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ARTICLE · 廃校活用

廃校活用の2026年動向:実態調査の内訳、用途が決まらない理由、住民への聞き取り、国の動き

文部科学省の令和6年度廃校施設活用状況実態調査(令和6年5月1日現在)を前回調査と並べて読む。廃校8,850校のうち施設が現存する7,612校、活用されている5,661校の用途別の件数、活用されていない1,951校の内訳と用途が決まっていない理由、地域住民からの意向聴取の状況を載せ、令和7年度の学校基本調査、地域参画を扱った研究3本、令和8年の余裕教室調査、スモールコンセッションの手引きと形成推進事業を加える。

この記事の要点

  • 令和6年5月1日現在、平成16年度から令和5年度に発生した廃校は8,850校。施設が現存する7,612校のうち5,661校(74.4%)が活用され、1,951校(25.6%)が活用されていない。前回調査(令和3年5月1日現在、平成14年度から令和2年度の廃校)は8,580校、7,398校、5,481校(74.1%)だった。
  • 活用されていない1,951校のうち、用途が決まっていないのは1,503校。その理由(複数回答)は、校舎で「地域等からの要望がない」41.5%、「建物が老朽化している」41.4%。地域住民からの意向聴取を「実施していない」は校舎で49.6%あった。
  • 令和8年4月10日公表の余裕教室活用状況実態調査は、特段の状況変化がない限り次回以降は行わないとした。令和8年5月の手引き「スモールコンセッションのすすめ」は石川県小松市の旧西尾小学校を事例に載せ、令和8年度の形成推進事業の9調査のうち2件が学校を対象にしている。
対象読者・読む前に確認したいこと

こんな方に

  • 廃校活用を検討する自治体の教育委員会・公有資産部局・移住定住担当者
  • 公共施設マネジメント計画を策定中の自治体のPPP/PFI推進部局
  • 廃校型スモールコンセッションへの参画を検討する民間事業者・地域コーディネーター

前提となる知識

  • 公共施設等運営権・スモールコンセッションの基本枠組み([国交省の手引きを解説した記事](/small-concession-mlit-guide-2026)を参照)
  • 公共施設等総合管理計画の概観を把握していること
この記事の内容

文部科学省の実態調査で分かること

調査の対象と時点、廃校8,850校から活用されている5,661校までの数、前回調査と並べるときの注意、みんなの廃校プロジェクト

平成16年度から令和5年度に発生した廃校

8,850校

前回調査(平成14年度から令和2年度)は8,580校

施設が現存している廃校

7,612校

現存する施設なしの1,238校を除く

施設が現存している廃校のうち、活用されているもの

74.4%

5,661校。前回調査は74.1%

活用されていない1,951校のうち、用途が決まっていないもの

1,503校

施設が現存している廃校の19.7%

文部科学省は、廃校の数と活用の状況を「廃校施設活用状況実態調査」で調べている。対象は全国の公立の小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校で、調査項目は廃校の数、活用の状況、活用に向けた検討の状況。令和6年5月1日現在の状況を令和7年3月31日に公表し、前回調査は令和3年5月1日時点だった。

区分今回(令和6年5月1日現在)前回(令和3年5月1日現在)
数えた廃校の年度平成16年度から令和5年度平成14年度から令和2年度
廃校の数8,850校8,580校
施設が現存している廃校7,612校(86.0%)7,398校(86.2%)
活用されているもの5,661校(74.4%)5,481校(74.1%)
活用されていないもの1,951校(25.6%)1,917校(25.9%)
現存する施設なし1,238校(14.0%)1,182校(13.8%)

表の数は資料3「廃校施設の活用状況」による。施設が現存している廃校と現存する施設なしの割合は廃校の数に対するもの、活用されている・されていないの割合は施設が現存している廃校に対するものである。

今回と前回では、数えている廃校の年度が2年ずれている。今回は平成14年度と平成15年度の廃校が外れ、前回調査のあとの令和3年度から令和5年度に発生した1,025校が加わった。前回との差を、そのまま増えた数や減った数として読むことはできない。

廃校の母数。累計8,850校、現存7,612校、活用5,661校(74.4%)、未活用1,951校でうち用途未決定1,503校。
手当てが要るのは1,503校。全体の8,850校でも未活用の1,951校でもない出典: 文部科学省 令和6年度「廃校施設活用状況実態調査」(令和6年5月1日現在)

