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地域プラットフォーム × 円滑な官民対話:国交省 3 ヵ年取組から見えた 9 つの示唆
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地域プラットフォーム × 円滑な官民対話:国交省 3 ヵ年取組から見えた 9 つの示唆

ISVD編集部
約7分で読めます

国土交通省が令和 2 年 1 月公表の『地域プラットフォームの取組から得られた円滑な官民対話のポイント』を構造化解説。平成 29 年度からの 3 ヵ年取組、令和元年度オープン方式サウンディング 71 団体 84 件案件、平成 31 年 2 月公共空間活用作戦会議 6 社提案の実績を踏まえた、自治体への 6 示唆と民間事業者への 3 示唆を網羅する。

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ざっくり言うと

  1. 地域プラットフォームは官民対話を継続的に行うための地域単位の連携体
  2. 平成 29 年度から 3 ヵ年、令和元年度はオープン方式サウンディングで全国 6 会場 71 団体 84 件案件、民間事業者と対話
  3. 自治体への 6 示唆と民間事業者への 3 示唆、計 9 示唆を国交省が整理

地域プラットフォームとは何か

近年、地方公共団体では PPP/PFI の導入可能性や公共空間の利活用などについて、官民対話(サウンディング等)を行うケースが増えている。国においては、これまでマニュアルの作成や 3 ヵ年にわたる地域プラットフォームでのサウンディング等の企画・運営、市町村長との意見交換会等の取組を実施してきた。

国土交通省は令和 2 年(2020 年)1 月、これらの活動を通じて得られた示唆をとりまとめ、地方公共団体や民間事業者が官民対話に取り組む際の参考資料として『地域プラットフォームの取組から得られた円滑な官民対話のポイント』を公表した。

本記事では概要資料の構造を整理し、9 つの示唆をまとめる。

3 ヵ年の取組実績

ブロック方式サウンディングの実績

平成 29 年度(2017 年)から「オープン方式」によるサウンディングを実施。令和元年度(2019 年)は全国 6 会場で 71 団体 84 件の案件について、民間事業者と対話した実績がある。

ブロックプラットフォームサウンディングの流れは次の 3 段階。

  1. 地方公共団体等に対し、サウンディングを行いたい案件を募集
  2. 応募案件を公表し、助言等を行う民間事業者を募集
  3. 1 案件ごとに、地方公共団体と当該案件に助言する民間事業者が一同に会し、意見交換(オープン方式サウンディング)

民間提案イベントの実施

平成 31 年 2 月 8 日、地方公共団体と民間事業者による対話型イベント『公共空間活用作戦会議』を開催。公募によって選定された 6 社が、地方公共団体に向けて自社の事業についてプレゼンテーションを実施。

参加 6 社と提案内容:

提案事業者提案内容
株式会社 R.project都市公園や遊休地を活用したキャンプ事業
認定 NPO 法人 芸術と遊び創造協議会姉妹おもちゃ美術館の創設
株式会社 スノーピーク公園や遊休地、キャンプ場などで公共空間のにぎわい創出・活用
u.company inc 株式会社地域社会の産業を活性化させるホテル事業
株式会社 リビタ地域の活動拠点を内包したシェア型複合ホテル
YMS コンソーシアム(三井住友建設 / ムラサキスポーツ / 矢野研究所)公共空間を活用した X スポーツ施設

民間事業者が自社事業を地方公共団体に直接提案する場として機能した。

自治体への 6 示唆

国土交通省は自治体に対し、官民対話時 2 項目と通常業務時 4 項目の計 6 示唆を整理している。

官民対話に向けた示唆

① 民間事業者に聞きたい事項を明確にする

官民対話を通じて案件形成の手がかりを得るためには、民間事業者に聞きたい事項を明確化する必要がある。「広く意見を求める」だけでは民間事業者も準備できない。

② 民間の意見を引き出す 4 つのポイント

民間事業者から有効な意見を引き出すために、次の 4 点を押さえる。

  1. 事前の基本的な情報整理
  2. 意見を引き出すきっかけづくり
  3. スケジュール等の提示
  4. 行政の本気度の提示

参考として、民間事業者が官民対話に求める基本情報は次の通り。

  • 地方公共団体の基本方針、事業目的
  • 施設の過去 3 年程度の収支情報
  • 施設の交通アクセスや立地状況
  • 施設に存在する法的制約
  • 施設の諸元(築年数、規模、面積、耐震性等)
  • これまでの検討経緯、スケジュール
  • 庁内、議会、地域住民、関係機関との合意形成状況 等

