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ARTICLE · 廃校活用

廃校活用の用途別比較:実態調査の件数、事例集47事例の契約の形、用途ごとの建築基準法

廃校の使い道を用途ごとに並べて比べる。文部科学省の実態調査の用途別件数(校舎と屋内運動場、前回調査との違い)、事例集47事例の活用用途ごとの契約の形(貸与・譲渡・転用)、学校から変えるときに用途変更の確認が要る用途と第一種低層住居専用地域に建てられる用途を、調査と事例集と建築基準法で確かめて載せる。

この記事の要点

  • 文部科学省の実態調査(令和6年5月1日現在)の主な活用用途は、校舎と屋内運動場を分けて数えた複数回答。学校(大学を除く)4,191件(40.5%)が最も多く、社会体育施設1,693件のうち1,538件は屋内運動場。前回調査とは数えている廃校の年度が違う
  • 事例集47事例の契約の形は、自治体の転用18事例、無償貸与15事例、有償貸与8事例、譲渡5事例など。企業や法人等の施設22事例は転用が1事例だけで、社会体育施設・認定こども園・庁舎等が付いた事例は全部自治体の転用
  • 学校は建築基準法の類似の用途の組に入っていないので、児童福祉施設等、ホテル・旅館、図書館、飲食店などに変え、その部分が200㎡を超えれば用途変更の確認が要る。事務所と工場は別表第一に無い。第一種低層住居専用地域には、老人ホーム・保育所・福祉ホームや図書館は建てられるが、事務所・ホテル・工場は建てられる建築物に無い
対象読者・読む前に確認したいこと

こんな方に

  • 廃校活用事業への参入を検討している民間事業者・NPO・社会福祉法人
  • 廃校の活用公募要件を設計している自治体の教育委員会・財政担当者
  • 地域の課題解決手段として廃校活用を検討している地域おこし協力隊・まちづくり組織

前提となる知識

  • [廃校活用の進め方](/abandoned-school-guide)(国の資料で先に確かめること)
  • 廃校活用の全国事例についての基礎知識(任意)
この記事の内容

実態調査の用途別件数

用途ごとの件数と割合、校舎と屋内運動場の内訳、前回調査の件数、読むときの注意

最も多い用途は学校(大学を除く)

4,191件

校舎2,110件、屋内運動場2,081件。用途別割合40.5%(令和6年5月1日現在)

社会体育施設1,693件のうち屋内運動場の件数

1,538件

校舎は155件

事例集47事例のうち、自治体が転用した事例

18事例

無償貸与15事例、有償貸与8事例、譲渡5事例、土地は有償貸与で校舎は無償貸与1事例

文部科学省の実態調査は、活用されている廃校の主な用途を、校舎と屋内運動場に分けて件数で数えている。複数回答で、今回は平成16年度から令和5年度、前回は平成14年度から令和2年度に廃校になった学校を数えた。件数と割合は次のとおり。

用途今回の件数割合うち校舎うち屋内運動場前回の件数前回の割合
学校(大学を除く)4,19140.5%2,1102,0813,94839.1%
社会体育施設1,69316.4%1551,5381,75617.4%
社会教育施設・文化施設1,20611.7%7504561,33013.2%
 社会教育施設8588.3%5143449899.8%
 文化施設3483.4%2361123413.4%
福祉施設・医療施設等7357.1%5332027747.7%
 老人福祉施設1941.9%144502252.2%
 障害者福祉施設1771.7%126511761.7%
 保育施設680.7%4622670.7%
 認定こども園370.4%2314400.4%
 児童福祉施設(保育所を除く)720.7%5418660.7%
 放課後児童クラブ1241.2%95291271.3%
 放課後子供教室340.3%2212390.4%
 医療施設290.3%236340.3%
企業等の施設・創業支援施設1,20711.7%7894181,02010.1%
 企業や法人等の施設1,13811.0%7413979479.4%
 創業支援施設690.7%4821730.7%
庁舎等4494.3%3231264614.6%
体験交流施設等5355.2%3491865205.1%
備蓄倉庫2312.2%158731992.0%
大学810.8%4734790.8%
住宅200.2%137210.2%

