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ARTICLE · 廃校活用

廃校活用で使える補助金6省庁分まとめ【2026年版】

廃校活用に使える国の補助制度を、文部科学省の令和8年4月現在の一覧と各省の要綱・資料で確かめて整理した。農水省・国交省・総務省・内閣府・厚労省・こども家庭庁の制度名、補助の割合、上限、申請できる団体と、文科省の財産処分の手続き、組み合わせるときの注意点をまとめる。

この記事の要点

  • 廃校活用に使える主な国庫補助制度は、文部科学省が転用先ごとに一覧にしている(令和8年4月現在)。所管官庁を府省でまとめると、文科省・農水省・国交省・総務省・内閣府・厚労省の6つになる
  • 厚生労働省の社会福祉施設等施設整備費補助金は、社会福祉法人等が障害福祉サービス事業所などを整備するとき、国が原則1/2、都道府県が1/4を補助する。保育所・認定こども園・放課後児童クラブはこども家庭庁の制度である
  • 制度の名前は年度で変わる。内閣府の交付金は令和8年度は地域未来交付金、総務省の廃校舎の改修向けは過疎地域持続的発展支援交付金の過疎地域遊休施設再整備事業である。組み合わせるときは、同じ費用に重ねられるかを制度ごとに確かめる
対象読者・読む前に確認したいこと

こんな方に

  • 廃校活用の初期費用(改修費)を補助金で賄いたい事業者・NPO・社会福祉法人
  • 廃校活用事業の財源を探す自治体の財政・企画担当者
  • 廃校活用コンサルティングで補助金提案を行いたい支援者

前提となる知識

  • 廃校活用の基本的な流れについての概要知識
  • 補助金・交付金の一般的な仕組み(補助率・申請主体・精算方法等)の基礎知識
この記事の内容

補助制度の全体像

文部科学省の令和8年4月現在の一覧と、申請できる団体ごとの制度の分け方

文部科学省の国庫補助制度の一覧(令和8年4月現在)の所管官庁を、外局は本省に含めて数えた数

6府省

厚労省の社会福祉施設等施設整備費補助金で、社会福祉法人等が施設を整備するときの補助の割合(原則)

国1/2+都道府県1/4

廃校活用の補助は、1つの制度で足りるとは限らない。転用先と、どの団体が申請するかで、使える制度が変わる。

廃校の母数。累計8,850校、現存7,612校、活用5,661校(74.4%)、未活用1,951校でうち用途未決定1,503校。
未活用の1,951校のうち、用途が決まっていないのは1,503校出典: 文部科学省 令和6年度「廃校施設活用状況実態調査」(令和6年5月1日現在)

文部科学省は、廃校施設の活用に使える主な国庫補助制度を転用先ごとに一覧にしている。令和8年4月現在の一覧の所管官庁の欄には、スポーツ庁、文化庁、こども家庭庁、厚生労働省、総務省、農林水産省、林野庁、国土交通省、内閣府が並ぶ。

スポーツ庁と文化庁は文部科学省の外局(文部科学省設置法)、林野庁は農林水産省の外局(農林水産省設置法)、こども家庭庁は内閣府の外局である(こども家庭庁設置法第2条)。この記事は外局の制度を本省の節に入れ、文科省・農水省・国交省・総務省・内閣府・厚労省の6つに分けて書く。制度の名前と中身は年度で変わるので、使う年度の一覧と要綱で確かめる。

申請できる団体による分け方

補助制度は、申請できる団体で分かれる。

申請できる団体主な制度
地方公共団体地域未来交付金(地域未来推進型)
市町村社会資本整備総合交付金(都市再生整備計画事業)
過疎地域を持つ市町村など過疎地域持続的発展支援交付金(過疎地域遊休施設再整備事業)
地方公共団体、農林漁業者の組織する団体等農山漁村振興交付金(定住促進・交流対策型、産業支援型)
民間団体、地域協議会等農山漁村振興交付金(農泊推進型、農福連携型)
社会福祉法人等社会福祉施設等施設整備費補助金

自治体が補助を受けて改修し、その施設を民間事業者が使う形もある。ただし総務省の過疎地域遊休施設再整備事業のように、民間と競合する施設を原則として対象にしない制度もある(総務省の節)。

