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ARTICLE · 廃校活用

廃校活用事例47選:文部科学省データから読む成功パターンと失敗要因【2026年版】

自治体担当者向け:文部科学省の「廃校活用事例集」(令和5年3月)の47事例を、事例集が付けた活用用途で数え、一覧にした。最も多いのは企業や法人等の施設(22件)。福祉への転用が選ばれる理由、西和賀町・長岡市・四日市市の改修費と補助金、住民との合意の進め方を、事例集の記載から読む。

この記事の要点

  • 事例集の47事例を、事例集が付けた活用用途で数えると、企業や法人等の施設が22件で最も多く、宿泊施設が6件、社会教育施設と体験交流施設が5件ずつ。福祉・子育て・医療の用途が付いた事例は8件(1つの事例に複数の用途が付く)
  • 文科省調査の用途別割合(複数回答)で最多は学校(大学を除く)40.5%、次いで社会体育施設16.4%、企業等の施設・創業支援施設と社会教育施設・文化施設が11.7%ずつ
  • 改修費は、西和賀町の小規模多機能ホームが約4,150万円(489.78㎡)、長岡市の障害者就労支援施設が約2億3,500万円(2,973.68㎡)、四日市市の子育て支援等複合施設が約10億円(約6,315㎡)。使った補助金の制度も3件で違う
対象読者・読む前に確認したいこと

こんな方に

  • 廃校活用の事例を探している教育委員会・企画課の担当者
  • 廃校を活用した事業に参入したい民間事業者(特に福祉事業者)

前提となる知識

  • 廃校活用の基本手順(C-1記事を参照)
この記事の内容

廃校活用の現状

累計8,850校が閉校し、現存する7,612校のうち活用済みは74.4%。年度別の廃校数と活用用途の内訳

2004〜2023年度の廃校累計

8,850校

現存廃校の活用率

74.4%

活用用途が未決定の廃校

1,503校

2004年度から2023年度までに発生した廃校は累計8,850校。年度別に見ると、2016年度以降は一度も450校に達しておらず、2023年度は298校だった。

現存する7,612校の活用状況は以下の通りである。

区分校数割合
活用されている5,661校74.4%
活用用途が決まっている(未着手)235校3.1%
活用用途が決まっていない1,503校19.7%
取壊し予定213校2.8%

注目すべきは「活用用途が決まっていない」19.7%(1,503校)である。これらの学校は毎年維持管理費がかかり続けているが、活用の方向性が見えていない。用途が決まらない理由を校舎について聞いた複数回答(n=2,177)では、「地域等からの要望がない」が903件(41.5%)、「建物が老朽化している」が902件(41.4%)で上位に並ぶ。

同じ調査は、地域住民からの意向聴取の状況も聞いている。校舎7,211件について複数回答で聞いたところ、アンケート調査を実施479件(6.6%)、説明会等によるヒアリングを実施2,782件(38.6%)、その他739件(10.2%)、実施していない3,580件(49.6%)である。これは用途が決まっていない廃校に限った数字ではなく、現存する廃校全体の数字である。活用が決まった校舎も含めて、およそ半数では住民に意向を聞いていない。

同じ調査は、活用されている廃校の主な用途も集計している。ただしこの集計は校舎と屋内運動場を別に数えた件数の複数回答であり、1つの廃校が複数の用途に数えられるため、校数の内訳ではない。

活用用途件数用途別割合
学校(大学を除く)4,19140.5%
社会体育施設1,69316.4%
企業等の施設・創業支援施設1,20711.7%
社会教育施設・文化施設1,20611.7%
福祉施設・医療施設等7357.1%
体験交流施設等5355.2%
庁舎等4494.3%
備蓄倉庫2312.2%
大学810.8%
住宅200.2%

最多は学校(大学を除く)の4,191件(40.5%)で、次いで社会体育施設が1,693件(16.4%)、企業等の施設・創業支援施設と社会教育施設・文化施設がそれぞれ11.7%と続く。福祉施設・医療施設等は735件(7.1%)である。

廃校活用の基本手順については、廃校活用の全手順を参照されたい。また、の枠組みで廃校を活用する方法についてはスモールコンセッションとは?を参照されたい。

分野別の事例分析

事例集47事例の活用用途別の件数と一覧、企業・福祉・教育・観光・コミュニティ・複合の6分野の特徴と前提条件

文部科学省の廃校活用事例集には、北海道から沖縄県まで47の事例が載っていて、事例ごとに活用用途が付いている。1つの事例に複数の用途が付くことがあるので、合計は47を超える。

事例集が付けた活用用途事例の数
企業や法人等の施設22
宿泊施設6
社会教育施設5
体験交流施設(自然体験施設等)5
創業支援施設4
社会体育施設4
文化施設3
大学3
認定こども園、障害者福祉施設、放課後児童クラブ、庁舎等2ずつ
老人福祉施設、学校、児童福祉施設、医療施設、住宅1ずつ
その他(コミュニティ複合施設、ロケ地など)11

