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ARTICLE · Park-PFI

Park-PFI 2025年採択動向レビュー:地方都市の活用パターン分類

国土交通省「都市公園におけるPark-PFI制度活用」2025年動向。令和6年度に21箇所・令和7年度に23箇所が活用を開始、令和7年5月のガイドライン改正、地方都市の採択パターンと公募不調の構造分析。VFM不要のスモールコンセッション類型との接続まで整理する。

この記事の要点

  • 国土交通省が年度別に公表している活用箇所数は、令和5年度29・令和6年度21・令和7年度23。令和7年度末時点の累計は203箇所で、ほかに187箇所が活用を検討中
  • 2025年に動いた案件は佐賀市神野公園・国営讃岐まんのう公園・川崎市多摩川見晴らし公園・岡山市烏城公園・大阪府箕面公園他5公園など、地方都市と国営公園・広域パッケージへの広がりが目立つ
  • Park-PFIとスモールコンセッションは制度上の住み分けがありつつ、令和7年5月ガイドライン改正で連携可能性が明文化された。VFM算定不要・行政負担最小化を共通設計とする運用が地方都市の入り口になる
対象読者・読む前に確認したいこと

こんな方に

  • Park-PFIの導入を検討中・調査中の地方都市の公園所管・公有資産部局担当者
  • PPP/PFI推進部局・行政改革部局で公共資産活用の全体設計を担う担当者
  • Park-PFI事業への参入を検討する設計事務所・地元事業者・コンサルタント

前提となる知識

  • Park-PFI制度の基本([Park-PFIとは?仕組み・メリット・事例ゼロから解説](/park-pfi-what-is)を参照)
この記事の内容

Park-PFI制度のおさらい

都市公園法第5条の2に基づく公募設置等指針・認定計画・設置管理許可特例の3点セット

ここから先の単価と金額は、この記事が置いた前提である。公表された統計ではない。施設の状態・地域・業態で大きく変わるので、自分の案件では見積書と近隣の実績に置き換えて使う。

Park-PFIの活用箇所数

203箇所

国土交通省 令和8年3月31日時点

同時点で活用を検討中

187箇所

認定計画における設置管理許可の最長期間(通常10年の特例)

20年

建ぺい率の特例上限(原則2%に対し最大10%上乗せ可)

12%

この上乗せの10%は、休養施設等と合わせての10%である。それぞれに10%が付くわけではない。すでに休養施設や運動施設で建蔽率が12%に達している公園には、Park-PFI で便益施設を新設できない(ガイドライン 2.3)。

Park-PFI の3つの特例。設置管理許可の期間は原則最長10年のところ最長20年、建蔽率は原則2%のところ最大12%、占用物件に自転車駐車場と催し物情報の看板・広告塔が加わる。
建蔽率の10%は休養施設等と合わせての10%。すでに12%に達している公園では便益施設を新設できない出典: 国土交通省 都市局「都市公園の質の向上に向けた Park-PFI 活用ガイドライン」(令和7年5月改正版)2.3

は、2017年(平成29年)の都市公園法改正で創設された制度である。根拠条文は都市公園法第5条の2であり、公園管理者が公募によって設置等予定者を選定する仕組みを定めている。制度の中核は3点で構成される。

第一に、公募設置等指針である。公園管理者が公募に先立って公示する法定文書であり、対象公園の範囲・公募対象公園施設の種類・設置管理許可期間の上限・建ぺい率特例の上限・収益施設の収益還元の方針などを示す。第二に、認定計画である。応募者が公募設置等指針に基づいて作成する計画書であり、選定後に公園管理者が認定する。第三に、設置管理許可の特例である。認定計画に基づく設置管理許可は、通常10年が上限のところを最長20年まで延長でき、建ぺい率も原則2%に対し最大10%上乗せできる。

整理すると、Park-PFIは「収益施設の設置・運営を行う民間事業者を、公募で選定し、長期の許可を与える」仕組みである。が公園全体の管理運営権限を民間に委ねる手法であるのに対し、Park-PFIは収益施設の設置と運営の部分に焦点を絞る点に違いがある。