補助制度の一覧

府省制度名主な用途補助の割合・上限
文部科学省財産処分手続の簡素化(補助金ではない)全用途(手続き)国庫補助事業の完了から10年以上たった建物等を無償で処分するときは、報告で済み、国庫納付金も要らない
農林水産省農山漁村振興交付金(地域資源活用価値創出整備事業のうち農泊推進型)古民家等を活用した滞在施設、飲食施設、体験・交流施設等交付率1/2(上限2,500万円/事業期間)
農林水産省同(定住促進・交流対策型、産業支援型、農福連携型)農林水産物加工・販売施設、地域間交流拠点、障害者等が作業に携わる生産施設等型と申請者で異なる
国土交通省社会資本整備総合交付金(都市再生整備計画事業)都市再生整備計画に書いた公共公益施設の整備など交付限度額を算定式で出す(国交省の節)
総務省過疎地域持続的発展支援交付金(過疎地域遊休施設再整備事業)廃校舎などの遊休施設を改修した体験施設、生産加工施設など交付対象経費の1/3(交付対象経費の限度額は1事業6,000万円)
内閣府地域未来交付金(地域未来推進型)地域再生計画に書いたソフト事業と拠点整備事業補助率1/2
内閣府(こども家庭庁)就学前教育・保育施設整備交付金など保育所、私立認定こども園、放課後児童クラブなど制度ごとに確かめる
厚生労働省社会福祉施設等施設整備費補助金障害福祉サービス事業所、障害児入所施設、救護施設など国が原則1/2、都道府県が1/4

文科省の支援制度

財産処分手続の簡素化と、一覧に載るスポーツ庁・文化庁の制度

財産処分手続きの簡素化

文部科学省の本省は、補助金ではなく、財産処分手続の簡素化で廃校活用に関わっている。

国庫補助を受けて整備した学校施設を処分制限期間内に学校教育以外の用途で使うときは、地方公共団体が文部科学大臣の承認を受けて、国庫補助相当額を国庫に納める手続が要る。文部科学省は、廃校施設や余裕教室の有効活用を進めるため、一定の要件を満たせば国庫納付を要さず、報告書の提出で手続が済むようにするなど、財産処分手続の簡素化を図っている。

要件は通知に書いてある。報告書を出せば承認があったものとみなされ、国庫納付金も要らないのは、国庫補助事業の完了後10年以上たった建物等の無償による処分や、通知の別表1に並ぶ処分などである。別表1にある公共用・公用の施設への転用は、営利を目的とせず、統合で廃校になった学校の建物でその統合に国庫補助を受けたものなどに限られる。10年以上たった建物等を有償で処分するときは、補助金相当額以上を学校の施設整備の基金に積み立てれば、国庫納付金は要らない。

数えるのは建築年ではなく、国庫補助事業の完了年である。手続きの流れは「財産処分手続ハンドブック(令和8年3月)」として文部科学省が公表している。報告で済むものと手続きが要らないものは、「廃校活用の全手順」のStep 3にまとめた。

文部科学省の補助制度の一覧

文部科学省の「みんなの廃校」プロジェクトのページは、「廃校施設等の活用に当たり利用可能な補助制度について」として上の一覧を載せ、補助事業には要件があるので各制度の詳細は所管官庁の担当部署に問い合わせるよう書いている。

一覧には文部科学省の外局の制度も載っている。スポーツ庁の欄は日本スポーツ振興センターのスポーツ振興くじ助成(地域スポーツ施設整備助成)、文化庁の欄は国の重要文化財に指定された建造物や登録有形文化財に登録された建造物の修理等の事業である。


農水省の補助制度

農山漁村振興交付金の農泊推進型・定住促進・交流対策型・産業支援型・農福連携型と、林野庁の制度

農林水産省は、「農泊」に取り組む地域に対し、体制整備、地域資源を活用した観光コンテンツを磨き上げる取組、古民家や廃校等を活用した滞在施設等の整備を支援している。支援は農山漁村振興交付金の地域資源活用価値創出対策の中にある。

農山漁村振興交付金(農泊推進型)

地域資源活用価値創出整備事業(農泊推進型)は、農泊の推進に必要な古民家等を活用した滞在施設、飲食施設、体験・交流施設等の整備を支援する。事業期間は上限2年、交付率は1/2で、上限は2,500万円/事業期間。遊休資産を改修する場合などは上限額が引き上げられる。交付先は中核法人等で、国から直接と、都道府県経由の2つの流れがある。

推進体制の整備や観光コンテンツの造成などは、同じ型の推進事業(交付率は定額)で支援される。所管は農村振興局の都市農村交流課である。公募の時期と要件は、年度ごとの公募要領で確かめる。