47事例の一覧は次のとおりである。活用の内容は事例集の目次の書き方、活用用途は各事例のページの書き方をそのまま写した。

番号自治体活用の内容活用用途
1北海道小清水町せんべい工場企業や法人等の施設
2青森県大鰐町生ハム工房企業や法人等の施設
3岩手県西和賀町介護施設老人福祉施設
4宮城県加美町音楽技能修得施設学校
5秋田県由利本荘市木のおもちゃ館社会教育施設、文化施設、体験交流施設(自然体験施設等)
6山形県高畠町大人の学び舎企業や法人等の施設、体験交流施設(自然体験施設等)
7福島県三春町福祉型農業施設障害者福祉施設
8茨城県行方市体験型農業テーマパーク企業や法人等の施設
9栃木県那珂川町製材工場、バイオマス発電所企業や法人等の施設
10群馬県みどり市社会教育施設社会教育施設、その他(子育て応援施設)
11埼玉県小鹿野町映画・テレビ・CM撮影等のロケ地その他(映画・テレビ・CM撮影等のロケ地)
12千葉県鋸南町都市交流施設・道の駅その他(複合商業施設)
13東京都北区文化芸術活動拠点文化施設
14神奈川県ロボット開発のプレ実証フィールドその他(生活支援ロボットの実証実験施設)
15新潟県長岡市障害福祉サービス事業所障害者福祉施設
16富山県立山町IT交流施設企業や法人等の施設
17石川県珠洲市大学の教育・研究拠点大学、社会教育施設、創業支援施設
18福井県若狭町漁村体験施設体験交流施設(自然体験施設等)、大学
19山梨県身延町ドローン開発・研究等施設企業や法人等の施設
20長野県飯綱町創業交流施設、自然体験交流施設創業支援施設、宿泊施設、社会体育施設、放課後児童クラブ、企業や法人等の施設、その他(コミュニティ複合施設)
21岐阜県美濃市和紙用具ミュージアム文化施設
22静岡県島田市グランピング施設宿泊施設、その他(地域開放スペース、テレワーク用スペース)
23愛知県新城市レストラン企業や法人等の施設、体験交流施設(自然体験施設等)
24三重県四日市市子育て支援等複合施設認定こども園、児童福祉施設
25滋賀県高島市菌床キノコ生産工場企業や法人等の施設
26京都府福知山市いちご農園、農業体験型施設企業や法人等の施設
27大阪府堺市大学大学
28兵庫県養父市スナップリング製造工場企業や法人等の施設
29奈良県県の庁舎庁舎等
30和歌山県海南市スポーツセンター宿泊施設、社会体育施設
31鳥取県八頭町コミュニティ複合施設企業や法人等の施設、創業支援施設、その他(コミュニティ複合施設)
32島根県出雲市カワハギ陸上養殖施設企業や法人等の施設
33岡山県笠岡市シェアアトリエ企業や法人等の施設
34広島県三原市認定こども園認定こども園
35山口県周防大島町サテライトオフィス企業や法人等の施設
36徳島県三好市カフェ&ホステル企業や法人等の施設、宿泊施設
37香川県三木町希少糖研究研修センター企業や法人等の施設
38愛媛県新居浜市生涯活躍のまち拠点施設創業支援施設、社会体育施設、その他(コミュニティ複合施設)
39高知県室戸市水族館体験交流施設(自然体験施設等)
40福岡県宮若市AI研究開発施設企業や法人等の施設
41佐賀県佐賀市地域交流拠点・オフィス・合宿施設宿泊施設、社会体育施設、その他(コミュニティースペース、サテライトオフィススペース)
42長崎県西海市放課後児童クラブ放課後児童クラブ
43熊本県菊池市酒蔵企業や法人等の施設
44大分県国東市非破壊検査機器の開発・製造等拠点企業や法人等の施設
45宮崎県美郷町ウナギ研究所・博物館企業や法人等の施設、社会教育施設
46鹿児島県南さつま市市役所出張所、診療所等の複合施設社会教育施設、医療施設、庁舎等、住宅、その他(野間池分団消防車庫、詰所)
47沖縄県うるま市地域交流拠点施設宿泊施設、その他(コミュニティ複合施設)

この47事例と、文部科学省の「みんなの廃校」プロジェクトの情報をもとに、6つの分野の特徴と前提条件を整理する。

企業の事業所(工場・研究開発・オフィス)

事例集で最も多いのが、企業や法人等の施設として使う事例である。製造の工場、研究開発の拠点、サテライトオフィスなどがある。

北海道小清水町の旧北陽小学校は、有償譲渡を受けた株式会社山口油屋福太郎がせんべい工場にし、改修費の総額約4.5億円は事業者負担、補助金は使っていない。滋賀県高島市の旧今津西小学校は、無償貸与を受けた共栄精密株式会社が菌床キノコの生産工場にし、改修費の総額約5,200万円は事業者負担だった。山口県周防大島町の旧和田小学校は、株式会社ビジコムが無償貸与を受けてサテライトオフィスにし、改修費の総額約4,652万円のうち自治体が約1,931万円、事業者が約1,721万円を負担し、山口県の補助金が約1,000万円入った。