これらを事前に整理して提示できる体制が、有効な対話の前提条件となる。

通常の業務にあたって官民対話につながる取組

③ アンテナを高くする

民間事業者とのつながりを大切にするとともに、他の地域で行われている官民連携の事例研究が大事となる。日常的な情報収集が官民対話の質を左右する。

④ 継続的な官民対話の実施

案件の熟度に応じて、官民対話を行う機会を積極的に設けることが必要。サウンディングは単発のイベントではなく、案件熟度に応じた段階的な対話の連続として設計する。

⑤ 情報の発信方法の工夫

多様化する情報リソースを活用した情報発信の検討が必要となる。ホームページ単独ではなく、業界誌、関連団体、SNS、関連自治体ネットワーク等の多経路展開が望まれる。

⑥ 地域プラットフォームの形成

地域プラットフォームでは、案件が安定的に提起されやすくなり、官民対話が継続的に行われた地域に定着していくことが期待される。地域単位での継続枠組み構築が示唆として位置付けられている。

民間事業者への 3 示唆

① 行政からの行動を待つことなくアピールする

官民対話で民間事業者がもつ事例の発想やアイデアをとりいれたいという希望はあるが、それらの引き出し方がわからない地方自治体に対して、民間事業者は自社のノウハウをアピールするような機会をもつことが大事となる。

民間事業者は受け身ではなく、自社事業の特徴・実績・他地域での成功事例を能動的に発信することが期待される。

② 地方公共団体における行政プロセスへの理解

地方公共団体が事業を行う上では、事業化までの合意形成など一定のプロセスがある。どのような検討プロセスを経なければならないのか、スケジュール感はどのようなものなのかを知っておくことが重要となる。

民間事業者の提案タイミングは、自治体の意思決定プロセスに合わせて設計する必要がある。

③ 継続的なノウハウの習得と事例研究

地方公共団体の希望に応えるような提案ができるように、継続的な情報収集や事例研究が重要。一度のサウンディング参加で終わらせず、他地域・他事業の動向を継続的に追う姿勢が求められる。

検討プロセスの全体像

概要資料に示された検討プロセスは、構想検討(約 1 年)→ 基本計画策定(6 ヵ月から 1 年)→ 公募要項検討(約 6 ヵ月)→ 公募開始(3 から 6 ヵ月)→ 事業者決定・契約(2 から 3 ヵ月)→ 事業実施、という流れ。

サウンディング型市場調査は事業手法検討の段階で行うのが標準。民間事業者は提案タイミングをこの全体像の中に位置付けて準備する。

実務での使い方

自治体担当者

サウンディング実施の事前準備として、本概要資料の自治体向け 6 示唆をチェックリストとして使う。

  1. 民間事業者に聞きたい事項のリスト化
  2. 民間の意見を引き出す 4 ポイント(事前情報整理 / きっかけ / スケジュール / 本気度)の準備状況確認
  3. 通常業務でサウンディングにつながる 4 取組(アンテナ / 継続的対話 / 情報発信 / 地域プラットフォーム)の運営状況確認

民間事業者

自社の提案アプローチを設計する際、民間事業者向け 3 示唆を起点にする。

  1. 行政待ちではなく能動的アピールの場(自治体個別訪問、業界イベント、地域プラットフォーム参加)を設ける
  2. 提案先自治体の行政プロセス・スケジュール感を事前リサーチ
  3. 他地域の成功事例・失敗事例の継続研究

まとめ

地域プラットフォームは官民対話を継続的に行うための地域単位の連携体として国交省が推進してきた取組。平成 29 年度から 3 ヵ年、令和元年度はオープン方式サウンディングで全国 6 会場 71 団体 84 件案件、民間事業者と対話する実績を積んできた。

これらから得られた示唆は、自治体向け 6 項目(民間に聞きたい事項の明確化 / 意見引き出す 4 ポイント / アンテナ / 継続対話 / 情報発信 / 地域プラットフォーム)と民間事業者向け 3 項目(能動的アピール / 行政プロセス理解 / 継続的事例研究)の計 9 つ。

サウンディングを単発のイベントとして終わらせず、地域単位の継続的な官民対話の枠組みとして設計することが、PPP/PFI 導入の成功確率を高めるとされている。

関連資料

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