農山漁村振興交付金(定住促進・交流対策型、産業支援型、農福連携型)

地域資源活用価値創出整備事業のうち、定住促進・交流対策型と産業支援型は農林水産物加工・販売施設や地域間交流拠点等の整備を、農福連携型は障害者等が作業に携わる生産施設等の整備を支援する。定住促進・交流対策型と産業支援型は地方公共団体に交付し、地方公共団体から農林漁業者の組織する団体等にも交付する。農泊推進型と農福連携型は民間団体、地域協議会等に交付する。交付率と上限は型と申請者で違うので、公募要領で確かめる。

文部科学省の一覧では、定住促進・交流対策型の所管は農村振興局整備部地域整備課である。林野庁の欄には、交流施設等の公共施設を対象に、林業・木材産業の対策のうち「木造公共建築物等の整備」が2つ載っている。


国交省の補助制度

都市再生整備計画事業の仕組みと交付限度額の算定式、一覧に載るほかの国交省の制度

社会資本整備総合交付金(都市再生整備計画事業)

都市再生特別措置法では、市町村が、都市の再生に必要な公共公益施設の整備等に関する都市再生整備計画を作り、作ったら公表する(第46条)。交付金を充てて計画の事業を行うときは計画を国土交通大臣に提出し、国は予算の範囲内で交付金を交付できる(第47条)。

文部科学省の一覧では、この事業は「まちづくりに必要な地域交流センターや観光交流センター等の施設」への転用の欄に載っている。自治体が改修し、その施設を民間事業者が使う形に合う。廃校の改修を交付金の対象にするには、その事業を都市再生整備計画に書く。

交付限度額の算定式

都市再生整備計画事業の交付限度額は、(1/2)×αに、特定非営利活動法人等が行う事業の加算を足した額である。αは、交付対象事業の費用の4/5と、提案事業を除いた事業の費用の10/9の、少ないほう。都市再生緊急整備地域、認定歴史的風致維持向上計画の重点区域、脱炭素先行地域などの要件と期限を満たす地区では、4/5が9/10になる。

加算を除いて掛け合わせると、交付限度額は交付対象事業費の40%、要件を満たす地区では45%にあたる(この記事の計算)。

文部科学省の一覧に載るほかの国交省の制度

国土交通省の制度として、立地適正化計画に位置付けられた誘導施設(医療施設、社会福祉施設、教育文化施設、子育て支援施設)等を対象とする都市構造再編集中支援事業と、空家等対策計画に基づき市町村が実施する空き家の活用を対象とする空き家対策総合支援事業・社会資本整備総合交付金(空き家再生等推進事業)も載っている。


総務省の補助制度

過疎地域遊休施設再整備事業の対象・交付率・限度額・評価の観点と、過疎債

過疎地域持続的発展支援交付金(過疎地域遊休施設再整備事業)

過疎地域遊休施設再整備事業は、過疎地域にある遊休施設を再活用して地域間交流及び地域振興を図るための施設を整備する事業である。交付対象者は過疎地域市町村と、構成市町村の2分の1以上が過疎地域市町村である一部事務組合等。現在使用されていない家屋、廃校舎その他本来の用途を廃止した施設等を有効活用するものであることなどが要件で、交付金の額は交付対象経費に3分の1を掛けた額、1事業当たりの交付対象経費の限度額は6,000万円である。

令和8年度の募集要領は、遊休施設を改修すること自体が目的になっていないか、施設利用見込み(目標稼働率)の積算は妥当かなどで評価するとしている。過疎地域持続的発展市町村計画に令和8年度の事業として位置づけることが対象の条件で、民間と競合する施設は原則として対象にならない。取組は令和8年度中に実施できるものとし、原則として翌年度に繰り越せない。

過疎地域の指定状況

過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法による過疎地域を含む市町村は、令和4年4月1日現在で全国885(全部過疎713、一部過疎158、みなし過疎14)。

過疎対策事業債との組み合わせ

過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法に基づく施策として、過疎対策事業債は元利償還の7割を交付税で措置する。市町村が自ら改修する部分に使えれば、実質的な負担を軽くできる。使えるかは、市町村の過疎地域持続的発展市町村計画と起債の手続きで確かめる。


内閣府の補助制度

地域未来交付金(地域未来推進型)の補助率と上限、前の制度の名前、こども家庭庁の制度

地域未来交付金(地域未来推進型)