前提条件:

  • 事業に合った立地(原材料の産地、交通、通信環境など)と、進出を考える企業がいること
  • 譲渡か貸与か、改修費をどちらが持つかを、公募や協議の段階で決めておくこと

福祉施設(高齢者・障害者・児童)

廃校の教室と体育館は、障害者の就労継続支援施設、放課後等デイサービス、高齢者の介護施設などへの転用が考えられる。事例集で福祉・子育て・医療の用途が付いた事例は8件(事例3、7、15、20、24、34、42、46)である。

北海道夕張市の旧のぞみ小学校(1986年竣工、2011年閉校)を養護老人ホーム「夕張紅葉園」にした例では、調査の結果、構造躯体・外壁・屋根など主要部分は十分使える状態で、軽微な改修で済んだ。旧校舎から転用した部分(延べ面積2,145.20㎡、増築部分を除く)の最終的な契約金額は1億5,853万円、㎡単価は73,900円で、記事は新築工事で建てた場合の平均的な費用の1/3程度で済んだと書いている。これは1件の例で、どの廃校でも新築の1/3になるわけではない。

収益構造の安定性:障害福祉サービスの報酬は障害者総合支援法に基づく公定価格であり、景気変動や季節変動の影響を受けにくい。観光施設のように「客が来なければ赤字」というリスクがない点が、他分野と根本的に異なる。

前提条件:

  • 対象地域に福祉サービスの需要(利用者)が存在すること
  • 建物が用途変更(学校→福祉施設)に対応できる状態であること(耐震・バリアフリー)
  • 福祉事業の運営実績を持つ法人が参入する意思があること

教育・研修施設

廃校の校舎を教育施設(大学、音楽などの専門の学校、社会人の学び舎など)に使うパターン。事例集では、大学の用途が付いた事例が3件(事例17、18、27)、学校が1件(事例4)ある。教室・黒板・グラウンドといった教育のための設備をそのまま使える。

収益構造:フリースクールや職業訓練は公費補助が入るケースと民間運営のケースが混在する。企業研修所の場合は大都市からのアクセスが重要な前提条件になる。

用途変更の手続き:建物の用途を変えて、別表第一(い)欄の用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が200㎡を超えるものにする場合は、確認の手続きの規定が準用される。用途の変更が政令で指定する類似の用途相互間のものである場合は除かれる。変えたあとの用途が特殊建築物でなければ、この確認は要らない。どの用途に当たるかは、建物ごとに建築主事等に確かめる。

観光・交流施設

体験型観光施設、宿泊施設、レストラン、マルシェ等への転用。事例集では、宿泊施設の用途が付いた事例が6件、体験交流施設が5件ある。廃校の「ノスタルジー」それ自体が集客要素になるが、このモデルは前提条件が最も厳しい分野でもある。

収益構造の課題:観光は季節変動と集客力に収益が直結する。都市部からのアクセスが良く、既存の観光動線に乗ることができる施設でなければ、通年での事業採算は困難だ。

前提条件(厳しい):

  • 年間集客数が事業採算に見合うだけのアクセスと観光需要があること
  • 季節変動への対策(冬季の集客が見込めない地域では通年営業が困難)
  • 改修費の大半を自己調達できる事業者の存在

コミュニティ施設

地域住民の交流拠点、コワーキングスペース、子育て支援センター等への転用。事例集では、その他の用途に「コミュニティ複合施設」が付いた事例が4件(事例20、31、38、47)ある。収益性は低いが、地域のコミュニティ維持という公共的価値が高い分野だ。

収益構造:収益で運営費を賄うのが難しい場合は、や交付金など、自治体の負担を前提に組む。完全な民間収益事業としての成立は難しいが、自治体が一部費用を負担することで持続可能になる。

住民にとって「母校」であった場所を活用するため、他分野と比較して心理的な受容性が高い。ただし、自治体が費用を負担し続ける前提が崩れると持続困難になる点は考慮が必要だ。

複合活用

1つの廃校に複数の機能を入れるモデル。事例集では、長野県飯綱町の事例20に6つの用途(創業支援施設、宿泊施設、社会体育施設、放課後児童クラブ、企業や法人等の施設、コミュニティ複合施設)が付いている。

収益構造の優位性:収益部門(飲食・体験)と公共部門(福祉・教育)を組み合わせることで、事業全体の採算性を確保しやすい。複数の事業者・法人がコンソーシアムを組んで参入でき、リスク分散が可能だ。

前提条件:複数テナントをまとめる調整コストが高い。事業者間の役割分担と収益按分の設計に専門的な知見が必要になる。

福祉施設への転用が選ばれる理由

報酬の安定性、建物との相性、自治体の維持管理費の3つを事例集の記載で読む

福祉施設・医療施設等への活用は735件(7.1%)で、前回調査(令和3年5月1日現在)の774件を下回る。障害者福祉施設は177件で、前回の176件とほぼ同じである。数が増えているわけではない。それでも福祉転用を選ぶ事業者と自治体があるのには、3つの背景がある。