→ 制度の基本構造ととの比較はPark-PFIとは?仕組み・メリット・事例ゼロから解説で詳しく整理している。


2025年度の採択・公募動向

年度別の活用箇所数と累計203箇所、2025年に動いた案件の地域・業態構成、政令市と地方都市の比率変化

全国統計の推移

Park-PFIは令和7年度末時点で203箇所、そのほか187箇所が活用を検討中である。活用が始まった年度の内訳は、平成29年度4・平成30年度17・令和元年度22・令和2年度23・令和3年度34・令和4年度30・令和5年度29・令和6年度21・令和7年度23。令和3年度の34箇所を山として、以降は年20〜30箇所で推移している。国土交通省がいま公開しているのはこの資料だけで、年度途中の時点の箇所数は出ていない。

都道府県別では東京都18箇所、福岡県17箇所、神奈川県14箇所、愛知県13箇所、大阪府13箇所が多い。同じ一覧に公園管理者の名前は載っているが、人口規模の欄はない。何自治体が使っているか、規模ごとに何箇所かを集計した資料は公表されていない。

2025年に動いた案件(公募中・サウンディング中・新規開業)

2025年(令和7年)に確認できる主な動きを、PPnetなど公開情報から整理する。

整備・管理運営型として公募中の案件:

自治体公園動き
佐賀市神野公園令和8年6月公募開始
国土交通省 四国地方整備局国営讃岐まんのう公園特定運営事業として公募
川崎市多摩川見晴らし公園整備・管理運営事業者の選定
岡山市烏城公園石山地区令和8年4月公募予定
大阪府箕面公園他5公園令和9年4月業務開始予定の広域パッケージ

官民連携可能性調査・サウンディング段階の案件:

自治体公園動き
徳島市眉山公園民間活力導入可能性調査
沖縄市美里公園事業者公募資料作成検討
大津市柳が崎湖畔公園官民連携可能性調査

2024〜2025年に新規開業・選定された主な事例:

  • 那覇市・漫湖公園
  • 富山県・常願寺川公園「BBQ TERRACE」
  • 別府市・上人ヶ浜公園「SHONIN PARK」
  • 津島市・天王川公園
  • 山形市・駅前公園「カスミテラス」

地域分布で目を引くのは2点である。1点目は政令市・中核市の周辺で大規模パッケージ案件が形成されていることだ。大阪府の箕面公園他5公園は府県レベルでの広域包括管理であり、川崎市の多摩川見晴らし公園は河川緑地と一体の事業設計である。2点目は地方の中核拠点での動きである。佐賀市・徳島市・大津市・沖縄市・岡山市など、人口30〜70万人の中堅都市での案件が並ぶ。

業態については、国土交通省の一覧に欄が無い。載っているのは都道府県・公園管理者・公園名だけで、カフェが何件か、グランピングが何件かを全国で数えた資料は見つかっていない。上に並べた案件の業態は、各自治体の公募設置等指針と選定結果から1件ずつ拾ったものである。


採択パターンの再分類

既存6類型に加え、2024〜2025年に確認できる広域包括管理型・国営公園適用型・公園リノベ協定併用型の3パターン

既存6類型の整理

人口10万人未満の自治体での成功事例を分析した既存記事では、Park-PFIの成功パターンを6類型に整理している(小規模自治体のPark-PFI戦略)。

  1. 地域資源型:温泉・歴史資源と結合(二戸市カダルテラス金田一 等)
  2. 課題解決型:既存公園の閑散・老朽対応として保育所や福祉機能を入れる
  3. グランピング型:観光需要と連動した宿泊・キャンプ業態
  4. 立体化型:狭小地で建ぺい率特例を活用した縦方向の利用(別府市春木川パーク)
  5. 上位事業連動型:周辺で動く大きな事業の一部として公園を設計(前橋市ココルンシティ公園)
  6. まちづくり会社型:地元出資のSPCが代表企業となる

これら6類型は2017〜2023年の事例で確認できる範囲をカバーしている。一方、2024〜2025年に動いた案件には、この6類型では捉えきれないパターンが現れつつある。

2024〜2025年に確認できる新規パターン

パターンA:広域包括管理型

複数の公園を1事業者が府県レベルで広域包括管理するパターンである。大阪府の箕面公園他5公園は令和9年4月の業務開始予定で、府県単位での広域パッケージ化を示している。既存の「パッケージ型」を市町村単位から府県単位に拡張した形であり、小規模自治体が単独で事業を成立させづらい場合に、府県スケールで補完する設計と読める。

