廃校を児童福祉施設に使うときに確かめること
子ども向けの転用の件数、教室の面積から出す人数、保育室等を置く階、用途変更の確認、財産処分
満2歳以上の幼児1人あたりに要る保育室又は遊戯室の面積
1.98㎡以上
乳児又は満2歳に満たない幼児の乳児室は1.65㎡以上、ほふく室は3.3㎡以上(「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」第32条)
放課後児童クラブの専用区画で児童1人あたりに要る面積(おおむね)
1.65㎡以上
「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」第9条第2項
保育所の整備費のうち設置主体が負う割合
1/4
就学前教育・保育施設整備交付金。原則は国1/2・市区町村1/4、嵩上げでは国2/3・市区町村1/12。設置主体の1/4はどちらでも同じ(令和8年度の予算資料)
保育施設への転用は68件、放課後児童クラブは124件、認定こども園は37件、保育所を除く児童福祉施設は72件である。前回調査はそれぞれ67件・127件・40件・66件で、合計では増えていない。社会体育施設1,693件、社会教育施設・文化施設1,206件と比べると桁が違う。子ども向けの転用は、まだ数の少ない領域である。
教室を保育室や放課後児童クラブに直す前に、次の4つを確かめる。並べ方は本記事の整理である。
- 教室ごとの実測面積を、保育室又は遊戯室なら1.98㎡、乳児室なら1.65㎡、ほふく室なら3.3㎡、放課後児童クラブの専用区画なら1.65㎡で割り、何人分になるかを出す。基準の数字は次の節と「学童保育への転用」の節にある。
- 保育室等を何階に置くか。2階以上に置くなら、建物が第32条第8号の要件に当てはまるかを見る(次の節の表)。
- 建築基準法の用途変更の確認が要るか。
- 国庫補助を受けて建てた校舎なら、財産処分の手続き(「次にやること」の表)。
この記事の面積と人数は国の省令の数字である。児童福祉施設の設備及び運営の基準は都道府県が条例で定め、職員の数や居室の床面積などは内閣府令で定める基準に従い、その他の事項は参酌する。放課後児童健全育成事業の設備及び運営の基準は市町村が条例で定め、内閣府令で定める基準を参酌する。自分の施設にかかる数字は、施設のある都道府県等と市町村の条例で確かめる。
用途変更について、建物の用途を変えて、別表第一(い)欄の用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が200㎡を超えるものにする場合は、確認の手続きの規定が準用される。用途の変更が政令で指定する類似の用途相互間のものである場合は除かれる。学校と、保育所などの児童福祉施設等がこの類似の用途に当たらないことは、廃校の用途変更と建築基準法の記事で条文ごとに書いた。
保育所への転用:設備の基準と改修
第32条の部屋と面積、保育室等を2階以上に置く建物の要件、給食の特例、三原市の事例
設備の基準(第32条)
乳児又は満2歳に満たない幼児を入所させる保育所には、乳児室又はほふく室、医務室、調理室及び便所を設ける。満2歳以上の幼児を入所させる保育所には、保育室又は遊戯室、屋外遊戯場(保育所の付近にある屋外遊戯場に代わるべき場所を含む)、調理室及び便所を設ける。部屋ごとの決まりは次のとおり。
| 部屋 | 誰を入所させるとき | 決まり |
|---|---|---|
| 乳児室 | 乳児又は満2歳に満たない幼児 | 1人につき1.65㎡以上 |
| ほふく室 | 乳児又は満2歳に満たない幼児 | 1人につき3.3㎡以上 |
| 保育室又は遊戯室 | 満2歳以上の幼児 | 1人につき1.98㎡以上 |
| 屋外遊戯場(付近にある代わりの場所を含む) | 満2歳以上の幼児 | 1人につき3.3㎡以上 |
