ではない。詳細は専門記事「スモールコンセッション専門家派遣制度」を参照されたい。
コンソーシアム形成 を目的としたネットワーキングも有効である。建築設計事務所が事業企画力を持つコンサルと組む、または地方の事業者が東京の広告代理店と連携するなど、単独では補えない能力を補い合う相手をプラットフォームで見つける、という使い方ができる。この使い方が何件あるかを集計した資料は見つかっていない。
自治体担当者向け
他の自治体担当者との情報交換 がプラットフォームの最大の価値の一つである。「似たような施設(廃校・古民家・旧庁舎)を抱えている他の自治体はどう進めているのか」という実務的な疑問に答えてくれるのは、コンサルの資料よりも同じ立場の担当者の経験談であることが多い。
民間事業者のリサーチ にも活用できる。公募を検討している施設について、先にプラットフォームで類似案件を手がけている事業者を調べておき、サウンディングの候補者リストを作成するという使い方が実用的である。
首長や議会に対して事業化を提案する際、「国交省のプラットフォームに自治体からの登録が365件ある」という事実は、スモールコンセッションが一時的なブームではなく制度的な裏づけを持つ取組みであることを示す説得材料になる。
個人・研究者向け
研究者・学生にとっては、 実際の政策形成の現場 に近い情報を入手できる場として機能する。「スモールコンセッションの推進上の課題」「官民マッチングの実態」は、学術論文や政府資料だけでは把握しきれないリアルな情報がフォーラムで共有される。
移住を検討している個人にとっては、 地方での仕事・プロジェクト への入り口になりうる。古民家の活用事業に参画するパスウェイが、プラットフォームを通じて開かれる可能性がある。
問い合わせ先
プラットフォームに関する問い合わせは以下の窓口で受け付けている。
- 所管: 国土交通省 総合政策局 社会資本整備政策課
- 電話: 03-5253-8111(内線26522, 26532, 24226)
- 直通: 03-5253-8981
- メール: hqt-smcn_keisei@gxb.mlit.go.jp
会員登録に際して書類や審査はなく、フォームへの入力だけで完了する。問い合わせよりも「まず登録してから」という行動のほうが、情報収集の観点では合理的である。
スモールコンセッションプラットフォームは、まだ設立から1年程度の新しい仕組みである。会員数・コンテンツ・マッチング機能は今後も充実していくと見込まれる。「いつか登録しよう」と先延ばしにするよりも、今登録して情報を受け取り続けることで、案件情報を他者より早く入手できる立場に立てる。
会員登録は無料で、事例や公募に関する情報を受け取れる。参入を検討する際の情報収集に利用できる。
スモールコンセッション専門家派遣制度
7自治体・派遣専門家の選定結果・一般社団法人採択事例・応募準備ステップ
スモールコンセッション完全ガイド
定義・対象施設・5フェーズの進め方・補助金まで網羅したピラーページ
次にやること
遊休施設の活用を検討する際は、施設の状態と地域の需要、民間事業者の意向を確認する。
| 順 | 確認・検討すること | 担当・相談先 |
|---|---|---|
| 1 | 遊休施設の状況と周辺の需要を整理する。建物の状態や立地と、地域で必要とされる用途を照合する | 財産管理担当 |
| 2 | 候補施設の耐震診断とアスベスト調査の結果を確認する。未実施の場合は、調査の範囲と実施方法を検討する | 営繕担当 |
| 3 | 国交省のプラットフォームで情報を集める。会員登録は無料で、先進事例や補助金、専門家派遣の公募案内を受け取れる | プラットフォームの公式サイト |
| 4 | 民間事業者の参入意向と必要な条件を聞く。単独での事業化が難しい場合は、近隣自治体との連携も検討する | サウンディング、近隣自治体 |
| 5 | 民間の意見を踏まえて、運営権、賃貸借、指定管理などの手法を比較する。施設の用途や収支、官民の役割分担に合う手法を選ぶ | 所管課、財産管理担当 |
プラットフォームの会員登録は、専門家派遣や補助制度の公募情報を受け取る手段になる。応募を検討する際は、募集要項で対象者、支援内容、期限を確認する。