理由1: 報酬の安定性

障害福祉サービスの報酬は国の公定価格(障害者総合支援法に基づく報酬基準)であり、原則として3年ごとの改定はあるものの、景気変動や季節変動の影響を受けにくい安定した収益構造を持つ。

観光施設が「集客ゼロの冬季は赤字」というリスクを抱えるのに対し、就労継続支援B型や放課後等デイサービスは、利用者が安定して通所する限り収益が確保される。過疎地の廃校であっても、需要があれば事業継続できる。

理由2: 既存建物との物理的相性

就労継続支援A型の事業所には、訓練・作業室、相談室、洗面所、便所、多目的室などを設ける。訓練・作業室は訓練又は作業に支障がない広さを有し、必要な機械器具等を備える。この規定はB型に準用される。基準は広さを数字で決めていないので、教室の広さと利用者の人数と作業の中身を、指定の窓口と照らし合わせる。

事例集では、岩手県西和賀町が2階建ての校舎の1階部分を事務室・居室・食堂等に改修して小規模多機能ホームにしている。福島県三春町の旧沢石小学校は、葉物野菜の水耕栽培で障害者等を雇用する福祉型農業施設になり、改修費の総額は約400万円だった。

厚生労働省の社会福祉施設整備補助金は、社会福祉法人等が施設を整備する場合に、国が整備費の1/2、都道府県が1/4を補助する(後述)。

理由3: 自治体の維持管理費と解体費

新潟県長岡市は、廃校を法人に活用してもらうことで、施設の維持管理や解体撤去等に係るコストの削減につながったことを利点に挙げている。建物を残して使うかどうかは、維持管理費と解体費を含めて比べる。

ただし、福祉の事業を新しく始めることに反対の声が出ることもある。西和賀町では、町内に老人福祉施設が人口に対して比較的多く、介護保険料が高いことが課題で、同業者から保険料のさらなる上昇を懸念する反対の声があった。今後の高齢者数の推移などの説明会を数多く開いて理解を得た。住民合意の進め方と契約の設計が、転用を成功させるための鍵となる。

改修費の実態と補助金スキーム

約4,150万円から約10億円まで。延床面積、建物の状態、使った補助金の制度が3件で違う

廃校を福祉・子育て施設に転用する場合の改修費は、施設の規模・用途・建物の状態によって大きく異なる。3事例の比較を示す。

事例元施設(建築年度)用途と事業主体延床面積改修費の総額うち負担うち補助金(制度)
岩手県西和賀町 雪つばきの里旧越中畑小学校(1980年度)小規模多機能ホーム(NPO法人)489.78㎡約4,150万円事業者 約850万円約3,300万円(介護サービス施設等整備臨時特例事業費補助金、施設開設準備経費助成特別対策事業費補助金)
新潟県長岡市 和島トゥー・ル・モンド旧島田小学校(1904年度)障害者就労支援施設(社会福祉法人)2,973.68㎡約2億3,500万円事業者 約1.8億円約5,500万円(社会福祉施設等施設整備費補助金)
三重県四日市市 橋北交流会館旧東橋北小学校(1992年度)子育て支援等複合施設(市)約6,315㎡約10億円自治体 約9.9億円約1,000万円(スポーツ振興くじ助成金)

3事例の建築年度、延床面積、改修費、負担、補助金はいずれも文部科学省の事例集に記載されたものである。改修費の総額は約4,150万円から約10億円まで開きがあるが、延床面積も約490㎡から約6,300㎡まで違う。延床面積1㎡あたりに割ると、西和賀町が約8.5万円、長岡市が約7.9万円、四日市市が約15.8万円になる(本記事の計算。改修費の総額には、建物の改修以外の費用が入っていることもある)。

① 建物の状態:長岡市の旧島田小学校は、建物の老朽化で変形した柱の修復、地震の影響で下がった基礎の調整、今の建築基準法や消防法に合わせる改修が必要で、事例集は工事にかなりの費用がかかったと書いている。西和賀町の校舎は、活用する前から耐震基準をクリアしていた。

② 用途と規模:四日市市は、地域の幼稚園・保育園・児童館などの機能を集めた約6,315㎡の複合施設で、3件の中で延床面積も1㎡あたりの改修費も最も大きい。

③ 補助金の制度:3件で使った制度が違う。社会福祉施設整備補助金は、保護施設、障害児入所施設等、障害福祉サービス事業所等を対象に、社会福祉法人等が施設を整備する場合、国が原則として整備費の1/2を、都道府県(指定都市・中核市を含む)が1/4を補助する。長岡市の障害者就労支援施設はこの補助金(事例集の表記では社会福祉施設等施設整備費補助金)を使った。西和賀町の小規模多機能ホームは介護の補助金を、四日市市はスポーツ振興くじ助成金を使っている。用途が決まったら、その用途に使える制度を先に確かめる。

住民合意形成の3パターン

住民組織型・大学コーディネート型・合議体型の使い分け

文科省事例集から、住民合意形成のプロセスとして3つのパターンが確認できる。

パターン1: 住民組織型(岩手県西和賀町)