パターンB:国営公園適用型

国営讃岐まんのう公園で進む「特定運営事業」は、都市公園法第5条の2に基づくPark-PFI本来の枠組みではなく、国営公園法制との接続を含む新しいルートである。Park-PFIに準じた仕組みを国営公園に持ち込む動きで、地方の国営公園が立地する小都市にとって新規の事業化経路となりうる。

パターンC:公園リノベーション協定併用型

令和7年5月のガイドライン改正で新設された都市公園リノベーション協定制度を、Park-PFIと組み合わせる動きである。まちづくりと一体型での運用や、再生可能エネルギー設備の導入と連動するケースが想定される。Park-PFIとは別建ての協定スキームだが、現場では併用が進む可能性が高い。

新規パターンA〜Cは、既存の6類型を否定するものではなく、より広域・より複合的な事業を可能にする選択肢として加わる位置づけである。


地方都市の典型ケース

二戸市カダルテラス金田一・別府市春木川パーク・前橋市ココルンシティ公園の前提条件と数字

地方都市での具体的なケースを3例で見ておく。いずれも既出の事例だが、2025年動向を踏まえて再読すると論点が立体的に見えてくる。

ケース1:二戸市カダルテラス金田一(岩手県、人口約2.3万人)

地元出資のまちづくり会社「カダルミライ」がSPCを設立し、近隣公園(約2ha)に温泉・サウナ・宿泊・レストラン・屋内プールを整備した事例である。PPnetに詳細が掲載されており、土木学会デザイン賞2023年優秀賞も受賞している。

注目点は3つある。第一に、人口2.3万人という規模でも、地域資源(金田一温泉)を核に据えれば成立しうることを示した点。第二に、地元出資の第三セクター型まちづくり会社がSPCを担い、地元事業者が代表企業となる構造を組めた点。第三に、老朽化していた市営温浴施設の建替えと一体的に進めることで、Park-PFIを単独施設整備ではなく公共資産再編の枠組みで運用した点である。

ケース2:別府市春木川パーク(大分県、人口約11万人)

公園総面積約1.17ha・西エリア約0.92haの狭小敷地で立体都市公園制度を活用した事例である。西エリアは地上1階にスーパー・テナント、地上2階に人工芝グラウンド・カフェ・管理事務所を積み重ねた垂直構造で、西日本初のPark-PFIによる立体都市公園と紹介されている。市に入る年間使用料は約1,400万円と見込まれている。

論点は、狭い敷地でも立体化すれば成り立つと示した点だ。Park-PFIを使える公園の面積に、都市公園法にもガイドラインにも下限はない。面積の線が引かれているのは交付金のほうで、社会資本整備総合交付金(官民連携型賑わい拠点創出事業)の事業要件が面積0.25ha以上の都市公園である(ガイドライン 4.2)。建ぺい率特例(最大10%上乗せ)と立体都市公園制度を組み合わせれば、市街地の狭小公園もPark-PFIの対象になる。商業地・住宅地の小規模公園が眠っている地方都市にとって、有用な参照点である。

ケース3:前橋市ココルンシティ公園(群馬県、人口約32万人)

約0.19haの街区公園に、コミュニティスペースを併設したカフェ1軒を入れた事例である。事業費は4,100万円、事業期間は令和3年9月から令和23年8月までの20年、事業者は特定非営利活動法人 三和会。令和4年7月に供用を開始した。

意義は、公園単体で採算を組んでいない点にある。日赤跡地の生涯活躍のまち(CCRC)事業で新設される公園として設計し、公募条件に「まちづくり団体との連携」を書き込んだ。市は当初、全国チェーンにサウンディングして事業規模を理由に断られており、地元へ切り替えて決めている。公園の面積ではなく、公園の周りで何が動いているかが条件になることを示した事例として参照しうる。


Park-PFIとスモコンの接続

VFM算定不要・行政負担最小化の共通設計、福知山型スモコンとの隣接、令和7年5月改正での連携可能性

地方都市の公共資産活用を検討する際に、Park-PFIとの使い分けは避けて通れない論点である。両制度は適用対象・契約形態・収益還元の方式が異なるが、令和7年5月のガイドライン改正で連携可能性が明文化された。