| 医務室 | 乳児又は満2歳に満たない幼児 | 設ける(第32条に面積の定めは無い) |
| 調理室、便所 | どちらの場合も | 設ける |
乳児室、ほふく室、保育室、遊戯室には、保育に必要な用具を備える(第4号・第7号)。採光と換気は保育所だけの決まりではなく、児童福祉施設の構造設備は、採光、換気等入所している者の保健衛生及びこれらの者に対する危害防止に十分な考慮を払って設けなければならないという一般原則にある。
保育室等を2階以上に置く建物
乳児室、ほふく室、保育室又は遊戯室(保育室等)を2階に設ける建物はイ、ロ及びヘの要件に、保育室等を3階以上に設ける建物はイからチまでの要件に当てはまるものでなければならない。
| 第8号の記号 | 要件 | 2階 | 3階以上 |
|---|---|---|---|
| イ | 耐火建築物又は準耐火建築物(3階以上は耐火建築物) | かかる | かかる |
| ロ | 階ごとに、常用と避難用の階段などを1つ以上。2階の避難用は、決まった構造の屋内階段、待避上有効なバルコニー、準耐火構造の屋外傾斜路又はこれに準ずる設備、屋外階段のどれか | かかる | かかる |
| ハ | ロの施設や設備を避難上有効な位置に置き、保育室等の各部分からの歩行距離を30m以下にする | かからない | かかる |
| ニ | 調理室とそれ以外の部分を、耐火構造の床や壁、特定防火設備で区画する。スプリンクラー設備など自動式のもの、又は自動消火装置と延焼を防ぐ措置があれば除く | かからない | かかる |
| ホ | 壁と天井の室内に面する部分の仕上げを不燃材料にする | かからない | かかる |
| ヘ | 乳幼児が出入りし、通る場所に、転落事故を防ぐ設備を置く | かかる | かかる |
| ト | 非常警報器具又は非常警報設備と、消防機関へ火災を通報する設備を置く | かからない | かかる |
| チ | カーテン、敷物、建具などで燃えやすいものに防炎処理をする | かからない | かかる |
校舎がこの要件に当てはまるかは、建物ごとに違う。建築年や構造の種類だけで決めず、設計図と現地を見て、建築士と、保育所の認可を扱う都道府県等の担当に確かめる。
給食は園内の調理が原則、満3歳以上の幼児には搬入の特例
児童福祉施設で入所している者に食事を提供するときは、その施設内で調理する方法で行う。保育所は、決まった要件を満たせば、満3歳以上の幼児の食事を保育所外で調理し搬入する方法で行える。その場合も、保育所で行うことが必要な調理のための加熱、保存等の調理機能を持つ設備を備える。要件には、食事の提供の責任が保育所にあり、管理者が衛生面や栄養面の注意を果たせる体制と、調理業務の受託者との契約内容があることや、栄養士又は管理栄養士による必要な配慮が行われることが並ぶ。特例は満3歳以上の幼児に限られるので、満3歳未満の子どもの食事は園内で調理する。
改修で手を入れるところ
省令から直接出てくる工事は次のとおり。
- 保育室等を2階以上に置くなら、上の表の要件(避難用の階段など、転落を防ぐ設備、3階以上は調理室の区画・内装・警報・防炎処理)
- 部屋ごとの面積と、保育に必要な用具
- 乳児又は満2歳に満たない幼児を入所させるなら医務室、どちらの場合も調理室と便所
省令の要件ではないが、子どもが使う部屋に直すときに本記事が挙げる項目は、子ども用の便器と手洗いの高さ、午睡と調乳の場所、窓の開き幅の制限、コンセントのカバー、柱や机の角の保護、部屋ごとの空調である。
事例:三原市の旧久井南小学校(認定こども園)