地域未来交付金は令和7年度補正予算で創設された。地域未来推進型は、地場産業の付加価値向上など、地方公共団体の地域独自の取組を幅広く支援する。ソフト事業と拠点整備事業の事業計画期間は原則3か年度以内(最長5か年度)、補助率は1/2、1自治体当たり国費の上限は都道府県と中枢中核都市が15億円/年度、市区町村が10億円/年度(単年度の上限は目安)。ハード・ソフトが一体となった事業も一本の申請で受け付ける。

地域未来推進型の交付を受けようとする地方公共団体は、交付金を充てて行う事業を記載した地域再生計画を作り、認定を申請する。ソフト事業には観光の振興、農林水産業の振興その他の産業の振興に資する事業などがあり、拠点整備事業はソフト事業を行うのに必要な施設を整備する事業である。

廃校活用との関係

廃校を拠点にする取組を、地方版総合戦略に沿って地域再生計画に書けば、対象になりうる。施設の整備は拠点整備事業、観光や産業の振興などの取組はソフト事業にあたる。

前の制度の名前

同じ資料の当初予算の推移の図には、平成28年度から令和4年度の地方創生推進交付金など、令和5・6年度のデジタル田園都市国家構想交付金、令和7年度の新しい地方経済・生活環境創生交付金、令和8年度の地域未来交付金が並ぶ。古い資料で前の制度の名前を見かけたら、今の制度で確かめ直す。

保育所・認定こども園・放課後児童クラブ(こども家庭庁)

文部科学省の一覧で、所管官庁がこども家庭庁の制度は次のとおりである。

転用先制度
児童福祉施設等(保育所を除く)次世代育成支援対策施設整備交付金
保育所等、小規模保育事業所等就学前教育・保育施設整備交付金、保育対策総合支援事業費補助金
私立認定こども園就学前教育・保育施設整備交付金
放課後児童クラブ放課後子ども環境整備事業
放課後のこどもの居場所保育対策総合支援事業費補助金(放課後居場所緊急対策事業)

厚労省の補助制度

社会福祉施設等施設整備費補助金の対象施設の区分と負担の割合

社会福祉施設等施設整備費補助金

廃校を障害福祉サービス事業所などに転用するときに使える補助金である。文部科学省の一覧では、厚生労働省の欄は「障害者施設等」を対象とするこの補助金の1行で、所管は社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課である。

社会福祉施設整備補助金の対象施設は、保護施設(生活保護法第38条に基づく救護施設等)、児童福祉施設(児童福祉法第7条に基づく障害児入所施設等)、障害者施設(障害者総合支援法第5条に基づく障害福祉サービス事業所等)、その他の施設(社会福祉法第2条第2項に基づく社会事業授産施設等)。国は、社会福祉法人等が施設を整備する場合、原則として整備費の2分の1を補助し、都道府県(指定都市・中核市を含む)は施設設置者に整備費の4分の1を補助する。社会福祉法人等の負担は4分の1。

対象施設の区分

区分根拠例
保護施設生活保護法第38条救護施設等
児童福祉施設児童福祉法第7条障害児入所施設等
障害者施設障害者総合支援法第5条障害福祉サービス事業所等
その他の施設社会福祉法第2条第2項社会事業授産施設等

障害者総合支援法第5条の障害福祉サービスには、生活介護、就労移行支援、就労継続支援、共同生活援助などがある。補助の対象になるかと申し込みの時期は、都道府県(指定都市・中核市を含む)の担当課に確かめる。

保育所・認定こども園・放課後児童クラブは、こども家庭庁の制度である(内閣府の節)。高齢者向けの施設については、同じ厚生労働省のページに、老健局が所管する地域介護・福祉空間整備等交付金が別の制度として挙がっている。


組み合わせるときの注意点

同じ費用に重ねられるか、申請できる団体、募集の時期と、組み合わせの候補

同じ費用に重ねられるか

同じ工事の費用に国の補助を重ねられるかは、制度ごとに決まっている。都市再生整備計画事業では、交付金を充てて行う事業の費用に、道路法その他の法令に基づく国の負担や補助は行わないと法律に書いてある(都市再生特別措置法第47条第3項)。組み合わせるなら、費用を施設や費目で分け、それぞれの要綱の対象経費に当てはまるかを確かめる。