VFM算定不要要件の共通点

VFM(Value for Money)はPFI法に基づく従来型PFIで義務的に算定される費用対効果指標である。一方、Park-PFIとスモールコンセッションはいずれも個別根拠法(都市公園法/公共施設等運営権関連法令)に基づくため、PFI法のVFM算定義務の対象外である。この点は両制度に共通する。

VFM算定が不要であることは、議会対応・庁内手続きの負荷を大きく軽減する。PFI法による事業はVFM算定の精度を巡る議論が議会で繰り返されるが、Park-PFIとスモールコンセッションはこの工程を回避できる。「VFMが算出できないから事業化を見送る」という典型的なボトルネックの外側で動ける制度として整理できる。

行政負担最小化の共通設計

Park-PFIは収益施設の整備費を民間負担、特定公園施設の整備費を一部公費負担(公園機能向上に資する部分の整備に対し2分の1まで)とする設計が標準である。スモールコンセッションは行政負担をさらに最小化する設計が可能で、福知山型(行政負担ゼロ・運営権設定対価ゼロ)の事例が代表的だ。

地方都市で行政負担を抑える設計を取りたい場合、まずスモールコンセッションでの事業化可能性を検討し、対象施設が都市公園であればPark-PFIを選択する流れが整理しやすい。両制度の選択は「対象が都市公園か否か」が一次基準で、副次的に「収益施設併設の必要性」「設置管理許可の長期化必要性」が判断材料となる。

→ 制度比較の詳細はスモールコンセッションとは?仕組みと事例で解説を参照されたい。

公園と隣接施設の一体活用

令和7年5月のガイドライン改正で明文化されたのは、公園に隣接する廃校・旧公民館などの公有資産をスモコンで活用しながら、公園部分をPark-PFIで一体整備する設計である。両制度を別個に走らせるのではなく、一体公募とすることで、地域全体の公共資産再編として運用できる。

具体的には次のような組み合わせが想定される。

  • 旧公民館(スモコン対象)+ 隣接公園(Park-PFI対象)の一体事業化
  • 廃校(スモコン対象)+ 校庭跡地に建設する都市公園(Park-PFI対象)の連動公募
  • 公園隣接地の旧温浴施設(スモコン対象)+ 公園内の収益施設(Park-PFI対象)の包括管理

地方都市にとって、これらの組み合わせは「公共資産1点ずつ」の事業化を「面で再編する」アプローチに変える契機になる。


公募不調と地方都市の限界線

日立市かみね公園・愛知県大高緑地プール跡地の構造分析、人口規模・公園立地・収益モデルの3軸

Park-PFIの動向を読む際、採択事例だけを追うと制度の限界線が見えにくい。2023〜2024年に顕在化した公募不調・全員辞退の事例を構造化する。

主な公募不調事例

事例自治体人口規模公園規模状況
かみね公園交流拠点施設茨城県日立市約16万人大規模郊外型公募終了(応募状況非公表、2024年度)
大高緑地プール跡地愛知県(県営)県営プール跡地応募者全員辞退(2023年度)
北谷公園東京都渋谷区都心0.78haイベント占有問題で運用上の制約

公募不調の3軸分類

地方都市視点で公募不調を分類すると、次の3軸が見えてくる。

軸1:収益モデル軸

周辺人口×観光需要×通年営業可否のミスマッチが要因となるパターンである。大規模郊外型の公園では来園頻度の季節・天候依存が強く、常設飲食店の収益性確保が困難になりやすい。地方都市の郊外大規模公園に常設の収益施設を置く設計は成立条件が厳しい。

軸2:要求水準軸

公共性(公園として確保すべき機能水準)と民間収益期待(事業者が提案できる範囲)の乖離が要因となるパターンである。大高緑地プール跡地は応募者が登録したものの全員辞退に至っており、要求水準と事業者想定の乖離が示唆される。

軸3:手続き軸

サウンディングが不足していた、評価項目の配点設計が不適合だった、地元事業者の参画機会が確保されていなかった、といった手続き上の問題が要因となるパターンである。事業発案時と事業化検討時の2段階サウンディングを丁寧に重ねることで予防可能な領域である。