文部科学省は平成22年9月に「みんなの廃校プロジェクト」を立ち上げ、活用用途を募集している全国の廃校施設の情報を集めて発信し、廃校活用推進イベントの開催や廃校活用事例の紹介もしている。


廃校が出るペース

年度別の廃校の数、令和7年度学校基本調査の学校数と在学者数、5〜14歳にあたる人口の推計、統廃合のパンフレット

年度別の数

8,850校を対象期間の20年で割ると、年平均約442校になる。みんなの廃校プロジェクトのページにある「全国では毎年約450校程度の廃校施設が生じています」とおおむね合うが、20年の平均であり、近年の実数はこれを下回る。同じ調査の年度別では、2016年度以降は毎年279〜405校で450校に達した年はなく、2019年度から2023年度は384・345・369・358・298校である。事業計画で母数を置くときは年度別の実数を使う。

学校と子どもの数

令和7年5月1日現在、公立の小学校は18,291校で前年度より215校、公立の中学校は8,982校で51校少なく、公立の義務教育学校は254校で22校多い。在学者数(国立・公立・私立の計)は、小学校が581万2千人で前年度より12万9千人、中学校が310万5千人で3万6千人減り、どちらも過去最少だった。

国立社会保障・人口問題研究所の推計結果表の5歳階級別人口で、5〜9歳と10〜14歳を足すと、令和7(2025)年が968万人、令和32(2050)年が719万人になる。25年でおよそ26%減る。小学生と中学生にあたる年齢の子どもの数である。

文部科学省は令和7年3月に、平成27年の「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置に関する手引」を基にしたパンフレット「公立小中学校の統廃合をお考えの皆さまへ」を出した。統廃合で生じることが多い課題と対応策の例に「地域の拠点機能の継承」を挙げ、その中に「廃校施設等の活用」を入れている。


何に使われているか

校舎と屋内運動場を分けて数えた用途別の件数(複数回答、合計10,348件)と前回調査の件数

実態調査は、活用されている廃校の用途を件数で数えている。校舎と屋内運動場を分けて数えた複数回答で、合計は10,348件になり、活用されている5,661校より多い。用途別割合は10,348件に対する割合で、学校数の割合ではない。

用途件数(用途別割合)校舎屋内運動場前回調査の件数(用途別割合)
学校(大学を除く)4,191件(40.5%)2,110件2,081件3,948件(39.1%)
社会体育施設1,693件(16.4%)155件1,538件1,756件(17.4%)
社会教育施設・文化施設1,206件(11.7%)750件456件1,330件(13.2%)
福祉施設・医療施設等735件(7.1%)533件202件774件(7.7%)
企業等の施設・創業支援施設1,207件(11.7%)789件418件1,020件(10.1%)
庁舎等449件(4.3%)323件126件461件(4.6%)
体験交流施設等535件(5.2%)349件186件520件(5.1%)
備蓄倉庫231件(2.2%)158件73件199件(2.0%)
大学81件(0.8%)47件34件79件(0.8%)
住宅20件(0.2%)13件7件21件(0.2%)

最も多い「学校(大学を除く)」4,191件は、校舎2,110件と屋内運動場2,081件でほぼ半分ずつ。社会体育施設1,693件のうち1,538件は屋内運動場である。前回調査と比べると、企業等の施設・創業支援施設は1,020件から1,207件、社会教育施設・文化施設は1,330件から1,206件になった。前の節に書いたとおり、2つの調査は数えている廃校の年度が違う。調査は「学校(大学を除く)」をそれ以上分けていないので、統合先の学校なのか、別の種類の学校なのかはこの表から分からない。


活用されていない1,951校

用途が決まっている・決まっていない・取壊しを予定の内訳、用途が決まっていない廃校の年度、決まらない理由8項目

3つの区分

活用されていない1,951校は、活用の用途が決まっている235校、決まっていない1,503校、取壊しを予定している213校に分かれる。

区分今回前回
活用の用途が決まっている235校(3.1%)278校(3.8%)
活用の用途が決まっていない1,503校(19.7%)1,424校(19.2%)
取壊しを予定213校(2.8%)215校(2.9%)

割合は施設が現存している廃校(今回7,612校、前回7,398校)に対するもの。

用途が決まっていない廃校の年度

用途が決まっていない1,503校を廃校になった年度で見ると、令和5年度が129校で最も多く、令和4年度が118校で続く。平成16年度は66校、平成25年度は75校で、平成16年度から平成25年度までを足すと605校になる。