広島県三原市では、2013年3月に旧久井南小学校など小学校4校が閉校して久井小学校に統合し、市内の2つの保育所と1つの幼稚園も2014年3月に閉園して、新たに認定こども園を設置する計画になっていた。必要となる施設規模、閉園となる保育所等との距離関係、水道整備のための水源確保という3つの条件を満たせる旧久井南小学校を設置場所に決め、2013年度中に改修して、2014年4月に久井認定こども園を開園した。建築年度は1976年度、施設の規模は1,570.92㎡。改修費用は総額約3億2,300万円で、うち自治体負担額が約3億1,800万円、補助金額が約500万円。活用した補助金等には、ひろしまの森づくり事業費交付金(広島県)と児童福祉施設整備債(三原市)が挙がっている。
三原市は、廃校を使うことで新築と比べて施設整備に係る初期投資が安価で済み、改修工事に早期に着手できることを利点に挙げている。一方で、開園までに改修等に充てられる期間が実質1年しかなく、関係部署が連携して備品の仕様書作成、入札準備、契約締結等を行ったうえで改修し、予定どおりに開園した。地元の保育所・幼稚園の利用者や議会への説明を行い、必要となる条例改正も行っている。
学童保育への転用
専用区画の面積と職員の数、学校施設の活用についての通知、西海市の事例
放課後児童クラブの基準
放課後児童健全育成事業所には、遊び及び生活の場としての機能並びに静養するための機能を備えた専用区画を設け、その面積は児童1人につきおおむね1.65㎡以上とする。放課後児童支援員は支援の単位ごとに2人以上置き、そのうち1人を除いて補助員に代えることができる。1つの支援の単位を構成する児童の数は、おおむね40人以下とする。廃校で使うときは、次の表の順に確かめる。
| 項目 | 省令の決まり | 廃校で確かめること |
|---|---|---|
| 専用区画 | 児童1人につきおおむね1.65㎡以上(第9条第2項) | 教室の実測面積を1.65㎡で割った人数と、登録を見込む人数 |
| 専用に使う時間 | 開所している時間帯は専らその事業に使う。利用者の支援に支障がない場合は除く(第9条第3項) | 同じ部屋を地域の行事などにも使うなら、開所の時間と重ならないか |
| 衛生と安全 | 専用区画と設備、備品は衛生及び安全が確保されたもの(第9条第4項) | 窓、階段、遊具、トイレ |
| 支援の単位 | 1つの単位はおおむね40人以下(第10条第4項) | 見込む人数が多ければ単位を分け、単位ごとに職員を置く |
| 職員 | 支援の単位ごとに放課後児童支援員2人以上。1人を除き補助員でもよい(第10条第2項) | 支援の単位の数と、配置できる放課後児童支援員の数 |
学校施設の活用についての通知
通知は、学校の統廃合に伴って生じた廃校施設について、地域の実情やニーズを踏まえたうえで、放課後児童クラブに活用することも考えられるとしている。国庫補助を受けて整備された学校施設を転用して財産処分手続が必要になる場合も、令和2年12月9日付けの文部科学省の通知で、国庫補助事業完了後10年以上経過した建物等の無償による財産処分は相手先を問わず国庫納付金を不要とするなど、手続きを大幅に弾力化していると書く。一時的な利用の場合は、財産処分手続は不要としている。
事例:西海市の旧松島小学校(放課後児童クラブ)
長崎県西海市では、2014年3月末に閉校した旧松島小学校の図工室を、社会福祉法人うずしお福祉会が有償貸与を受けて、放課後児童クラブ「松島っ子クラブ あこう樹」の活動拠点にしている。活用開始は2021年度、建築年度は1995年度、施設の規模は166㎡。改修費用は総額約814万円で、うち自治体負担額が約814万円。活用した補助金等は西海市放課後児童健全育成事業費補助金(西海市)である。
それまで子どもたちは本土の学校に通い、放課後も本土の学童クラブで過ごしていたので、急に天候が悪化したときの船に不安があった。島内に学童クラブができて放課後は島に帰ってくるので安心感がある、という声が保護者から聞かれるとしている。
活用できる補助金