町から閉校の方針が示されたあと、旧学区4行政区の代表者等による10回以上の検討で、廃校を活用して地域福祉に取り組むことが決まった。閉校前の2011年2月に地域住民の代表らがNPO法人を立ち上げ、2012年6月に事業を始めた。運営法人には介護事業を立ち上げた経験者がおらず、研修に力を入れて設立期を乗り切り、事業開始から8年余りで累積赤字を一掃した。

住民自身が運営主体になる形である。その分、NPO設立という組織化のコストと、長期の経営安定化を待てる体力が必要になる。

パターン2: 大学コーディネート型(新潟県長岡市)

長岡市は、学校の統合とそれに伴う廃校の活用が地域全体の重要な問題だったことから、市内の大学にコーディネートを依頼した。地域住民や教育関係者からなる4つの検討部会で各12回にわたる検討会を開いたほか、地域住民へのアンケートやホームページで意見を集め、学校の統合から廃校の活用までの検討を進めた。事業者は簡易評価型プロポーザルで選んだ。

利害関係が複雑な場合や、住民間で意見が対立しやすい場合に向いた進め方である。

パターン3: 合議体+オブザーバー型(三重県四日市市)

地域住民が廃校の活用方法を検討するために立ち上げた合議体に、市の職員がオブザーバーとして参加し、そこで把握した住民の声を活用方針に反映できるよう検討を進めた。住民が疑問に感じることには質疑応答や協議を重ね、市としての活用方針を決めた。

住民の議論の場を別に作り、決定は市が持つ形である。合議体の運営を支えるファシリテーターの役割が重要になる。

前提条件の整理

廃校活用の成否を分ける5つの前提条件と判断基準

廃校活用の成否を分ける5つの前提条件を整理する。

廃校が再び遊休化する4つのパターン。需要予測の誤り、改修費の過小評価、運営人材の不足、地域との関係の失敗。
改修前に需要、工事費、運営人材、地域との協力体制を確認する出典: 本記事の整理
前提条件確認すべき内容判断基準
建物の状態耐震性・アスベスト・設備の劣化度耐震診断の結果と、補強や法令に合わせる改修が要るか
改修費の見通し概算費用と財源用途に使える補助金の制度があるか(3事例でも制度が違う)
需要の有無活用分野に合った利用者・顧客の存在福祉は需要推計、観光は年間集客力
事業者の参入意欲で確認応募見込みがゼロなら手法を再検討
地域住民の合意母校への愛着と新用途への理解事前説明会・住民参加プロセスの設計

重要な視点:現存する廃校の校舎7,211件のうち、地域住民からの意向聴取を「実施していない」が3,580件(49.6%)ある。事例を読んで「何ができるか」のイメージを持つことは第一歩だが、それより先に「地域の住民が何を望み、どんな需要があるか」を丁寧に聴取するプロセスが、失敗を防ぐ最も確実な方法である。


47事例のデータは「何ができるか」のヒントを与えてくれるが、「うちの廃校でそれが成立するか」は別の問いである。まず必要なのは、建物の状態と地域の需要を正確に把握し、それに合った事業者を探すプロセスを設計することだ。

一般社団法人 社会構想デザイン機構(ISVD)は、構想段階の相談から事業化まで、無料で話を聞く窓口を設けている。

廃校×福祉施設の収支モデル

就労継続支援B型を例に、令和8年6月からの基本報酬の区分、工賃の決まり、施設費の差の出し方、3つの事例を載せた。

廃校の改修費:費目別の内訳と事例

構造・内装・設備・消防用設備・バリアフリーの費目ごとに、改修費の考え方と文部科学省の事例集の金額を整理した。

廃校活用の進め方:実態調査の数、活用用途を募集する廃校の一覧、財産処分の手続き、国の補助制度

実態調査の数と用途が決まらない理由、活用用途を募集する廃校の一覧、財産処分が報告で済む場合と国庫納付金が要らない場合、国庫補助制度の一覧

次にやること

廃校の活用事例を参考にする際は、費用と施設の条件を確認する。

順確認・検討すること担当・相談先
1想定している用途に近い事例を選ぶ記事の事例、公表資料
2事例の自治体に、改修費の決算額と補助金の内訳を照会する事例の自治体
3耐震診断とアスベスト調査の結果を確認する。未実施の場合は、調査の範囲と実施方法を検討する営繕担当
4財産処分に必要な手続きを確認する。国庫補助を受けた校舎は、活用方法と処分制限期間に応じて、文科省の承認申請または報告の要件を確認する教育委員会、文科省
5用途を公表する前に、卒業生や地域団体に活用方針を説明し、意見を聞く同窓会、自治会