用途が決まっていない理由

理由は複数回答で、校舎(n=2,177)と屋内運動場(n=1,994)に分けて集計している。

理由(複数回答)校舎(n=2,177)屋内運動場(n=1,994)
地域等からの要望がない903(41.5%)795(39.9%)
建物が老朽化している902(41.4%)749(37.6%)
財源が確保できない327(15.0%)275(13.8%)
立地条件が悪い387(17.8%)299(15.0%)
用途に応じて法令上の制約がある126(5.8%)104(5.2%)
活用方法が分からない137(6.3%)100(5.0%)
活用の検討を行っていない189(8.7%)217(10.9%)
その他615(28.2%)550(27.6%)

校舎では「地域等からの要望がない」と「建物が老朽化している」が1件差で並び、「その他」も28.2%ある。どちらが理由かで、次にやることが変わる。要望が無いなら、借りて使う人をなどで探すところから始める。老朽化なら、耐震診断と改修費の概算を先に出し、解体する場合と比べる。

住民への聞き取りと研究

地域住民からの意向聴取の状況、手引きにある意見のもらい方、舟瀬ら(2021)・太田ら(2024)・Davisら(2023)の抄録

地域住民からの意向聴取

実態調査は、廃校の活用に向けて地域住民から意向を聞いたかも尋ねている。校舎(n=7,211)の49.6%、屋内運動場(n=7,144)の53.9%が「実施していない」だった。

意向聴取(複数回答)校舎(n=7,211)屋内運動場(n=7,144)
アンケート調査を実施479(6.6%)413(5.8%)
説明会等によるヒアリングを実施2,782(38.6%)2,500(35.0%)
その他739(10.2%)717(10.0%)
実施していない3,580(49.6%)3,850(53.9%)

令和8年5月の手引き「スモールコンセッションのすすめ」は、地域住民に意見をもらう方法としてアンケート、ヒアリング、ワークショップ、説明会を挙げ、少人数で意見をまとめるならヒアリングやワークショップ、幅広く聞くならアンケート、事業への理解を得るなら説明会と、目的で選ぶとしている。活用の方向性を地域と具体的に合意すると、その機能が事業として成り立たなかったときに他の機能で使いにくくなるおそれがあるとして、複数の機能を選択肢にしたり、「観光客を呼び込む機能」のように抽象度の高いイメージで合意したりする方法を挙げている。

研究3本

舟瀬ら(2021)は、日本都市計画学会関西支部の研究発表会講演概要集に載った研究である。抄録によると、全国の廃校活用の優良事例76校から地域参画の特性をつかみ、兵庫県の優良事例4校で検討から運営に至るプロセスを調べた。全国の優良事例では約半数で地域参画がみられ、地域が組織を作って自治体と協働で検討すること、会議による合意形成を基本にワークショップや社会実験を使うこと、専門家や若者らが加わって柔軟な発想で検討することが有効だったとしている。

太田ら(2024)は、愛知県豊田市の中山間地域で廃校を使った活動拠点「つくラッセル」を、公開資料と観察調査で分析した論文である。抄録は、地域の主体どうしが関係を続けてきたことが多様な活動を生んでいること、つくラッセルが新しい活動を生むきっかけになっていること、主体どうしのつながりの多くが1階の自由に使えるスペースでの活動から生まれていることを挙げている。

Davisら(2023)は、プエルトリコで2007年から2019年に650校を超える公立学校が閉校したことを受けて、転用された学校161校を分類して地図にした。うち38校は、住民が自発的に学校を地域づくりに使い直す「rescued schools」だった。12件のインタビューと2回のフォーカスグループから、学校の所有権を得ることと、資金とボランティアを続けて集めることが課題に挙がり、行政機関が地域の団体、市町村、その他の支援者のあいだに新しい連携をつくれば、閉校の害を小さくできると論じている。