申請できる団体

自治体が申請して改修し民間が使う形と、民間が直接申請する形では、使える制度が変わる。上の「申請できる団体による分け方」の表から先に決める。

募集の時期

各制度には年度ごとの募集の時期がある。過疎地域遊休施設再整備事業の令和8年度の募集要領は、令和8年度中に実施できる取組を対象とし、原則として翌年度に繰り越せないとしている(総務省の節)。採択の時期と工事の日程を合わせる。

組み合わせを考えるときの候補

どれも、費用を分けられる場合の候補である。重ねてよいかは、それぞれの要綱で確かめる。

障害福祉の事業所への転用(農村部)

厚労省:社会福祉施設等施設整備費補助金(社会福祉法人等の整備に、国が原則1/2、都道府県が1/4)
農水省:農山漁村振興交付金の農福連携型(障害者等が作業に携わる生産施設等の整備)

地域交流の拠点(都市再生整備計画のある市町村)

国交省:社会資本整備総合交付金の都市再生整備計画事業(市町村が計画に書いた公共公益施設の整備)
内閣府:地域未来交付金の地域未来推進型(地域再生計画に書いたソフト事業、補助率1/2)
厚労省:社会福祉施設等施設整備費補助金(障害福祉の事業所の部分)

農泊・体験施設(過疎地域)

農水省:農山漁村振興交付金の農泊推進型(滞在施設などの整備、交付率1/2、上限2,500万円/事業期間)
総務省:過疎地域遊休施設再整備事業(過疎地域の市町村などが遊休施設を改修、交付対象経費の1/3)
内閣府:地域未来交付金の地域未来推進型(観光の振興などのソフト事業)

廃校の改修費の全体構造については「廃校の改修費:費目別の内訳と事例」を参照されたい。廃校活用の全体手順については「廃校活用の全手順:施設選定からプロポーザルまでを完全解説」で詳しく解説している。

廃校の改修費:費目別の内訳と事例

費目別の単価の前提、消防用設備とバリアフリーの設置の条件、文部科学省の事例集にある改修費の実例。

廃校×福祉施設の収支モデル

就労継続支援B型を例に、令和8年6月からの基本報酬の区分、工賃の決まり、施設費の差の出し方、3つの事例を載せた。


次にやること

廃校の活用方針と改修予算を検討する際は、次の事項を確認する。

順確認・検討すること担当・相談先
1活用に関心のある事業者を探す。希望する用途や必要な条件を聞き、活用方針の検討に反映するサウンディング、地元事業者
2耐震診断とアスベスト調査の結果を確認する。未実施の場合は、調査の範囲と実施方法を検討する営繕担当
3調査結果に基づいて改修費を見積もり、解体する場合の費用と比較する設計事務所
4財産処分に必要な手続きを確認する。国庫補助を受けた校舎は、活用方法と処分制限期間に応じて、文科省の承認申請または報告の要件を確認する教育委員会、文科省
5用途を公表する前に、卒業生や地域団体に活用方針を説明し、意見を聞く同窓会、自治会

用途を確定する前に事業者の関心と必要な条件を確認し、借り手の見込みを踏まえて活用方針を検討する。


この記事で使った統計の出典

  1. 1文部科学省「廃校施設の活用に当たり利用可能な主な国庫補助制度(令和8年4月現在)」(2026) 出典を開く
  2. 2厚生労働省「社会福祉施設の整備・運営」(2026) 出典を開く
  3. 3文部科学省「公立学校施設整備費補助金等に係る財産処分手続の概要について」(2026) 出典を開く
  4. 4文部科学省「公立学校施設整備費補助金等に係る財産処分の承認等について(通知)」(令和8年3月31日付け7文科施第1190号)(2026) 出典を開く
  5. 5文部科学省「~未来につなごう~「みんなの廃校」プロジェクト」(2026) 出典を開く
  6. 6農林水産省「「農泊」の推進について」(2026) 出典を開く
  7. 7農林水産省「【令和8年度予算】農泊推進型について」(2026) 出典を開く
  8. 8国土交通省「社会資本整備総合交付金交付要綱(令和8年4月7日最終改正)」附属第3編「国費の算定方法」(2026) 出典を開く
  9. 9総務省「過疎地域持続的発展支援交付金交付要綱及び別記様式」(2024) 出典を開く
  10. 10総務省「令和8年度 過疎地域集落再編整備事業及び過疎地域遊休施設再整備事業 募集要領」(2026) 出典を開く
  11. 11総務省「過疎地域市町村等一覧(令和4年4月1日現在)」(2022) 出典を開く
  12. 12総務省「過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法の概要」(2022) 出典を開く
  13. 13内閣官房地域未来戦略本部事務局、内閣府地方創生推進事務局・地方創生推進室「地域未来交付金について」(令和8年4月)(2026) 出典を開く
  14. 14内閣府ほか「地域未来交付金制度要綱」(令和8年2月4日)(2026) 出典を開く