他自治体の改修費を参考にする際は、建物の状態と工事の範囲を確認する。対象施設の予算は、その施設の調査結果と見積もりに基づいて検討する。


さらに詳しく

事例

神山町とグリーンバレー:人口と転入・転出、サテライトオフィスに使われた建物、旧神山中学校を寮にした高専

町の転入と転出、グリーンバレーの年表、空き家や蔵のサテライトオフィス、旧神山中学校を改修した高専の寮

事例

宗像市・旧大島学園

世界遺産の島の廃校活用事例

用途別

廃校×地域交流拠点

複合型コミュニティハブの運営モデル

統計

廃校活用の最新動向・統計【2026年版】

最新の廃校数・活用率の動向データ

地域別

東北の廃校活用

少子化先進地域の挑戦と成功事例

この記事で使った統計の出典

  1. 1文部科学省 令和6年度「廃校施設活用状況実態調査」(令和6年5月1日現在)(2025) 出典を開く
  2. 2文部科学省 令和6年度「廃校施設活用状況実態調査」(令和6年5月1日現在)公立学校の年度別廃校発生数(2025) 出典を開く
  3. 3文部科学省 令和6年度「廃校施設活用状況実態調査」(令和6年5月1日現在)地域住民からの意向聴取の状況(2025) 出典を開く
  4. 4文部科学省 令和6年度「廃校施設活用状況実態調査」(令和6年5月1日現在)主な活用用途(2025) 出典を開く
  5. 5文部科学省「廃校活用事例集 未来につなごう みんなの廃校プロジェクト」(令和5年3月)(2023) 出典を開く
  6. 6文部科学省「廃校活用事例集 未来につなごう みんなの廃校プロジェクト」(令和5年3月)事例1、25、35(2023) 出典を開く
  7. 7一般財団法人建設物価調査会「地域に愛された学校の活用を行政との協力によって実現」(建設物価2018年10月号)(2018) 出典を開く
  8. 8建築基準法(昭和25年法律第201号)第87条第1項・第6条第1項第1号(e-Gov法令検索) 出典を開く
  9. 9障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号)第188条、第200条(e-Gov法令検索)(e-Gov法令検索) 出典を開く
  10. 10文部科学省「廃校活用事例集 未来につなごう みんなの廃校プロジェクト」(令和5年3月)事例3、7(2023) 出典を開く
  11. 11文部科学省「廃校活用事例集 未来につなごう みんなの廃校プロジェクト」(令和5年3月)事例15(2023) 出典を開く
  12. 12文部科学省「廃校活用事例集 未来につなごう みんなの廃校プロジェクト」(令和5年3月)事例3(2023) 出典を開く
  13. 13文部科学省「廃校活用事例集 未来につなごう みんなの廃校プロジェクト」(令和5年3月)事例3、15、24(2023) 出典を開く
  14. 14厚生労働省「社会福祉施設の整備・運営」(2026年9月14日取得) 出典を開く
  15. 15文部科学省「廃校活用事例集 未来につなごう みんなの廃校プロジェクト」(令和5年3月)事例24(2023) 出典を開く

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記事を庁内資料・議会・勉強会・研究で引用するときは、記事名・公共0区(一般社団法人 社会構想デザイン機構)・URLを明記してください。

訂正の内容

  1. :廃校を福祉施設に転用する改修費を「新築比1/3〜1/2(㎡単価7〜10万円)」と書いていましたが、出典にあるのは夕張市の1件だけでした。

    訂正前
    改修費は新築比1/3〜1/2(㎡単価7〜10万円)に抑えられるケースが多い(要約・本文の2か所)/この記事に出てくる改修費の単価(平米単価・新築比)は、この記事が置いた前提である
    訂正後
    北海道夕張市の旧のぞみ小学校を養護老人ホームにした例で、旧校舎から転用した部分の最終的な契約金額は1億5,853万円、㎡単価は73,900円で、記事は新築の平均的な費用の1/3程度で済んだと書いている(建設物価2018年10月号)

    理由 建設物価調査会の記事が新築との比較を書いているのは夕張市の1件だけで、1/3〜1/2と7〜10万円はそこから広げた本記事の前提でした。「抑えられるケースが多い」を支える資料もありませんでした。出典の年も2023年でなく建設物価2018年10月号です。単価の前提を置かなくなったので、節の先頭の断り書きも外しました。

  2. :47事例を5分野で類型化したと書いていましたが、本文に分類を示しておらず、事例集で最も多い企業や法人等の施設が5分野に入っていませんでした。

    訂正前
    文科省事例集47件を福祉・教育・観光・コミュニティ・複合の5分野で類型化
    訂正後
    事例集が各事例に付けた活用用途で数えると、企業や法人等の施設が22件、宿泊施設6件、社会教育施設と体験交流施設が5件ずつ。47事例の一覧を載せ、分野に企業の事業所を加えて6分野にした

    理由 文部科学省「廃校活用事例集 未来につなごう みんなの廃校プロジェクト」(令和5年3月)の各事例のページにある活用用途を数えました。1つの事例に複数の用途が付いているので、合計は47を超えます。あわせてThreads投稿文の3位を直しました。調査の件数は企業等の施設・創業支援施設が1,207件、社会教育施設・文化施設が1,206件で、3位は企業等の施設・創業支援施設です。