2026年の国の動き

余裕教室活用状況実態調査の結果と次回以降の扱い、スモールコンセッションの手引きの旧西尾小学校、形成推進事業の学校2件

余裕教室の調査は次回以降行わない

余裕教室は、いま普通教室として使っていない教室のうち、学区域に住む児童等の人口から見て、今後5年間以内(令和12年度中まで)に普通教室として使われることがないと考えられる教室をいう。令和8年4月10日に公表された令和7年度の調査では、公立小中学校等の余裕教室は74,138室で、前回(令和3年)の73,247室より891室多い。そのうち72,902室(約98.3%)が活用され、当該学校の施設が69,468室、放課後児童クラブなど学校施設以外が3,094室、特別支援学校など他の学校の施設が340室だった。同じ資料は、累次の調査で全国的・継続的に余裕教室の活用が図られていることが明らかになり、調査の趣旨はおおむね達成されたとして、特段の状況変化がない限り次回以降の調査は行わないとしている。この資料は、廃校施設活用状況実態調査の今後には触れていない。

手引きに載った廃校の事例

について、国土交通省と内閣府が令和8年5月に出した手引き「スモールコンセッションのすすめ」は、地方公共団体が所有する遊休公的施設(廃校・空き家等)を民間事業者と協力しながら活用し、地域課題の解決やエリア価値の向上につなげる取組と説明し、事業費は原則10億円未満程度としている。

先進事例のCASE2は、石川県小松市の旧西尾小学校である。平成30年3月に閉校し、校舎は平成23年の大規模改修で耐震性が確保されていた。市は指定管理料を払わない独立採算型の指定管理者制度を選び、地元企業の参加のハードルが上がらないよう改修工事は別に発注した。過去の改修で使った補助金の制約があったため、地域再生計画を作り、国庫納付が免除される制度を使った。事業期間は令和3年3月から令和13年3月までの約10年間で、公共が負担した事業費は施設改修工事費が約5億6,000万円、設計業務委託料が上限3,100万円、活用した補助金は空き家対策総合支援事業(2億6,500万円)。宿泊施設、レストラン、レンタルスペースが入る。

形成推進事業で学校を対象にした2件

国土交通省のスモールコンセッション形成推進事業は、廃校や古民家等の遊休公的施設を使う地方公共団体に、プロジェクトの初期段階の課題を解くための専門家を派遣する事業である。令和8年度は9調査が実施中で、学校を対象にしたものは静岡県磐田市の「地域コミュニティ拠点機能を有する旧岩田小学校利活用検討調査」(派遣する専門家はAmame Associate Japan 株式会社)と、山口県・山口県宇部市の「旧宇部西高等学校利活用検討調査」(同じく株式会社日建設計総合研究所)の2件である。

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次にやること

この記事を読んだあと、その週のうちに動かせる順に並べる。

順やることどこで目安
1入居予定者を1者でも先に見つける。用途を決めてから探すのではなく、借りる人を決めてから用途を決めるサウンディング、地元事業者1〜3か月
2耐震診断とアスベスト調査の結果を出す。無ければ先に実施する営繕担当2〜3か月
32を踏まえた改修費の概算を取る。解体費も同時に出して比べる設計事務所1か月
4財産処分の手続きを確認する。国庫補助を受けた校舎を処分制限期間内に学校以外に使うときは文科省の承認が要る(要件を満たせば報告で済む)教育委員会、文科省1〜2か月
5用途を公表する前に、卒業生・地域団体に説明の場を持つ同窓会、自治会1か月

1を飛ばすと、用途だけ決まって借り手が現れない状態になる。


この記事で使った統計の出典

  1. 1文部科学省 令和6年度「廃校施設活用状況実態調査」(令和6年5月1日現在)(2025) 出典を開く
  2. 2文部科学省 令和6年度「廃校施設活用状況実態調査」資料3(令和6年5月1日現在)(2025) 出典を開く
  3. 3文部科学省 令和6年度「廃校施設活用状況実態調査」参考資料「活用の用途が決まっていない廃校の数」(2025) 出典を開く
  4. 4文部科学省 令和6年度「廃校施設活用状況実態調査」資料1(令和6年5月1日現在)(2025) 出典を開く
  5. 5文部科学省「令和7年度学校基本調査の公表について」(令和7年12月26日、確定値)(2025) 出典を開く
  6. 6文部科学省 令和6年度「廃校施設活用状況実態調査」資料3「主な活用用途」(令和6年5月1日現在)(2025) 出典を開く
  7. 7文部科学省 令和6年度「廃校施設活用状況実態調査」参考資料「活用の用途が決まっていない理由」(2025) 出典を開く
  8. 8文部科学省 令和6年度「廃校施設活用状況実態調査」参考資料「地域住民からの意向聴取の状況」(2025) 出典を開く
  9. 9国土交通省・内閣府「スモールコンセッションのすすめ~遊休公的施設の利活用のための手引き~」(令和8年5月)STEP1-3(2026) 出典を開く
  10. 10文部科学省「令和7年度余裕教室活用状況実態調査の結果について」(令和7年5月1日現在)(2026) 出典を開く
  11. 11国土交通省・内閣府「スモールコンセッションのすすめ~遊休公的施設の利活用のための手引き~」(令和8年5月)(2026) 出典を開く
  12. 12国土交通省・内閣府「スモールコンセッションのすすめ~遊休公的施設の利活用のための手引き~」(令和8年5月)CASE2(2026) 出典を開く
  13. 13国土交通省「スモールコンセッション形成推進事業」(2026年9月14日取得) 出典を開く