読むときに気をつけることは3つある。

  1. 件数は校数ではない。校舎と屋内運動場を分けて数えた複数回答なので、1校が2つ以上の用途に数えられる
  2. 屋内運動場の使い方が用途によって違う。社会体育施設は1,693件のうち1,538件が屋内運動場で、学校(大学を除く)は校舎2,110件と屋内運動場2,081件でほぼ半分ずつ。福祉施設・医療施設等は校舎533件、屋内運動場202件
  3. 前回との差をそのまま増減として読まない。数えている廃校の年度が違う。企業等の施設・創業支援施設は1,020件から1,207件になったが、うち創業支援施設は73件から69件、社会教育施設は989件から858件、福祉施設・医療施設等は774件から735件

調査には宿泊施設という区分が無く、業種の内訳も無い。調査の区分と、事業者が考える業種は一致しない。

廃校の母数。累計8,850校、現存7,612校、活用5,661校(74.4%)、未活用1,951校でうち用途未決定1,503校。
手当てが要るのは1,503校。全体の8,850校でも未活用の1,951校でもない出典: 文部科学省 令和6年度「廃校施設活用状況実態調査」(令和6年5月1日現在)

事例集47事例の用途と契約の形

事例集が付けた活用用途ごとに、無償貸与・有償貸与・譲渡・転用の事例を数える

文部科学省の事例集は47事例を載せ、事例ごとに活用用途と、活用事業者名に続けて契約の形(有償譲渡、無償譲渡、有償貸与、無償貸与、転用)を書いている。47事例の契約の形は、転用18事例、無償貸与15事例、有償貸与8事例、有償譲渡3事例、土地は有償譲渡で建物は無償譲渡2事例、土地は有償貸与で校舎は無償貸与1事例である。転用は、自治体が自分の施設として使い、指定管理者などに運営を任せる形も含む。

活用用途ごとに、付いている事例と契約の形を数えると次のとおり。1つの事例に複数の活用用途が付いているので、事例の数の合計は47を超える。数え方は本記事のもので、事例の番号から事例集のページで確かめられる。

事例集の活用用途事例の数契約の形事例の番号
企業や法人等の施設22無償貸与11、有償貸与6、有償譲渡3、土地は有償譲渡で建物は無償譲渡1、転用11、2、6、8、9、16、19、20、23、25、26、28、31、32、33、35、36、37、40、43、44、45
宿泊施設6転用4、有償貸与1、無償貸与120、22、30、36、41、47
社会教育施設5転用3、無償貸与25、10、17、45、46
体験交流施設(自然体験施設等)5転用3、無償貸与25、6、18、23、39
創業支援施設4転用2、無償貸与217、20、31、38
社会体育施設4転用420、30、38、41
文化施設3転用2、無償貸与15、13、21
大学3無償貸与2、転用117、18、27
認定こども園2転用224、34
障害者福祉施設2無償貸与1、土地は有償譲渡で建物は無償譲渡17、15
放課後児童クラブ2転用1、有償貸与120、42
庁舎等2転用229、46
老人福祉施設1土地は有償貸与で校舎は無償貸与3
学校1転用4
児童福祉施設1転用24
医療施設1転用46
住宅1転用46
その他11転用9、有償貸与1、無償貸与110、11、12、14、20、22、31、38、41、46、47

企業や法人等の施設の22事例は、自治体の転用が飯綱町の事例20の1事例だけで、残りは事業者への貸与か譲渡である。社会体育施設、認定こども園、庁舎等が付いた事例は、全部が自治体の転用だった。1つの事例に付いている活用用途の数は、飯綱町の事例20が6つ(創業支援施設、宿泊施設、社会体育施設、放課後児童クラブ、企業や法人等の施設、その他)で最も多い。