  3. :3事例の改修費の表と補助金の説明に、事例集の記載と違うところがありました。

    訂正前
    四日市市の「事業者負担」約9億9,000万円、用途「認定こども園・子育て支援複合」/社会福祉施設等施設整備費補助金の説明に西和賀町の事例を使い、事業者負担はおよそ20%/1980年代以降の建築で耐震基準を満たす建物であれば4,000〜5,000万円台に収まるケースが多い/補助金で事業者負担は改修費の0〜1/4に圧縮できる可能性がある
    訂正後
    四日市市は市が転用した事例で、約9.9億円は自治体の負担。用途は子育て支援等複合施設。西和賀町が使った補助金は介護サービス施設等整備臨時特例事業費補助金と施設開設準備経費助成特別対策事業費補助金で、社会福祉施設等施設整備費補助金を使ったのは長岡市。表に建築年度、延床面積、補助金の名称を加えた

    理由 文部科学省の事例集の各事例のページで確かめました。4,000〜5,000万円台と0〜1/4は出典がありません。厚生労働省のページでは、社会福祉施設整備補助金は社会福祉法人等が施設を整備するときに国が整備費の1/2、都道府県が1/4を補助する制度で、改修費全体に対する事業者負担の割合を示したものではありません。

  4. :住民合意の3パターンのうち2つで、事例集の記載と違う書き方をしていました。

    訂正前
    長岡市は市内大学に中立的なコーディネーターとしての役割を依頼し、4つの検討部会を各12回(計48回)開催した上で住民アンケートを実施/四日市市は地域住民が主体の合議体を設置し、市職員はオブザーバーに徹する形式。「住民が決める」という形式が合意の正統性を高める
    訂正後
    長岡市は市内の大学にコーディネートを依頼し、地域住民や教育関係者からなる4つの検討部会で各12回の検討会を開いたほか、アンケートやホームページで意見を集めた。四日市市は地域住民が立ち上げた合議体に市の職員がオブザーバーとして参加し、そこで把握した声を反映しながら、市として活用方針を決めた

    理由 四日市市で活用方針を決めたのは市で、「住民が決める」形式ではありませんでした。長岡市の「計48回」は掛け算で、アンケートを検討部会のあとに実施したという順序も事例集に書かれていません。西和賀町の見出し「多段階説明会型」も、検討の中身に合わせて「住民組織型」にしました。

  5. :福祉施設の設備の面積と、需要と供給、年度別の廃校数、無料相談の範囲について、出典の無い記述を直しました。

    訂正前
    就労継続支援B型の定員20名の活動室として必要な面積(30㎡以上)/障害福祉サービスの需要は全国的に増加しており、特に地方では施設の供給不足が深刻である/少子化の進行に伴い、この数字は今後も増加が続く見込みだ/廃校の現況調査から活用分野の選定、事業者選定の設計まで一貫した無料相談を実施している
    訂正後
    訓練・作業室は「訓練又は作業に支障がない広さを有すること」(指定基準第188条、第200条でB型に準用)で、面積の数字は無い/需要と供給不足の記述は外した/年度別では2016年度以降は一度も450校に達しておらず、2023年度は298校/構想段階の相談から事業化まで、無料で話を聞く窓口を設けている

    理由 30㎡は省令にありませんでした。需要の増加と供給不足、「大規模な改修なしに転用できるケースが多い」、教室の広さは、裏付けの資料を示していませんでした。累計は閉校が続く限り増えますが、年度別の数は2016年度以降減っています。無料相談は、サイトの相談ページの書き方に合わせました。

  6. :福祉施設への転用が「増えている」と書いていましたが、文部科学省の実態調査では前回調査の774件に対して今回735件で、増えていませんでした。

    訂正前
    見出し「福祉施設への転用が増えている理由」/近年、廃校の活用先として福祉施設(特に障害福祉)への関心が高まっている
    訂正後
    見出し「福祉施設への転用が選ばれる理由」/福祉施設・医療施設等への活用は735件(7.1%)で、前回調査の774件を下回る。障害者福祉施設は177件で、前回の176件とほぼ同じ

    理由 文部科学省「令和6年度 廃校施設活用状況実態調査」の主な活用用途は、校舎と屋内運動場を別に数えた複数回答です。福祉施設・医療施設等は今回735件、参考として載っている前回調査(令和3年5月1日現在)は774件でした。障害者福祉施設は177件と176件です。前回と今回で対象の年度の範囲が違う(前回は平成14年度から令和2年度、今回は平成16年度から令和5年度)ため単純な増減は言えませんが、増えているとは読めません。「関心が高まっている」にも裏付けの資料を示していなかったため、調査の件数に置き換えました。3つの背景は、福祉転用が選ばれる理由として残しています。

  7. :「次にやること」の表で、財産処分の手続きがいつも承認を要するように読める書き方でした。

    訂正前
    国庫補助を受けた校舎は文科省の承認が要る
    訂正後
    国庫補助を受けた校舎を処分制限期間内に学校以外に使うときは文科省の承認が要る(要件を満たせば報告で済む)