参考文献

廃校施設活用状況実態調査(令和6年5月1日現在)/文部科学省 (2025)

~未来につなごう~「みんなの廃校」プロジェクト/文部科学省 (2026)

令和7年度余裕教室活用状況実態調査の結果について(令和7年5月1日現在)/文部科学省 (2026)

令和7年度学校基本調査の公表について/文部科学省 (2025)

公立小中学校の統廃合をお考えの皆さまへ~児童生徒のより良い教育環境の確保に向けて~/文部科学省 (2025)

日本の将来推計人口(令和5年推計)推計結果表/国立社会保障・人口問題研究所 (2023)

廃校活用の優良事例における地域参画のプロセスに関する研究/舟瀬優月・松尾薫・武田重昭・加我宏之 (2021). 日本都市計画学会関西支部研究発表会講演概要集、第19巻、65〜68ページ

中山間地域における廃校を利活用した多主体による活動拠点の役割と意義 ―愛知県豊田市「つくラッセル」の事例考察―/太田匡哉・李燕・小松尚 (2024). 日本建築学会計画系論文集、第89巻第822号、1414〜1425ページ

Puerto Rico’s Rescued Schools: A Grassroots Adaptive Reuse Movement for Abandoned School Buildings/Davis, John-Michael; Reyes, Mariana; Abrogar, Jacob; Bourgoin, Jocelyn; Brown, Madison; Kellum, Evelyn; Polito, Francis; Jiusto, Scott (2023). Social Sciences 12(12), 662

廃校施設、活用74% 交流施設や特産物の工場に転用も/教育新聞 (2025)

スモールコンセッションのすすめ~遊休公的施設の利活用のための手引き~/国土交通省総合政策局社会資本整備政策課、内閣府民間資金等活用事業推進室 (2026)

スモールコンセッション形成推進事業/国土交通省 (2026)

廃校の民間活用と地域活性化

廃校の民間活用と地域活性化

波出石誠 (2015)

日本評論社、198ページ

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訂正履歴

  1. :実態調査の名前と、調査をしている間隔を誤って書いていました。

    訂正前
    文部科学省は2002年以降、廃校施設の活用状況を毎年実態調査として把握しており、廃校施設等活用状況実態調査として公表してきた
    訂正後
    文部科学省は「廃校施設活用状況実態調査」で廃校の数と活用の状況を調べている。前回調査は令和3年5月1日時点

    誤った理由 文部科学省の調査のページと令和6年度の結果のPDFでは、調査の名前に「等」が付いていません。PDFには前回調査が令和3年5月1日時点と書かれており、毎年の調査ではありませんでした。参考文献で「総合ページ」と説明していたリンク先も、令和6年度の結果のPDFでした。

  2. :余裕教室の調査を廃校の調査と同時に公表されたと書いていましたが、公表は1年余りあとでした。活用先の室数も、調査の2つの区分を足した数でした。

    訂正前
    同時に公表された余裕教室活用状況実態調査/当該学校施設内利用69,468室、他施設利用3,434室/学校機能の延伸(少人数指導室・特別支援教室など)として吸収されている
    訂正後
    令和8年4月10日に公表された令和7年度の調査では、活用されている72,902室のうち当該学校の施設が69,468室、学校施設以外が3,094室、他の学校の施設が340室

    誤った理由 廃校の調査の公表は令和7年3月31日、余裕教室の調査の公表は令和8年4月10日です。3,434室は「学校施設以外」の3,094室と「他の学校の施設」の340室を足した数で、この区分は調査にありません。当該学校施設としての使い道は、学習方法・指導方法の多様化に対応したスペース33,849室、特別教室12,590室などと書かれており、「少人数指導室・特別支援教室」という区分ではありませんでした。