47事例の一覧と、分野ごとの事例は廃校活用事例47選の記事に載せた。

用途ごとに確かめる建築基準法

用途変更の確認が要る用途、類似の用途の組、第一種低層住居専用地域に建てられる用途、用途ごとの詳しい記事

用途変更の確認が要る用途

建物の用途を変えて、別表第一(い)欄の用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が200㎡を超えるものにする場合は、確認の手続きの規定が準用される。用途の変更が政令で指定する類似の用途相互間のものである場合は除かれる。別表第一(い)欄は、(一)項が劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場など、(二)項が病院、診療所(患者の収容施設があるもの)、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎など、(三)項が学校、体育館など、(四)項が百貨店、マーケット、展示場、遊技場など、(五)項が倉庫など、(六)項が自動車車庫、自動車修理工場などである。(二)項の用途に類するものは児童福祉施設等、(三)項に類するものは博物館、美術館、図書館、ボーリング場、スキー場、スケート場、水泳場又はスポーツの練習場、(四)項に類するものは公衆浴場、待合、料理店、飲食店又は物品販売業を営む店舗(床面積が10㎡以内のものを除く)である。確認が要らない類似の用途の組は、劇場・映画館・演芸場、公会堂・集会場、診療所(患者の収容施設があるもの)・児童福祉施設等、ホテル・旅館、下宿・寄宿舎、博物館・美術館・図書館、体育館・ボーリング場・スケート場・水泳場・スキー場・ゴルフ練習場・バッティング練習場などで、学校はどの組にも挙がっていない。第一種低層住居専用地域などにある建築物では、組によってこの扱いから外れる。

学校から次の用途に変えるときの確認をまとめると、次のとおり。確認が要るのは、その用途に使う部分の床面積の合計が200㎡を超えるときである。

変えた後の用途別表第一(い)欄用途変更の確認
児童福祉施設等(老人福祉施設、障害者支援施設、保育所など)(二)項に類する要る
ホテル、旅館(二)項要る
体育館、スポーツの練習場(三)項、(三)項に類する要る
博物館、美術館、図書館(三)項に類する要る
飲食店、物品販売業を営む店舗(四)項に類する要る(物品販売業を営む店舗は、床面積が10㎡以内のものを除く)
倉庫(五)項要る
事務所無い要らない
工場(自動車修理工場を除く)無い要らない

児童福祉施設等は、児童福祉施設(幼保連携型認定こども園を除く)、助産所、老人福祉施設、有料老人ホーム、母子保健施設、障害者支援施設、地域活動支援センター、福祉ホーム、障害福祉サービス事業(生活介護、自立訓練、就労移行支援又は就労継続支援を行う事業に限る)の用に供する施設などである。第115条の3は、(二)項に類する児童福祉施設等に幼保連携型認定こども園を含めている。用途変更の確認が要らない場合でも、階数が2以上か延べ面積が200㎡を超える建築物で大規模の修繕や大規模の模様替をするときは、工事に着手する前に確認を受ける。

第一種低層住居専用地域に建てられる用途

建築物の用途を変更する場合は、第48条第1項から第14項まで(用途地域等の制限)の規定を準用する。第一種低層住居専用地域の「建築することができる建築物」は、住宅、住宅で事務所・店舗などを兼ねるもののうち政令で定めるもの、共同住宅・寄宿舎・下宿、学校(大学、高等専門学校、専修学校及び各種学校を除く)・図書館その他これらに類するもの、神社・寺院・教会など、老人ホーム・保育所・福祉ホームその他これらに類するもの、公衆浴場(個室付浴場業に係るものを除く)、診療所、巡査派出所・公衆電話所など政令で定める公益上必要な建築物、これらに附属するもの(政令で定めるものを除く)である。第二種低層住居専用地域では、これに加えて、店舗・飲食店などのうち政令で定めるもので、その用途に供する部分の床面積の合計が150㎡以内のもの(3階以上の部分をその用途に供するものを除く)が建てられる。

第一種低層住居専用地域では、学校を老人ホーム、保育所、福祉ホーム、図書館などに変えることは「建築することができる建築物」の範囲に入る。事務所(住宅と兼ねる政令のものを除く)、ホテル・旅館、工場、店舗・飲食店は、この地域の一覧に無い。ただし、特定行政庁が第一種低層住居専用地域における良好な住居の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合は、この限りでない。この許可をするときは、原則として、あらかじめ利害関係を有する者の出頭を求めて公開により意見を聴取し、建築審査会の同意を得る。