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記事を庁内資料・議会・勉強会・研究で引用するときは、記事名・公共0区(一般社団法人 社会構想デザイン機構)・URLを明記してください。

訂正の内容

  1. :補助制度の名前・補助の割合・所管が古いか誤っていました。文部科学省の令和8年4月現在の一覧と、各省の要綱・資料に合わせて書き直しました。

    訂正前
    出典は文部科学省の2018年の一覧(5省庁と記載)。総務省は過疎地域等自立活性化推進交付金(定額)、内閣府は地方創生推進交付金(上限は申請内容等による)、農水省は農山漁村発イノベーション整備事業(1/2以内)と農泊推進対策(定額または1/2以内、農泊推進室が所管、都道府県経由で申請)、国交省は交付率40〜45%、過疎地域は全国883市町村(2024年度時点)で北海道・東北・中国山地・四国・九州の山間部をカバー
    訂正後
    出典を文部科学省「廃校施設の活用に当たり利用可能な主な国庫補助制度(令和8年4月現在)」に変更。総務省は過疎地域持続的発展支援交付金の過疎地域遊休施設再整備事業(交付対象経費の1/3、交付対象経費の限度額6,000万円)、内閣府は地域未来交付金の地域未来推進型(補助率1/2)、農水省は農山漁村振興交付金の地域資源活用価値創出整備事業(農泊推進型は交付率1/2、上限2,500万円/事業期間、所管は都市農村交流課)、国交省は交付要綱附属第3編の算定式、過疎地域を含む市町村は885(令和4年4月1日現在)

    理由 2018年の一覧のあと、制度の名前が変わっています。内閣官房・内閣府の「地域未来交付金について」(令和8年4月)の当初予算の推移では、地方創生推進交付金は令和4年度までで、令和8年度は地域未来交付金です。総務省の交付要綱では、遊休施設再整備事業の交付金の額は交付対象経費の3分の1で、定額ではありません。過疎地域を含む市町村は、出典にしていた総務省のページにある一覧(令和4年4月1日現在)で885です。883と、山間部をカバーしているという記述は確かめられませんでした。農泊推進型の整備の交付先は、国から直接の中核法人等か、都道府県経由の中核法人等です。

  2. :厚生労働省の補助金の対象施設の表に、対象として挙がっていない施設を含めていました。

    訂正前
    社会福祉施設等施設整備費補助金の対象として、保育所・認定こども園、放課後等デイサービス(児童福祉施設として)、特別養護老人ホーム、小規模多機能型居宅介護に○。申請の流れは都道府県が一次審査、厚生労働省が最終採択
    訂正後
    対象施設を厚生労働省「社会福祉施設の整備・運営」の区分(保護施設・児童福祉施設・障害者施設・その他の施設)で示した。保育所・認定こども園・放課後児童クラブはこども家庭庁の制度として別に書いた。申請の流れの記述は削除した

    理由 厚生労働省のページが対象施設に挙げているのは、救護施設等の保護施設、障害児入所施設等の児童福祉施設、障害福祉サービス事業所等の障害者施設、社会事業授産施設等です。保育所や高齢者施設の名前はありません。文部科学省の一覧でも、保育所等と私立認定こども園はこども家庭庁の就学前教育・保育施設整備交付金などで、厚生労働省の欄は障害者施設等の1行だけです。申請の流れは出典を確かめられませんでした。

  3. :裏付けの無い記述を削除し、国交省の節の出典と、財産処分の手続きの書き方を直しました。

    訂正前
    「廃校の改修費を過疎債で措置する事例は全国に多数ある」「複合活用が採択率と補助額の最大化につながる」。国交省の節の出典が都市計画のトップページ、社会資本整備総合交付金の用語解説が官民連携の項目。次にやることの表で「国庫補助を受けた校舎は文科省の承認が要る」
    訂正後
    2つの記述を削除。国交省の節は、交付要綱附属第3編と都市再生特別措置法第46条・第47条を出典にした。次にやることの表は「処分制限期間内に学校以外に使うときは文科省の承認が要る(要件を満たせば報告で済む)」