  3. :公立小中学校の数を平成元年と比べた数字と、統廃合の手引きを初めて改訂したという記述が、出典に書いてありませんでした。

    訂正前
    公立小中学校数は平成元年比で7,647校(21.7%)減少/文科省は学校統廃合の手引きを2025年に初改訂し、1小・1中のみとなった自治体に対しては近隣市町村との統合協議を促す方向を明示した
    訂正後
    令和7年5月1日現在、公立の小学校は18,291校で前年度より215校、公立の中学校は8,982校で51校少ない/文部科学省は令和7年3月に平成27年の手引を基にしたパンフレットを出し、課題と対応策の例に「廃校施設等の活用」を入れている

    誤った理由 出典にしていた令和7年度学校基本調査の公表資料には、平成元年との比較も7,647校や21.7%もありません。前年度からの増減は同じ資料の表1にあったので、それに差し替えました。統廃合の資料は「公立小中学校の統廃合をお考えの皆さまへ」というパンフレットで、平成27年の「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置に関する手引」を基にポイントをまとめたものと冒頭に書かれています。近隣の市町村との統合の協議には触れていませんでした。

  4. :用途の区分の名前が調査と違い、調査に無い分け方(他校への転用の中身、公共内転用と民間転用、立地の類型)を書いていました。

    訂正前
    他校への転用(統合校・分校・私立学校・大学施設・専門学校等)4,191件/統廃合の連鎖プロセスの一部として位置づけられる/公共内転用2,899件・民間転用1,942件。都市近郊では民間転用の比重が高まり、過疎集落では公共内転用や集約再編が主流になる/立地類型別の用途配分(都市近郊・中山間地・過疎集落・観光地)
    訂正後
    調査の区分のまま「学校(大学を除く)」4,191件、「大学」81件などと載せ、件数は校舎と屋内運動場を分けて数えた複数回答で、合計10,348件は活用されている5,661校より多いと書く

    誤った理由 実態調査の資料3の区分は「学校(大学を除く)」で、大学は別の区分(81件)でした。統合校や私立学校といった内訳はなく、統廃合の一部だという説明も調査にはありません。公共内転用と民間転用という分け方、都市近郊と過疎集落の違い、立地の類型ごとの用途は、どれも調査にも他の資料にも裏付けが無いため削除しました。立地の類型の表は、記事の中でも統計に基づかない仮説と断っていました。

  5. :施設が現存しない1,238校を「取壊し・既取壊し」と書き、用途が決まっていない理由の表で屋内運動場の2項目を空欄にしていました。

    訂正前
    施設として現存している廃校数(取壊し・既取壊し1,238校を除く)/立地条件が悪い、財源が確保できないの屋内運動場は「-」
    訂正後
    施設が現存している廃校7,612校(現存する施設なしの1,238校を除く)/屋内運動場は財源が確保できない275(13.8%)、立地条件が悪い299(15.0%)

    誤った理由 資料3で1,238校は「現存する施設なし」の数でした。取壊しを予定している213校は、施設が現存している7,612校の内訳に入っています。参考資料の理由の表には、屋内運動場(n=1,994)の値も載っていました。

  6. :廃校活用の研究2本を実際と違う形で紹介し、どちらの研究にも無い4つのレイヤーの表を作っていました。

    訂正前
    舟瀬ら(2021)は日本都市計画学会関西支部報告集Vol.19掲載の査読論文で、住民意向調査などの手法が成功要因として確認されている/太田ら(2024)はTSUKU-RASSERU(旧旭中学校の活用)を事例に、利用者層と運営者層の相互作用が活動の多様化を生んでいることを示している/成功要因はガバナンス・空間・主体・時間の4レイヤーに整理でき、活用方針が確定した後で地域参画を導入すると運営の継続性に差が出やすい
    訂正後
    舟瀬ら(2021)は日本都市計画学会関西支部研究発表会講演概要集に載った研究、太田ら(2024)は日本建築学会計画系論文集の論文として、それぞれの抄録に書かれていることだけを紹介する