地方都市での適用限界の論点

実例から推定される論点を3つ整理する。

第一に、採算性確保のための周辺人口下限の存在である。二戸市の2.3万人が下方成功例の境界線として参照されているが、それ未満の人口規模で成立した事例はまだ少ない。

第二に、大手事業者の参入インセンティブの低下である。地方の中小規模案件では大手事業者の収益期待に届かないケースが多く、評価項目の中で「地元企業の参画状況」「JVへの地元事業者参画」の配点をどう設計するかが鍵となる。

第三に、検討調査支援を経た案件と経ない案件の成功率差である。国費1/2補助の検討調査支援(社会資本整備総合交付金内)を活用した案件のほうが、公募不調を回避しやすい傾向が指摘される。


構造的含意と次の論点

20年契約満了の出口論点、公共資産活用の制度パッケージ化、運営パートナー選定の評価項目設計

20年契約満了後の出口論点

Park-PFI制度施行は2017年で、最早期事例の北九州市勝山公園(コメダ珈琲、2018年7月開業)が2038年に20年契約満了を迎える。制度施行8年目時点では、まだ契約満了事例は存在しない。

「制度の出口戦略」は未検証領域である。再公募・撤退・継続のオプション設計、収益施設の所有権と原状回復義務、後継事業者への引き継ぎなど、20年後の論点はまだ整理されていない。Park-PFI事業を発案する自治体は、初期の20年だけでなく、その先の20年も含めて事業設計を考える時期に入る。

公共資産活用の制度パッケージ化

Park-PFI単独の議論から、公共資産活用の制度パッケージ化への移行が進みつつある。推進アクションプラン(令和8年改定版)は、令和4年度から令和13年度までの10年間で40兆円の事業規模を目標とし、公園分野では公共施設等運営事業やPark-PFIによる公園全体での民間活用を35件としている。この文脈でPark-PFIは都市公園領域の主力の手法だが、現場では分野横断型のPPP/PFI(143件、令和6年3月末時点)・広域型のPPP/PFI(27件、同時点)と組み合わせて運用される事例が増えている。

地方都市の担当者にとっては、「Park-PFIだけで何ができるか」から「Park-PFI+スモコン+指定管理+公共施設マネジメント計画」を一体で設計する発想に切り替える局面に入る。

運営パートナー選定の評価項目設計

公募不調の構造分析が示すのは、運営パートナー選定の評価項目設計が事業成否を分けるという点である。「地元企業の参画状況」「住民利用機会の確保」「JVへの地元事業者参画」「20年事業継続の蓋然性」を、定量的にどう評価するかは、各自治体の創意工夫の余地が大きい領域である。

→ 評価項目の設計事例はPark-PFI評価項目の設計と配点で詳しく整理している。

Park-PFI最新動向2026

2026年時点の全国動向統計、直近の注目事例、ガイドライン改正の概観

小規模自治体のPark-PFI戦略

人口10万人未満の自治体でPark-PFIを成立させる6類型と公募設計

スモールコンセッション最新動向【2026年版】

VFM不要・行政負担ゼロ型の公有資産活用、Park-PFIとの接続点


次にやること

この記事を読んだあと、その週のうちに動かせる順に並べる。

順やることどこで目安
1候補公園の建蔽率の現況を出す。休養施設・運動施設で何%使っているかを数える庁内の公園担当半日
21の結果で 10%の上乗せ余地が残っているかを確かめる。すでに12%なら便益施設は置けない同上-
3候補公園の来園者数を実測する。推計ではなく平日と休日を数える現地2日
4同種の公園の使用料の実額を3件集める。来園者数ではなく、市に入った額を見る先行自治体への照会1〜2週間
51〜4を持ってサウンディングを打つ。ここで手が挙がらなければ公募しても応募はない民間事業者2〜3か月

1と2は今日できる。ここで余地が無いと分かれば、以降の検討は不要になる。


この記事で使った統計の出典

  1. 1国土交通省「公募設置管理制度(Park-PFI)の活用状況」(令和8年3月31日時点)(2026年) 出典を開く
  2. 2国土交通省 都市局「都市公園の質の向上に向けた Park-PFI 活用ガイドライン」(令和7年5月改正版)2.3 出典を開く
  3. 3都市商業研究所(2025年) 出典を開く
  4. 4国土交通省「Park-PFI事例集」(2024年3月時点) 出典を開く
  5. 5内閣府「PPP/PFI推進アクションプラン(令和8年改定版)」(令和8年6月11日) 出典を開く