就学前教育・保育施設整備交付金、保育所等改修費等支援事業、子ども・子育て支援施設整備交付金、放課後子ども環境整備事業、障害児の施設の補助
補助の名前と割合は年度で変わる。文部科学省の令和8年4月現在の一覧では、保育所等と小規模保育事業所等の欄に就学前教育・保育施設整備交付金と保育対策総合支援事業費補助金、放課後児童クラブの欄に放課後子ども環境整備事業、保育所を除く児童福祉施設等の欄に次世代育成支援対策施設整備交付金が並び、所管官庁はどれもこども家庭庁である。以下は、こども家庭庁の令和8年度の予算資料に書かれた内容である。
就学前教育・保育施設整備交付金(保育所の整備)
市区町村が策定する整備計画等に基づき、保育所、認定こども園及び小規模保育事業所等の施設整備事業などに要する経費に充てるため、市区町村等に交付金を交付する。事業の目的には、保育所等の新設、修理、改造又は整備に要する経費等の補助が挙がる。対象事業の一覧で、保育所整備事業には【私立】と付いている。
| 項目 | 予算資料の記載 |
|---|---|
| 実施主体 | 市区町村(公立認定こども園は都道府県・市区町村) |
| 設置主体(私立保育所) | 社会福祉法人、日本赤十字社、公益社団法人、公益財団法人、学校法人。「実施計画」の採択を受けている場合は「市町村が認めた者(公立施設を除く)」も設置主体にできる |
| 補助割合(原則) | 国1/2、市区町村1/4、設置主体1/4 |
| 嵩上げしたとき | 国2/3、市区町村1/12、設置主体1/4 |
| 嵩上げの条件(待機児童対策) | 待機児童が10人以上見込まれる市区町村(実施計画の採択が必要)で、財政力指数が1.0未満の市町村かつ20人以上の定員増加に必要な整備であること等 |
| 嵩上げの条件(人口減少対策) | 過疎市町村のうち、保育ニーズの減少が見込まれる市区町村(実施計画の採択が必要)で、施設の統廃合や多機能化等に伴う整備であること等 |
嵩上げで減るのは市区町村の負担で、設置主体の1/4は変わらない。廃校の転用で嵩上げを使いたいなら、市区町村が保育提供体制の確保のための実施計画の採択を受けているかを、先に保育の担当課に聞く。
建物を借りて保育所を開く場合の改修費(保育所等改修費等支援事業)
保育対策総合支援事業費補助金の保育所等改修費等支援事業は、賃貸物件を活用して保育所等を設置する際などに要する改修費等の一部を補助する。実施主体は市区町村。賃貸物件による保育所等改修費等支援事業の令和8年度の補助基準額は、新設または定員拡大で1施設当たり、利用(増加)定員19名以下が19,968千円、20名以上59名以下が35,942千円、60名以上が73,216千円、老朽化対応が35,942千円。補助割合は国1/2・市区町村1/4・設置主体1/4で、嵩上げは国2/3・市区町村1/12・設置主体1/4。見直しとして、「定期借家契約」の賃貸物件は補助の対象外とすると書かれている。
廃校を市区町村から借りて保育所を開くなら、その契約がこの事業の賃貸物件に当たるか、定期借家契約でないかを、市区町村の保育の担当課に確かめる。
子ども・子育て支援施設整備交付金(放課後児童クラブの整備)
市町村の整備計画(市町村こども計画等)に基づく放課後児童クラブの施設整備等に要する経費の一部を補助する。設置主体は市町村、社会福祉法人、学校法人、市町村が認めた者等。放課後児童クラブの待機児童が発生している場合の嵩上げは令和8年度も続き、公立の嵩上げの対象は財政力指数1未満の自治体又は原則の補助率で算出した国庫補助額が1億円を超えない自治体とされている。
| 設置 | 原則 | 待機児童が発生している場合の嵩上げ |
|---|---|---|
| 公立 | 国1/3、都道府県1/3、市町村1/3 | 国2/3、都道府県1/6、市町村1/6 |
