横浜市 大通り公園 Park-PFI 関内駅前 3 区分割 — 三井 + 東急 + 京急 + DeNA の 4 社共同事業体
横浜市は 2024 年 10 月に JR 関内駅前 大通り公園 1 区〜3 区の Park-PFI(公募設置管理制度)事業予定者に三井不動産 + 東急 + 京浜急行電鉄 + DeNA の 4 社共同事業体を決定した。2025 年 2 月基本協定締結、2027 年春竣工予定、横浜市初の大型 Park-PFI 事業として 3 区分割(憩い / 賑わい / 交流)設計を解説する。
ざっくり言うと
- 横浜市初の大型 Park-PFI 事業、JR 関内駅前 大通り公園 1 区〜3 区が対象
- 事業予定者は三井不動産(代表)+ 東急 + 京浜急行電鉄 + DeNA の 4 社共同事業体、2024 年 10 月決定
- 1 区(憩い)+ 2 区(賑わい)+ 3 区(交流)の 3 区分割設計、2027 年春竣工予定
事業の概要
事業予定者決定日・認定計画提出者・対象範囲・竣工予定
大型Park-PFI
横浜市初
JR関内駅前
共同事業体
4社
三井+東急+京急+DeNA
1-3区開園予定
2027年春
全体完了2028年度
横浜市 大通り公園は JR 関内駅前に位置する全長約 1.2 km の帯状公園である。1 区〜3 区の 3 区分に対し、横浜市はPark-PFI(公募設置管理制度)を適用し、2024 年 10 月に事業予定者を決定、三井不動産を代表法人とし東急 + 京浜急行電鉄 + DeNA を構成法人とする 4 社共同事業体が選定され、2025 年 2 月に基本協定書を締結した。
大通り公園は全 8 区で構成され、Park-PFI の対象は関内駅側の 1 区〜3 区のみで、阪東橋駅側の 4 区〜8 区は市直営でリニューアルを進める。1 区〜3 区は 2026 年 1 月から工事開始、2027 年春に竣工・開園予定である。公園全体のリニューアル完了は 2028 年度を見込む段階的なスケジュールである。
1 区〜3 区の事業は横浜市初の大型 Park-PFI 事業として位置付けられるが、Park-PFI 制度自体は 2019 年の横浜動物の森公園(里山ガーデン)が横浜市導入の最初の事例で、2023 年には山下公園レストハウスでも活用されている。大通り公園は 4 社共同事業体による大規模案件としての「初」となる。リニューアルコンセプトは「交流・憩い・賑わいの創出を目指した公園再生」となる。
4 社共同事業体の職種構成
三井不動産(代表)+ 東急 + 京浜急行電鉄 + DeNA の異業種連合
大通り公園の Park-PFI 事業体の特徴は大手 4 社の異業種連合であることにある。三井不動産は代表法人として商業デベロッパー機能を担い、東急は鉄道 + 都市開発企業として沿線価値向上の視点を提供し、京浜急行電鉄はもう一つの鉄道 + 沿線開発企業として関内エリアの集客 + 回遊性設計に寄与し、DeNA は IT サービス + スポーツ(横浜 DeNA ベイスターズ)の集客ノウハウを提供する。
異業種 4 社連合の意義は 3 つある。第一に、単一企業では対応困難な大規模事業を分担して実施可能となる。第二に、各社の得意分野が補完しあい、事業スキームの総合性が高まる。第三に、都心公園の多面的な機能(商業 + 交通 + IT + スポーツ)を統合設計できる。DeNA の参画理由は一次資料に明記されていない。推測だが、横浜 DeNA ベイスターズの本拠地(横浜スタジアム)が関内駅前に近いという立地条件が背景にあると考えられる。
3 区分割設計
1 区(憩い)/ 2 区(賑わい)/ 3 区(交流)の主題別空間デザイン
大通り公園の Park-PFI では対象 3 区に主題を割り振る設計をとる。
| 区 | 主題 | 中核施設 |
|---|---|---|
| 1 区 | 憩い | ウェルカムガーデン(静的空間) |
| 2 区 | 賑わい | イベント広場(動的空間) |
| 3 区 | 交流 | プレイグラウンド(参加型空間) |
各区には飲食店 + 休憩所が配置され、共通の動線としてデッキテラスが周辺に設けられる。花や緑を楽しみながら滞在できる空間となる。3 区分割設計は各区の主題が異なる一方で、共通動線(デッキテラス)と共通施設(飲食店 + 休憩所)が 3 区を統合する役割を担う。
関内駅前立地の事業性
JR 関内駅前立地と都心公園 Park-PFI の集客潜力
大通り公園は JR 関内駅前という都心中枢立地にある。関内は横浜市の中心街の一つで、日中の商業需要 + 夜間の飲食需要 + 週末の家族需要が幅広く想定される立地である。この立地条件が大手 4 社連合の参画動機の前提となる。
三井不動産 + 東急 + 京浜急行電鉄 + DeNA の 4 社共同事業体は供用開始から 20 年間の認定期間に続き、Park-PFI によらない事業として 10 年間継続する予定で、合計 30 年の事業期間で事業回収を図る。都心中枢立地でしか成立しない規模の事業スキームであり、地方都市が直接模倣することは困難である。
他自治体への示唆
駅前公園 Park-PFI と大手企業連合参画の事業設計
大通り公園を参考にする自治体が押さえるべきポイントは 3 点ある。
第一に、大手企業連合の Park-PFI 参画は都心中枢立地 + 大規模公園でしか成立しない前提をもつ。人口 50 万人未満の中規模都市で大手 4 社連合を参画させようとすると事業性が届かず、大手企業が応募を見送る可能性が高い。中規模都市では地元資本 + 大手 1-2 社の混合連合が現実的である。
第二に、3 区分割型の主題設計が機能するのは、公園規模が一定以上ある場合に限られる。区ごとの空間に余白がなければ、かえって窮屈さが際立つ(広さの目安は上記コラム参照)。
第三に、異業種 4 社連合の事業スキームは各社の得意分野の明確な分担が前提となる。役割分担が曖昧な連合では意思決定が遅延し、事業進行が停滞するリスクをもつ。公募設計時に応募主体の役割分担を公募設置等指針で明示する手続きを組み込む。
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