参考文献

公募設置管理制度(Park-PFI)の活用状況(令和8年3月31日時点)/国土交通省都市局公園緑地・景観課 (2026)

Park-PFI活用ガイドライン(令和7年5月改正版)/国土交通省都市局 (2025)

公募設置管理制度(Park-PFI)について/国土交通省 (2020)

PPP/PFI推進の最新動向/国土交通省 (2024)

都市公園法第5条の2/e-Gov法令検索 (2017)

PPnet(Park-PFI推進支援ネットワーク)公募情報/Park-PFI推進支援ネットワーク (2025)

大高緑地プール跡地Park-PFI公募不調公表/愛知県 (2023)

商業地域における小規模公園のPark-PFI導入に関する研究/ランドスケープオンライン Vol.18 (2024)

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訂正履歴

  1. :アクションプランの目標が古く、件数の目標も確かめられませんでした。

    訂正前
    PPP/PFIアクションプラン(事業規模30兆円・累計575件の新規案件形成目標)
    訂正後
    PPP/PFI推進アクションプラン(令和8年改定版)は令和4年度から令和13年度までの10年間で40兆円を目標とし、公園分野では公共施設等運営事業やPark-PFIによる公園全体での民間活用を35件としている

    誤った理由 令和8年6月11日決定の令和8年改定版で事業規模目標は40兆円です。575件という数字はどの改定版にも見当たりませんでした。件数の目標は全分野の合計ではなく重点分野ごとに置かれており、公園分野は35件です。

  2. :導入自治体数の推計値と、都市規模別の割合を落としました。

    訂正前
    導入自治体数は推計110自治体超で、都市規模別の構成は政令市・中核市が約5割、人口5万人未満の中小市町が約2割という分布である。残り3割は人口5〜50万人の中堅都市が占める。
    訂正後
    都道府県別では東京都18箇所、福岡県17箇所、神奈川県14箇所、愛知県13箇所、大阪府13箇所が多い。同じ一覧に公園管理者の名前は載っているが、人口規模の欄はない

    誤った理由 110という推計の根拠が書かれておらず、出所も見つかりませんでした。国土交通省「公募設置管理制度(Park-PFI)の活用状況」(令和8年3月31日時点)の一覧には人口規模の欄がないので、規模別の割合も数えられません。同じ一覧に出ている都道府県別の数に差し替えました。

  3. :Park-PFIには公園面積3ha以上という目安があるという記述を直しました。

    訂正前
    論点は「公園面積3ha以上」という一般的な目安を、立体化で実質的に乗り越えた点だ。
    訂正後
    Park-PFIを使える公園の面積に、都市公園法にもガイドラインにも下限はない。面積の線が引かれているのは交付金のほうで、社会資本整備総合交付金(官民連携型賑わい拠点創出事業)の事業要件が面積0.25ha以上の都市公園である

    誤った理由 Park-PFI活用ガイドライン(令和7年5月30日改定版)で面積の要件として書かれているのは、4.2の交付金の事業要件「面積0.25ha以上の都市公園」だけです。3haという線は本文に出てきません。

  4. :ガイドラインの説明文から、GX連動とスモールコンセッション連携を落としました。

    訂正前
    令和7年5月30日改訂版。サウンディング2段階推奨・GX連動・スモコン連携を含む
    訂正後
    令和7年5月30日改定版。マーケットサウンディングの2段階、公募時の加点、官民連携型公園計画策定調査(調査費の2分の1が国費)を含む

    誤った理由 Park-PFI活用ガイドライン(令和7年5月30日改定版)の本文には「GX」も「スモールコンセッション」も1回も出てきません。実際に書いてある内容に差し替えました。