| 民立 | 国2/9、都道府県2/9、市町村2/9、社会福祉法人等1/3 | 国1/2、都道府県1/8、市町村1/8、社会福祉法人等1/4 |
既存の建物を改修して放課後児童クラブを始める場合(放課後子ども環境整備事業)
放課後子ども環境整備事業は、既存施設を活用して新たに放課後児童クラブを実施するための改修等に必要な経費に対する補助で、子ども・子育て支援交付金で実施する。令和5年8月の通知に付いた資料では、放課後児童クラブ設置促進事業の補助基準額は1事業所あたり年額12,000,000〜13,000,000円(条件により異なる)で、実施主体は市町村(市町村が適切と認めた者に委託等を行うことができる)だった。額は年度で変わるので、今年度の額は市町村の担当課に確かめる。
児童発達支援・放課後等デイサービスの場合
社会福祉施設整備補助金の対象施設には、児童福祉施設として「児童福祉法第7条に基づく障害児入所施設等」、障害者施設として「障害者総合支援法第5条に基づく障害福祉サービス事業所等」が挙がる。社会福祉法人等が施設を整備する場合、国は原則として整備費の1/2を補助し、都道府県(指定都市・中核市を含む)は1/4を補助する。
児童福祉法で児童福祉施設とされるのは、保育所、障害児入所施設、児童発達支援センターなどで(第7条)、児童発達支援と放課後等デイサービスは障害児通所支援として別の条に定められている(第6条の2の2)。児童発達支援センターでない児童発達支援の事業所や放課後等デイサービスの事業所が、この補助や次世代育成支援対策施設整備交付金の対象になるかは、上のページと一覧からは読み取れない。都道府県の担当課に確かめる。
収支の組み立て方
私立保育所の委託費と公定価格の単価の区分、保育士の数、放課後児童クラブの運営費の負担の考え方
私立保育所には市町村から委託費が支払われる
市町村は、保育認定子どもが都道府県及び市町村以外の者が設置する保育所から保育を受けた場合、内閣総理大臣が定める基準により算定した費用の額に相当する額を、その保育所に委託費として支払う。保育費用を支払った市町村の長は、保護者又は扶養義務者から、家計に与える影響を考慮して年齢等に応じて定める額を徴収する。
私立保育所の運営に要する費用は市町村からの委託費として支給され、公定価格の基本分単価は事務費(人件費、管理費)と事業費からなる。基本分単価に含まれる管理費は、定員区分、保育必要量区分(保育標準時間・保育短時間)、年齢区分(乳児、1・2歳児、3歳児、4歳以上児)ごとに示され、人件費(年額)は地域手当が地域区分ごとに異なるので地域区分別に算出している。その他の加算の管理費関係には、減価償却費加算、賃借料加算、冷暖房費加算、除雪費加算などが並ぶ。
人件費の元になる保育士の数は、省令で決まっている。
保育所には保育士、嘱託医及び調理員を置く(調理業務の全部を委託する施設は調理員を置かないことができる)。保育士の数は、乳児おおむね3人につき1人以上、満1歳以上満3歳に満たない幼児おおむね6人につき1人以上、満3歳以上満4歳に満たない幼児おおむね15人につき1人以上、満4歳以上の幼児おおむね25人につき1人以上とし、保育所1つにつき2人を下ることはできない。
委託費の見込みは、次の順に出す。
- 定員を、年齢区分(乳児、1・2歳児、3歳児、4歳以上児)と保育必要量区分に分けて見込む。
- 施設のある市町村の地域区分を確かめる。
- こども家庭庁の子ども・子育て支援制度(外部サイト、新しいタブで開きます)のページの「公定価格に関する情報」から今年度の公定価格単価表をたどり(告示本文と単価表は政省令のページに載っている)、区分ごとの単価を引く。
- 加算の要件を市町村に確かめる。加算の一覧には減価償却費加算と賃借料加算が並んでいるので、廃校を借りるか自分で整備するかに合わせて、当てはまる加算を聞く。