    理由 文部科学省の財産処分手続のページは、処分制限期間内に学校教育以外の用途で使うときに承認と国庫納付が要り、一定の要件を満たせば国庫納付をせず報告書の提出で済むとしています。報告で済む場合を落としていました。

  8. :関連記事の紹介文で、施設費の削減額を公表された数字のように書いていました。

    訂正前
    収支モデルの記事の紹介文「施設費を月15〜35万円削減。就労継続支援B型20名規模の月次収支シミュレーション3シナリオを詳解。」
    訂正後
    「就労継続支援B型を例に、令和8年6月からの基本報酬の区分、工賃の決まり、施設費の差の出し方、3つの事例を載せた。」

    理由 月15〜35万円は収支モデルの記事が置いた前提から出した差で、公表された資料の数字ではありませんでした。その記事も同じ日に書き直したので、紹介文を今の中身に合わせています。

  9. :目次の説明で、活用率74.4%の母数を累計の閉校数と書いていました。

    訂正前
    累計8,850校のうち活用済みは74.4%
    訂正後
    累計8,850校が閉校し、現存する7,612校のうち活用済みは74.4%

    理由 74.4%は現存する廃校施設7,612校を母数とする割合です。累計の閉校数8,850校を母数にすると63.9%になり、数字が合いません。

  10. :活用用途の割合を「活用済み5,661校の分野別内訳」として載せていましたが、文科省の集計は複数回答の件数で、校数の内訳ではありませんでした。数字も調査と一致していませんでした。

    訂正前
    社会体育施設20.7%・社会教育施設16.1%・福祉施設12.3%・庁舎等10.4%・企業等の施設9.8%・体験交流施設7.5%・その他23.2%
    訂正後
    学校(大学を除く)4,191件40.5%・社会体育施設1,693件16.4%・企業等の施設・創業支援施設1,207件11.7%・社会教育施設・文化施設1,206件11.7%・福祉施設・医療施設等735件7.1%ほか。複数回答であり校数の内訳ではないことを明記

    理由 文部科学省「令和6年度 廃校施設活用状況実態調査」の主な活用用途は、校舎と屋内運動場を別に数えた件数の複数回答です。掲載していた7項目はいずれも調査の数字と一致せず、最多の「学校(大学を除く)40.5%」が抜けていました。同じ論点は当サイトの別記事で2026年8月29日に訂正済みでしたが、本記事に反映できていませんでした。

  11. :「住民意向聴取を実施していない自治体が約50%」と書いていましたが、49.6%は自治体の割合ではなく廃校の校舎の割合で、未活用の廃校に限った数字でもありませんでした。

    訂正前
    未活用廃校の約50%が「住民意向聴取を実施していない」/「住民意向聴取を実施していない」自治体が約50%に達している
    訂正後
    現存する廃校の校舎7,211件のうち、意向聴取を実施していないものが3,580件(49.6%)。未活用の廃校に限った数字ではないことを明記

    理由 同調査の「地域住民からの意向聴取の状況」は、校舎7,211件・屋内運動場7,144件を母数とする複数回答です。7,211は現存廃校7,612校にほぼ相当し、活用が決まったものも含みます。単位は校舎で、自治体ではありません。これに伴い「活用できないのではなく、活用を探索するプロセスを踏んでいないケースが大半」という記述も削除しました。廃校全体の数字では、この主張は支えられません。

  12. :用途が決まらない理由の割合に母数を書いていませんでした。

    訂正前
    その理由として、「地域等からの要望がない(41.5%)」と「建物が老朽化(41.4%)」が上位に並ぶ
    訂正後
    校舎について聞いた複数回答(n=2,177)で、903件(41.5%)と902件(41.4%)

    理由 母数を書かないと、用途が決まっていない廃校1,503校に対する割合と読めます。実際の母数は校舎2,177件です。

この記事の用語

サウンディング型市場調査
公有資産の活用にあたり、公募前に民間事業者の意見・アイデアを聞く対話型の市場調査。事業の実現可能性や条件設定の妥当性を事前に検証する目的で実施される。
スモールコンセッション
地方公共団体が所有する空き家・廃校等の遊休不動産について、民間の創意工夫を活かした小規模(事業費10億円未満程度)なPPP/PFI事業を行う取組み。2024年に国交省がプラットフォームを設立。
指定管理者制度
地方自治法第244条の2に基づき、公の施設の管理を民間事業者やNPO等に委ねる制度。2003年の法改正で導入。総務省の調査(令和6年4月1日現在、79,332施設)では指定期間は5年が77.1%、3年が10.9%、10年以上は5.7%で、この期間の短さが長期投資を妨げる課題として挙げられる。

ご自身の案件で確認すること

  • あなたの自治体の廃校は、6分野のどれに最も適しているか?
  • 廃校の周辺に、活用分野に合った需要(利用者・顧客)は存在するか?
  • 改修費の概算と財源の見通しは立っているか?

YOUR PROJECT

一般論から、個別の条件へ。

対象施設や公募条件に合わせて、調査・方針整理・対話・提案準備をご相談いただけます。初回は状況と対応範囲を確認し、個別業務は事前にお見積もりします。

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