  5. :業態が複合型に移り、グランピングが主力業態として定着したという記述を落としました。

    訂正前
    業態構成では、当初の「カフェ単体型」中心から複合業態(BBQ・キャンプ・飲食・物販の組み合わせ)への移行が進んでいる。グランピング型は地方都市の主力業態として定着し、スポーツ特化型(フィットネス・屋外運動施設)の新規参入も増えている。
    訂正後
    業態については、国土交通省の一覧に欄が無い。載っているのは都道府県・公園管理者・公園名だけで、カフェが何件か、グランピングが何件かを全国で数えた資料は見つかっていない

    誤った理由 国土交通省「公募設置管理制度(Park-PFI)の活用状況」の一覧に業態の欄はありません。業態が移った、定着した、増えたと言うには前後2時点の件数が要りますが、その集計は公表されていません。

  6. :前橋市の人口が古いままでした。

    訂正前
    前橋市(群馬県、人口約33万人)
    訂正後
    前橋市(群馬県、人口約32万人)

    誤った理由 前橋市が公表している令和7年国勢調査の速報では324,554人(令和7年10月1日現在)です。

  7. :Park-PFIの箇所数を、出典ページに載らなくなった時点の数で書いていました。

    訂正前
    令和7年3月31日時点で全国182公園が活用済み、165公園が検討中。前年は活用済165公園・検討中136公園で、1年間で約10%・約21%の拡大
    訂正後
    令和7年度末時点で203箇所が活用、187箇所が検討中。活用開始は令和5年度29・令和6年度21・令和7年度23

    誤った理由 出典にしていた国土交通省「Park-PFI等の活用」のページは開けますが、いま置かれている活用状況の資料は令和8年3月31日時点のものだけで、182公園・165公園・136公園はどれも載っていません。同資料の年度別の内訳(平成29年度4から令和7年度23まで、合計203)に書き直し、前年比の伸び率は、比べる相手の数が確認できないため落としました。

  8. :事例5を八王子市から前橋市へ差し替え、別府市の年間収入の出典を差し替えました。

    訂正前
    類型5 パッケージ型の代表事例 = 東京都八王子市・高倉公園他5公園(0.25ha×5をパッケージ化)
    訂正後
    類型5 上位事業連動型の代表事例 = 群馬県前橋市・ココルンシティ公園(0.19ha、事業費4,100万円、事業者はNPO法人)

    誤った理由 八王子市の事例は、市の公式サイト・日本公園緑地協会の講習会実施要領・PPnetの実施事例一覧・国土交通省のPark-PFI事例集(17事例)のいずれにも見当たらず、一次資料で裏づけが取れませんでした。国土交通省の事例集に載る前橋市の事例に差し替え、類型の名前も中身に合わせました。

この記事の用語

Park-PFI(公募設置管理制度)
都市公園法に基づき、飲食店等の収益施設と公園施設の整備・管理を一体的に行う民間事業者を公募する制度。2017年の法改正で創設。収益施設の設置許可期間は最長20年。
PPP/PFI
官民が連携して公共サービスの提供や公共施設の整備・運営を行う手法の総称。PFIは民間資金を活用したインフラ整備、PPPはPFIを含むより広い概念で指定管理者制度や包括的民間委託等を含む。
スモールコンセッション
地方公共団体が所有する空き家・廃校等の遊休不動産について、民間の創意工夫を活かした小規模(事業費10億円未満程度)なPPP/PFI事業を行う取組み。2024年に国交省がプラットフォームを設立。
指定管理者制度
地方自治法第244条の2に基づき、公の施設の管理を民間事業者やNPO等に委ねる制度。2003年の法改正で導入。総務省の調査(令和6年4月1日現在、79,332施設)では指定期間は5年が77.1%、3年が10.9%、10年以上は5.7%で、この期間の短さが長期投資を妨げる課題として挙げられる。

ご自身の案件で確認すること

  • 自分の自治体で動かしたい公園は、既存6類型と新規3パターンのうちどれに最も近いか。代替案として何が成立しうるか
  • Park-PFIで攻めるか、スモールコンセッションを併用するか、判断の境界線はどこにあるか
  • 公募不調を避けるために、サウンディング設計と評価項目で最初に手を打つべき1点は何か

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一般論から、個別の条件へ。

対象施設や公募条件に合わせて、調査・方針整理・対話・提案準備をご相談いただけます。初回は状況と対応範囲を確認し、個別業務は事前にお見積もりします。

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