- 支出の人件費は、上の保育士の数から積む。
放課後児童クラブの運営費
放課後児童健全育成事業(運営費)は子ども・子育て支援交付金で実施し、運営費(基本分)の負担の考え方は、保護者1/2、国1/6、都道府県1/6、市町村1/6と示されている。実施主体は市町村(特別区を含む)で、市町村が適切と認めた者に委託等を行うことができる。事業者として受けるなら、市町村から受け取る委託料又は補助金の額と、保護者から集める利用料の額を、市町村の要綱と契約で確かめる。
校庭と余った教室の使い方
三原市・西海市・四日市市が校庭・体育館・余った階をどう使っているか
屋外遊戯場は満2歳以上の幼児1人につき3.3㎡以上で、保育所の付近にある代わりの場所を含む(第32条)。校庭を園庭にするときも、この面積から数える。事例集の3つの市は、校庭と体育館と余った階を次のように使っている。
三原市の久井認定こども園では、駐車場や校庭・プール等も、園児用に改修は必要だったが引き続き使えており、校庭をそのまま使った広い園庭で大人数でのびのび遊べている。敷地内には地域住民の利用頻度の高い体育館も併設している。一時保育や子育て支援センターとして、園児に限らず地域の乳幼児の成長を支援している。
西海市の放課後児童クラブは、児童の遊び場として校庭を、雨の日の活動に体育館を使い、草刈りや体育館の掃除など、できる範囲で維持管理している。廃校が荒れ放題になるのを防ぐ効果もあるとしている。
三重県四日市市は、旧東橋北小学校(建築年度1992年度、約6,315㎡)を市が転用し、2017年度から橋北交流会館として使っている。土日祝日も使える「こども子育て交流プラザ」と、子育て支援センターを備えた「橋北こども園」などからなる複合施設で、地域にあった幼稚園、保育園、児童館等が抱えていたスペースの不足や老朽化などの課題を、廃校に機能を集めて解決したとしている。4階の「こども子育て交流プラザ」は市内全域を対象に毎日開館している。改修費用は総額約10億円で、うち自治体負担額が約9.9億円、補助金額が約1,000万円(スポーツ振興くじ助成金)。
福祉事業者のための廃校活用ガイド
地方自治法の貸付と譲渡の決まり、事例集47事例の契約の形、整備費の補助、指定基準と事例
廃校活用で使える補助金6省庁分まとめ
文部科学省の令和8年4月現在の一覧と各省の資料で、補助の割合と申請できる団体を整理した記事
次にやること
この記事を読んだあと、その週のうちに動かせる順に並べる。
| 順 | やること | どこで | 目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 入居予定者を1者でも先に見つける。用途を決めてから探すのではなく、借りる人を決めてから用途を決める | サウンディング、地元事業者 | 1〜3か月 |
| 2 | 市区町村の保育と放課後児童クラブの担当課に、待機児童の見込みと、保育提供体制の確保のための実施計画の採択を受けているかを聞く | 市区町村の担当課 | 2週間 |
| 3 | 耐震診断とアスベスト調査の結果を出す。無ければ先に実施する | 営繕担当 | 2〜3か月 |
| 4 | 3を踏まえた改修費の概算を取る。保育室等を置く階の要件(第32条第8号)と、解体費も同時に出して比べる | 設計事務所 | 1か月 |
| 5 | 財産処分の手続きを確認する。国庫補助を受けた校舎を処分制限期間内に学校以外に使うときは文科省の承認が要る(要件を満たせば報告で済む) | 教育委員会、文科省 | 1〜2か月 |
| 6 | 用途を公表する前に、卒業生・地域団体に説明の場を持つ | 同窓会、自治会 | 1か月 |
1を飛ばすと、用途だけ決まって借り手が現れない状態になる。
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