用途ごとの詳しい記事

用途ごとの制度、条文、事例集の事例は、次の記事に載せた。

福祉事業者のための廃校活用ガイド:借り方、建物の確認、補助金、指定基準と事例【2026年版】

取得の方法と行政との交渉、建物の調査、補助金・交付金、サービスの種類ごとの設備の基準と事例

廃校×児童福祉(保育所・学童):省令の面積基準と整備費の補助割合、三原市・西海市・四日市市の事例

保育所の設備の基準と改修、学童保育への転用、補助金、校庭と余った教室の使い方

放課後等デイサービス×廃校:報酬の単位数、設備と人員の基準、指定の要件、建物で確かめること【2026年版】

令和6年度改定後の報酬体系、施設基準と改修、法人格の取得から指定申請まで

廃校×観光・宿泊施設:旅館業法の許可、用途地域と消防、農泊の補助、事例集の6事例

旅館業法の許可と構造設備の基準、用途地域と市街化調整区域、消防法施行令の区分

廃校×IT・コワーキング:事例集の10事例、用途地域と市街化調整区域、お試しサテライトオフィスと交付金

実態調査の件数、事例集の10事例の契約の形と改修費、建築基準法と都市計画法の条文、お試しサテライトオフィスの要綱

制度

廃校の用途変更と建築基準法:福祉施設転用時の改修義務【2026年版】

用途変更の確認が要る面積、防火区画・排煙設備・内装制限の条件を条文で確かめた記事


次にやること

この記事を読んだあと、その週のうちに動かせる順に並べる。

順やることどこで目安
1入居予定者を1者でも先に見つける。用途を決めてから探すのではなく、借りる人を決めてから用途を決めるサウンディング、地元事業者1〜3か月
2耐震診断とアスベスト調査の結果を出す。無ければ先に実施する営繕担当2〜3か月
32を踏まえた改修費の概算を取る。解体費も同時に出して比べる設計事務所1か月
4財産処分の手続きを確認する。国庫補助を受けた校舎を処分制限期間内に学校以外に使うときは文科省の承認が要る(要件を満たせば報告で済む)教育委員会、文科省1〜2か月
5用途を公表する前に、卒業生・地域団体に説明の場を持つ同窓会、自治会1か月

1を飛ばすと、用途だけ決まって借り手が現れない状態になる。


関連記事

ガイド

廃校活用の進め方:実態調査の数、活用用途を募集する廃校の一覧、財産処分の手続き、国の補助制度

実態調査の数と用途が決まらない理由、活用用途を募集する廃校の一覧、財産処分が報告で済む場合と国庫納付金が要らない場合、国庫補助制度の一覧

事例集

廃校活用事例47選:文部科学省データから読む成功パターンと失敗要因【2026年版】

事例集47事例の一覧と活用用途、分野ごとの事例

手順

廃校活用の全手順:施設選定からプロポーザルまでを完全解説【2026年版】

現況調査、財産処分手続き、用途変更と建物調査、サウンディング、プロポーザルの7ステップ

この記事で使った統計の出典

  1. 1文部科学省 令和6年度「廃校施設活用状況実態調査」資料3「主な活用用途」(令和6年5月1日現在)(2025) 出典を開く
  2. 2文部科学省「廃校活用事例集 未来につなごう みんなの廃校プロジェクト」(令和5年3月)事例1〜47(2023) 出典を開く
  3. 3建築基準法(昭和25年法律第201号)第87条第1項・第6条第1項第1号(e-Gov法令検索) 出典を開く
  4. 4建築基準法(昭和25年法律第201号)別表第一(e-Gov法令検索) 出典を開く
  5. 5建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第115条の3(e-Gov法令検索) 出典を開く
  6. 6建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第137条の18(e-Gov法令検索) 出典を開く
  7. 7建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第19条第1項・第115条の3(e-Gov法令検索) 出典を開く
  8. 8建築基準法(昭和25年法律第201号)第6条第1項(e-Gov法令検索) 出典を開く
  9. 9建築基準法(昭和25年法律第201号)第87条第2項(e-Gov法令検索) 出典を開く
  10. 10建築基準法(昭和25年法律第201号)別表第二(い)項・(ろ)項(e-Gov法令検索) 出典を開く
  11. 11建築基準法(昭和25年法律第201号)第48条第1項・第15項(e-Gov法令検索) 出典を開く