    誤った理由 J-STAGEによると、舟瀬ら(2021)は研究発表会の講演概要集に載ったもので、抄録に住民意向調査は出てきません。太田ら(2024)の題名と抄録は愛知県豊田市の「つくラッセル」を扱っていますが、元の学校名は書かれておらず、旧旭中学校とは確かめられませんでした。4つのレイヤーの表と、参画の時期で運営の継続性に差が出るという記述は、どちらの研究にも無いため削除しました。節の要約に書いていた徳島県神山町と岩手県紫波町は、本文に出てきませんでした。

  7. :スモールコンセッションとPark-PFIについて、出典のPDFに書いていないことを書いていました。

    訂正前
    福知山型と呼ばれる行政負担ゼロ・運営権設定対価ゼロのスキーム(スモールコンセッション形成推進事業、令和7年度は7自治体を選定)/Park-PFI活用ガイドライン改正は、隣接する廃校と校庭跡地に建設する都市公園を一体的に整備する設計の参照枠組みとなる/廃校型スモコンの3つの壁(事業者参画・改修費・運営継続。指定管理5年・スモコン20年などの契約期間)
    訂正後
    手引き「スモールコンセッションのすすめ」(令和8年5月)に載った石川県小松市の旧西尾小学校の事例と、令和8年度のスモールコンセッション形成推進事業で学校を対象にした2件を、手引きのPDFと国土交通省のページで確かめて載せる

    誤った理由 形成推進事業の出典にしていた国土交通省のPDF(001732321.pdf)は「スモールコンセッション推進方策案について」という資料で、福知山型も令和7年度に選ばれた自治体も出てきません。Park-PFI活用ガイドライン(令和7年5月30日改正)には、廃校や学校についての記述がありませんでした。記事に書いた3つの壁の中身と契約期間の年数にも出典がなく、削除しました。

  8. :日本・米国・英国の制度を比べた表と、廃校の数と立地についての記述に、出典がありませんでした。

    訂正前
    廃校再生の制度設計を国際比較で見ると、日本は中位的な位置にある/米国は自治体委員会が最高入札者を優先し、英国は8年以内の学校用地にSecretary of Stateの同意が必須でコミュニティ団体への割安譲渡を法定化/Davisら(2023)は米国型「最高入札者主導」モデルとプエルトリコの草の根「コミュニティ主導」モデルを対比している/物件ストックの規模では公共資産活用カテゴリの中で最大級で、立地が地域中心部に位置する
    訂正後
    Davisら(2023)は、抄録にあるプエルトリコの閉校と転用の数と、住民の自発的な取り組みが抱える課題を紹介する

    誤った理由 比較の表と、日本が「中位」にあるという記述は、参考文献のどれにも書かれていませんでした。Davisら(2023)の抄録はプエルトリコの閉校と転用を扱っており、米国の入札の仕組みとの対比は出てきません。廃校の数が公共資産の中で最大級であることや、立地が地域の中心部にあることを示す資料も見つからず、これらを削除しました。

  9. :20年の平均442校と「毎年約450校」だけを書き、近年の年度別の数を書いていませんでした。文部科学省のページの引用も原文と違っていました。

    訂正前
    年平均約442校は、文科省公表値の「全国で毎年約450校」という表現とおおむね整合する/年間450校という発生ペース
    訂正後
    年平均約442校は、みんなの廃校プロジェクトのページの「毎年約450校程度」とおおむね整合する。ただし20年の平均で、2016年度以降は毎年279〜405校、2019年度から2023年度は384・345・369・358・298校/毎年数百校という発生ペース

    誤った理由 文部科学省のページの原文は「全国では毎年約450校程度の廃校施設が生じています」で、「全国で毎年約450校」ではありませんでした。約450校は、文部科学省「~未来につなごう~『みんなの廃校』プロジェクト」のページにある「全国では毎年約450校程度の廃校施設が生じています」という表現です。同省の「令和6年度 廃校施設活用状況実態調査」の資料1(公立学校の年度別廃校発生数)では、2016年度以降の各年度が279〜405校で、2023年度は298校です。2015年度以前は428〜597校でした。20年度分を足すと8,850校になり、調査の累計と一致します。平均だけでは今の年間の数を読み違えるため、年度別の数を足しました。

  10. :「次にやること」の表で、財産処分の手続きがいつも承認を要するように読める書き方でした。

    訂正前
    国庫補助を受けた校舎は文科省の承認が要る
    訂正後
    国庫補助を受けた校舎を処分制限期間内に学校以外に使うときは文科省の承認が要る(要件を満たせば報告で済む)