    理由 過疎債の事例の数と、組み合わせで採択率が上がることを示す資料は見つかりませんでした。都市計画のトップページには都市再生整備計画事業の記述がなく、用語解説も別の言葉につながっていました。文部科学省の財産処分手続のページは、処分制限期間内の転用に承認と国庫納付が要り、一定の要件を満たせば報告書の提出で済むとしています。

  4. :財産処分で報告だけで済む範囲を広く書き、ほとんどの廃校が10年以上たっているなど、資料に無いことを書いていました。

    訂正前
    公益的目的への転用は承認手続きではなく報告書提出のみで完了/民間事業者への有償譲渡・貸与は用途や金額の条件を満たせば手続き可能/ほとんどの廃校は国庫補助事業の完了から10年以上経っており、無償であれば国庫納付金不要の条件を満たす/文科省は大幅な弾力化措置を講じている
    訂正後
    報告で済み国庫納付金も要らないのは、国庫補助事業の完了後10年以上たった建物等の無償の処分、通知の別表1に並ぶ処分など。10年以上たった建物等の有償の処分は、補助金相当額以上を学校の施設整備の基金に積み立てれば国庫納付金が要らない/文部科学省は財産処分手続の簡素化を図っている

    理由 文部科学省の通知(令和8年3月31日付け7文科施第1190号)で、公共用・公用の施設への転用のうち報告事項に入るのは、営利を目的とせず、統合で廃校になった学校の建物でその統合に国庫補助を受けたものの転用などに限られていました。有償の処分は、基金に積み立てる場合を除き、補助金相当額の国庫納付が承認の条件になります。ほとんどの廃校が10年以上たっていることを示す資料は見つからないので、削除しました。財産処分手続のページの言葉は「大幅な弾力化」ではなく「簡素化」だったので、見出しと表もその言葉に合わせました。

  5. :関連記事の紹介文で、厚生労働省の補助で事業者の負担がいつも改修費の1/4になるように書いていました。

    訂正前
    収支モデルの記事の紹介文「厚労省補助金で事業者負担を改修費の1/4まで削減。就労継続支援B型の月次収支シミュレーション付き。」
    訂正後
    「就労継続支援B型を例に、令和8年6月からの基本報酬の区分、工賃の決まり、施設費の差の出し方、3つの事例を載せた。」

    理由 厚生労働省の社会福祉施設整備補助金で法人の負担が4分の1になるのは、整備費の全額が補助の対象になった場合で、文部科学省の事例集の長岡市の例では総額約2億3,500万円のうち補助金は約5,500万円でした。収支モデルの記事も同じ日に書き直したので、紹介文を今の中身に合わせています。

  6. :10年を建築年から数えるように読める書き方でした。数えるのは国庫補助事業の完了年です。

    訂正前
    ほとんどの廃校は建設から10年以上経過しており、国庫納付金不要の条件を満たしている
    訂正後
    ほとんどの廃校は国庫補助事業の完了から10年以上経っており、無償であれば国庫納付金不要の条件を満たす

    理由 文部科学省の通知は「国庫補助事業完了後10年以上経過した建物等の無償による財産処分」を報告事項としています。建築年ではありません。耐震改修などの補助を後から受けた施設では、その事業の完了日で数え直します。手引きの版も令和8年3月のものに差し替えました。

  7. :補助の割合の出典が、その記載のないページを指していました。

    訂正前
    出典として厚生労働省の障害福祉サービスの入口ページを示していた
    訂正後
    出典を厚生労働省「社会福祉施設の整備・運営」に変更。国が原則2分の1、都道府県(指定都市・中核市を含む)が4分の1を補助し、残る4分の1が設置者の負担

    理由 補助の割合そのものは変わっていません。出典に挙げていたページにその記載がなく、たどっても確かめられない状態でした。記載のあるページに差し替えています。

ご自身の案件で確認すること

  • 検討している廃校活用の用途(福祉・教育・産業・観光等)と立地(過疎地域か否か)に基づいて、適用可能な補助制度をすべてリストアップしたか?
  • 申請主体(自治体か民間事業者か)によって申請できる補助制度が異なることを理解したうえで計画を立てているか?
  • 複数の補助制度を組み合わせる場合、各補助制度の対象経費の重複が認められるかどうか確認したか?

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