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訂正履歴

  1. :業種ごとの採算性、改修費の目安、行政評価、補助金の充実度を比べた表と要約を載せていました。どれも裏付けが無く、削除しました。

    訂正前
    採算性は産業系が最も高く、福祉系は中(公費補助前提)、教育系は低〜中、観光系は中〜高/改修費目安は福祉系1,000〜5,000万円、教育系500〜3,000万円、産業系500〜2,000万円、観光系3,000万〜1.5億円/行政評価は福祉系・複合型が非常に高、産業系は中(工夫必要)/補助金は福祉系・複合型が充実、産業系が限定的/行政審査では雇用創出・地域連携を組み合わせた提案が選ばれやすい
    訂正後
    実態調査の用途別件数、事例集47事例の活用用途ごとの契約の形、学校から変えるときの用途変更の確認と第一種低層住居専用地域に建てられる用途を、調査・事例集・建築基準法で載せる

    誤った理由 採算性の順位、用途ごとの改修費の幅、行政評価の高低、補助金の充実度、審査で選ばれやすい提案のどれにも出典がありませんでした。改修費は、事例集の47事例でも同じ用途の中で大きく違います。記事の比べ方を、確かめられる件数・契約の形・条文に替えました。

  2. :産業系の活用が急増している、データセンターなどが新たな業態として登場している、教室を個室オフィスに改修するケースが多い、と書いていました。調査や資料からは言えず、削除しました。

    訂正前
    近年の顕著なトレンドとして、一般企業(産業系)の活用が急増している。IT企業のサテライトオフィス・データセンター・農業6次産業化施設・食品加工場などが新たな業態として登場している/産業系は廃校活用の新しいトレンドとして注目されている/サテライトオフィス・コワーキングスペースは教室を個室オフィスに改修するケースが多い。賃貸料収入と運営フィーが安定収益になる/データセンターは地方の土地利用・雇用の観点で注目されている
    訂正後
    企業等の施設・創業支援施設は前回調査の1,020件から1,207件になったが、創業支援施設は73件から69件で、前回と今回は数えている廃校の年度が違う

    誤った理由 文部科学省の実態調査の資料3では、企業等の施設・創業支援施設は前回調査1,020件、今回1,207件ですが、前回は平成14〜令和2年度、今回は平成16〜令和5年度に廃校になった学校を数えていて、差をそのまま増えた数として読めません。調査は業種の内訳を出しておらず、データセンターや食品加工場という区分もありません。教室を個室オフィスに改修するケースが多いこと、賃貸料収入と運営フィーが安定収益になることにも、出典がありませんでした。同じ言い回しは2026年9月13日に最新動向の記事で訂正していましたが、この記事に残っていました。

  3. :福祉・教育・観光の説明に、裏付けの無い言い切りや、国の一覧に無い補助金を書いていました。削除しました。

    訂正前
    地域複合福祉拠点モデルも増えている/利用者の自己負担は通常1〜3割で、安定した公費収入が見込める/厚生労働省の地域医療介護総合確保基金・都道府県の福祉施設整備補助・文部科学省の廃校活用補助等を組み合わせて改修費の一部を賄える/フリースクールは教育行政との連携で補助・無償貸付を受けやすい/地方の廃校を英語村や国際教育拠点として活用するケースがある/教育系は採算性が低い傾向があるが、地域への教育機会の提供という社会的価値が高く評価される/観光系は高単価の事業モデルが実現しやすく、集客リスクと季節変動が大きい。都市近郊か観光資源が豊富な地域でないと安定的な集客が難しく、過疎地では初期の集客確保が最大の課題/インバウンド観光客の農村体験ニーズに対応できる
    訂正後
    用途ごとの制度と補助は、それぞれの用途の記事(福祉施設、保育所と学童保育、放課後等デイサービス、宿泊施設、オフィス)に条文と国の資料で載せ、この記事からリンクする

    誤った理由 複合福祉拠点が増えていること、自己負担の割合と公費収入の安定を福祉系の事業全体についてまとめて書いた記述、フリースクールが補助や無償貸付を受けやすいこと、教育系の社会的価値が高く評価されること、英語村などの例、観光の単価と集客のリスク、立地による集客の難しさは、どれも出典がありませんでした。文部科学省がまとめた廃校施設の活用に使える国庫補助制度の一覧に、地域医療介護総合確保基金と文部科学省の廃校活用補助は載っていません。