    誤った理由 文部科学省の財産処分手続のページは、処分制限期間内に学校教育以外の用途で使うときに承認と国庫納付が要り、一定の要件を満たせば国庫納付をせず報告書の提出で済むとしています。報告で済む場合を落としていました。

  11. :5〜14歳人口の数字が、出典では2つの階級に分かれていました。

    訂正前
    5-14歳人口は2025年の約968万人から2050年には約719万人へと、約26%減少する見通しとされる
    訂正後
    推計結果表の5歳階級別人口で、5〜9歳と10〜14歳を足すと2025年が968万人、2050年が719万人になる

    誤った理由 国立社会保障・人口問題研究所の推計結果表(表1-9A 男女年齢5歳階級別人口)には5〜14歳という区分がなく、5〜9歳と10〜14歳を足した数です。足し算であることがわかるように書き直しました。数字そのものは変わっていません。出典のURLも、束ねた版が404になっていたため推計結果表のPDFに差し替えています。

  12. :Park-PFI の全国活用箇所数が古く、活用と検討中の数を取り違えていました。最新の一次資料に差し替えました。

    訂正前
    令和7年3月時点で全国165公園が活用済み(検討中136公園)
    訂正後
    令和7年度末(令和8年3月31日)時点で203箇所が活用中、そのほか187箇所が活用を検討中

    誤った理由 国土交通省「公募設置管理制度(Park-PFI)の活用状況(令和8年3月31日時点)」に「Park-PFIは令和7年度末(令和8年3月31日)時点において203箇所で活用されており、そのほか187箇所において活用を検討中」とあります。当サイトが活用数として使っていた165は、令和6年度末時点の検討中の数でした。同じ誤りがサイト内の45記事に及んでいたため、一括で確認して直しています。

  13. :「姉妹サイト」として案内していたURLが、当機構のサイトではありませんでした。

    訂正前
    姉妹サイトとして https://machikarte.com を案内
    訂正後
    当機構が運営するマチカルテ https://machikarte.isvd.or.jp を案内

    誤った理由 当機構のマチカルテは machikarte.isvd.or.jp です。machikarte.com は別の運営者による情報メディアで、当機構とは関係がありません。記事の説明文(議事録を全件構造化)は当機構のサイトのもので、URLだけが誤っていました。リンクをたどった方を無関係のサイトへ送っていました。

  14. :用途別の割合から学校数を計算していましたが、文科省の集計は複数回答のため、その計算は成り立ちません。派生させた数字(59.5%・3,367校・44.2%・28.1%・18.8%)を削除しました。

    訂正前
    純粋な「学校以外への用途転換」は活用済 5,661校のうち 59.5%、すなわち 3,367校となる。施設現存 7,612校に対する比率では 44.2% にとどまる/公共内転用 28.1%・民間転用 18.8%
    訂正後
    用途別の件数をそのまま示し、複数回答であるため用途の割合から学校数は出せないことを明記。公共内転用 2,899件・民間転用 1,942件と件数で表記

    誤った理由 文部科学省「令和6年度 廃校施設活用状況実態調査」の用途別内訳は(複数回答)と注記されており、件数の合計は 10,348件で活用済 5,661校を上回ります。40.5% は 4,191件 ÷ 10,348件であって、学校数に対する割合ではありません。したがって 100% から引いて学校数を出す計算は成り立ちません。あわせて、この配分の出典を教育新聞の記事から文科省の調査そのものに差し替えました。

この記事の用語

サウンディング型市場調査
公有資産の活用にあたり、公募前に民間事業者の意見・アイデアを聞く対話型の市場調査。事業の実現可能性や条件設定の妥当性を事前に検証する目的で実施される。
スモールコンセッション
地方公共団体が所有する空き家・廃校等の遊休不動産について、民間の創意工夫を活かした小規模(事業費10億円未満程度)なPPP/PFI事業を行う取組み。2024年に国交省がプラットフォームを設立。

ご自身の案件で確認すること

  • 自分の自治体で用途が決まっていない廃校は、何年度に廃校になったものか。理由は地域等からの要望が無いことか、建物の老朽化か
  • 用途を決める前に、地域住民へのアンケートや説明会をしたか。地域と合意する方向性は、事業者の提案の余地が残る書き方になっているか
  • 校舎の整備に使った国庫補助について、学校以外に使うときの手続きを確かめたか

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