  4. :複合型が最も成功事例の多い業態のひとつで、福祉とカフェの組み合わせが最も普及している、審査で評価される提案に3つの要素が共通する、と書いていました。出典が無く、削除しました。

    訂正前
    廃校活用で最も成功事例が多い業態のひとつが複合型/福祉+カフェ(コミュニティカフェ)は公費収入の安定性とカフェの地域集客力を両立する最も普及したモデル/IT企業オフィス+子育て支援は子育て中の移住促進効果も期待できる/行政審査で高評価を得る提案には地域雇用の具体的な数値、地域の課題解決への対応、地域住民が利用できる開放スペースの3要素が共通して含まれ、組み込むことで評価が大幅に上がる
    訂正後
    事例集の活用用途ごとの表に事例の番号を載せ、1つの事例に付いている活用用途は飯綱町の事例20の6つが最も多いと書いた

    誤った理由 成功事例の多さ、普及の度合い、移住の効果、審査の評価が上がることを示す資料はありませんでした。

  5. :社会体育施設・幼保施設・高齢者施設などの「地域サービス型」が従来から多い、と書いていました。幼保施設と高齢者施設は調査の件数と合わず、削除しました。

    訂正前
    社会体育施設・幼保施設・高齢者施設など「地域サービス型」の業種は従来から多く、地方自治体が福祉・教育目的で直接転用するパターンが引き続き多い
    訂正後
    社会体育施設は1,693件(16.4%)で学校(大学を除く)に次いで多いが、老人福祉施設は194件(1.9%)、保育施設は68件(0.7%)、認定こども園は37件(0.4%)

    誤った理由 文部科学省の実態調査の資料3で、社会体育施設は学校(大学を除く)に次いで多い一方、老人福祉施設、保育施設、認定こども園はどれも全体の2%に届きません。活用しているのが自治体か民間かの内訳は、調査にありません。

  6. :「次にやること」の表で、財産処分の手続きがいつも承認を要するように読める書き方でした。

    訂正前
    国庫補助を受けた校舎は文科省の承認が要る
    訂正後
    国庫補助を受けた校舎を処分制限期間内に学校以外に使うときは文科省の承認が要る(要件を満たせば報告で済む)

    誤った理由 文部科学省の財産処分手続のページは、処分制限期間内に学校教育以外の用途で使うときに承認と国庫納付が要り、一定の要件を満たせば国庫納付をせず報告書の提出で済むとしています。報告で済む場合を落としていました。

  7. :活用用途の内訳が、文部科学省の調査と一致していませんでした。

    訂正前
    社会体育施設14.2%・幼保施設9.1%・高齢者・障害者施設8.3%・一般企業7.8%・農業体験施設4.1%・宿泊施設3.2%
    訂正後
    校舎と屋内運動場を別に数えた複数回答(合計10,348件)で、学校(大学を除く)4,191件40.5%・社会体育施設1,693件16.4%・企業等の施設・創業支援施設1,207件11.7%・社会教育施設・文化施設1,206件11.7%・福祉施設・医療施設等735件7.1%

    誤った理由 文部科学省「令和6年度 廃校施設活用状況実態調査」の主な活用用途を開いたところ、載せていた6項目はいずれも調査の数字と一致せず、最多の「学校(大学を除く)40.5%」が抜けていました。この集計は校舎と屋内運動場を別に数えた件数の複数回答で、校数の内訳ではありません。同じ論点は当サイトの別記事で2026年8月29日と9月7日に訂正済みでしたが、本記事に反映できていませんでした。

ご自身の案件で確認すること

  • 検討している用途は、実態調査のどの区分に当たるか。校舎と屋内運動場のどちらを使うか
  • その用途の事例は、事例集で貸与・譲渡・転用のどれが多いか。自分の案件ではどの形にするか
  • 学校から変えた後の用途は、用途変更の確認が要る特殊建築物か。廃校のある場所の用途地域に建てられる用途か

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