実態調査の用途別件数
用途ごとの件数と割合、校舎と屋内運動場の内訳、前回調査の件数、読むときの注意
最も多い用途は学校(大学を除く)
4,191件
校舎2,110件、屋内運動場2,081件。用途別割合40.5%(令和6年5月1日現在)
社会体育施設1,693件のうち屋内運動場の件数
1,538件
校舎は155件
事例集47事例のうち、自治体が転用した事例
18事例
無償貸与15事例、有償貸与8事例、譲渡5事例、土地は有償貸与で校舎は無償貸与1事例
文部科学省の実態調査は、活用されている廃校の主な用途を、校舎と屋内運動場に分けて件数で数えている。複数回答で、今回は平成16年度から令和5年度、前回は平成14年度から令和2年度に廃校になった学校を数えた。件数と割合は次のとおり。
| 用途 | 今回の件数 | 割合 | うち校舎 | うち屋内運動場 | 前回の件数 | 前回の割合 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 学校(大学を除く) | 4,191 | 40.5% | 2,110 | 2,081 | 3,948 | 39.1% |
| 社会体育施設 | 1,693 | 16.4% | 155 | 1,538 | 1,756 | 17.4% |
| 社会教育施設・文化施設 | 1,206 | 11.7% | 750 | 456 | 1,330 | 13.2% |
| 社会教育施設 | 858 | 8.3% | 514 | 344 | 989 | 9.8% |
| 文化施設 | 348 | 3.4% | 236 | 112 | 341 | 3.4% |
| 福祉施設・医療施設等 | 735 | 7.1% | 533 | 202 | 774 | 7.7% |
| 老人福祉施設 | 194 | 1.9% | 144 | 50 | 225 | 2.2% |
| 障害者福祉施設 | 177 | 1.7% | 126 | 51 | 176 | 1.7% |
| 保育施設 | 68 | 0.7% | 46 | 22 | 67 | 0.7% |
| 認定こども園 | 37 | 0.4% | 23 | 14 | 40 | 0.4% |
| 児童福祉施設(保育所を除く) | 72 | 0.7% | 54 | 18 | 66 | 0.7% |
| 放課後児童クラブ | 124 | 1.2% | 95 | 29 | 127 | 1.3% |
| 放課後子供教室 | 34 | 0.3% | 22 | 12 | 39 | 0.4% |
| 医療施設 | 29 | 0.3% | 23 | 6 | 34 | 0.3% |
| 企業等の施設・創業支援施設 | 1,207 | 11.7% | 789 | 418 | 1,020 | 10.1% |
| 企業や法人等の施設 | 1,138 | 11.0% | 741 | 397 | 947 | 9.4% |
| 創業支援施設 | 69 | 0.7% | 48 | 21 | 73 | 0.7% |
| 庁舎等 | 449 | 4.3% | 323 | 126 | 461 | 4.6% |
| 体験交流施設等 | 535 | 5.2% | 349 | 186 | 520 | 5.1% |
| 備蓄倉庫 | 231 | 2.2% | 158 | 73 | 199 | 2.0% |
| 大学 | 81 | 0.8% | 47 | 34 | 79 | 0.8% |
| 住宅 | 20 | 0.2% | 13 | 7 | 21 | 0.2% |
読むときに気をつけることは3つある。
- 件数は校数ではない。校舎と屋内運動場を分けて数えた複数回答なので、1校が2つ以上の用途に数えられる
- 屋内運動場の使い方が用途によって違う。社会体育施設は1,693件のうち1,538件が屋内運動場で、学校(大学を除く)は校舎2,110件と屋内運動場2,081件でほぼ半分ずつ。福祉施設・医療施設等は校舎533件、屋内運動場202件
- 前回との差をそのまま増減として読まない。数えている廃校の年度が違う。企業等の施設・創業支援施設は1,020件から1,207件になったが、うち創業支援施設は73件から69件、社会教育施設は989件から858件、福祉施設・医療施設等は774件から735件
調査には宿泊施設という区分が無く、業種の内訳も無い。調査の区分と、事業者が考える業種は一致しない。
事例集47事例の用途と契約の形
事例集が付けた活用用途ごとに、無償貸与・有償貸与・譲渡・転用の事例を数える
文部科学省の事例集は47事例を載せ、事例ごとに活用用途と、活用事業者名に続けて契約の形(有償譲渡、無償譲渡、有償貸与、無償貸与、転用)を書いている。47事例の契約の形は、転用18事例、無償貸与15事例、有償貸与8事例、有償譲渡3事例、土地は有償譲渡で建物は無償譲渡2事例、土地は有償貸与で校舎は無償貸与1事例である。転用は、自治体が自分の施設として使い、指定管理者などに運営を任せる形も含む。
活用用途ごとに、付いている事例と契約の形を数えると次のとおり。1つの事例に複数の活用用途が付いているので、事例の数の合計は47を超える。数え方は本記事のもので、事例の番号から事例集のページで確かめられる。
| 事例集の活用用途 | 事例の数 | 契約の形 | 事例の番号 |
|---|---|---|---|
| 企業や法人等の施設 | 22 | 無償貸与11、有償貸与6、有償譲渡3、土地は有償譲渡で建物は無償譲渡1、転用1 | 1、2、6、8、9、16、19、20、23、25、26、28、31、32、33、35、36、37、40、43、44、45 |
| 宿泊施設 | 6 | 転用4、有償貸与1、無償貸与1 | 20、22、30、36、41、47 |
| 社会教育施設 | 5 | 転用3、無償貸与2 | 5、10、17、45、46 |
| 体験交流施設(自然体験施設等) | 5 | 転用3、無償貸与2 | 5、6、18、23、39 |
| 創業支援施設 | 4 | 転用2、無償貸与2 | 17、20、31、38 |
| 社会体育施設 | 4 | 転用4 | 20、30、38、41 |
| 文化施設 | 3 | 転用2、無償貸与1 | 5、13、21 |
| 大学 | 3 | 無償貸与2、転用1 | 17、18、27 |
| 認定こども園 | 2 | 転用2 | 24、34 |
| 障害者福祉施設 | 2 | 無償貸与1、土地は有償譲渡で建物は無償譲渡1 | 7、15 |
| 放課後児童クラブ | 2 | 転用1、有償貸与1 | 20、42 |
| 庁舎等 | 2 | 転用2 | 29、46 |
| 老人福祉施設 | 1 | 土地は有償貸与で校舎は無償貸与 | 3 |
| 学校 | 1 | 転用 | 4 |
| 児童福祉施設 | 1 | 転用 | 24 |
| 医療施設 | 1 | 転用 | 46 |
| 住宅 | 1 | 転用 | 46 |
| その他 | 11 | 転用9、有償貸与1、無償貸与1 | 10、11、12、14、20、22、31、38、41、46、47 |
企業や法人等の施設の22事例は、自治体の転用が飯綱町の事例20の1事例だけで、残りは事業者への貸与か譲渡である。社会体育施設、認定こども園、庁舎等が付いた事例は、全部が自治体の転用だった。1つの事例に付いている活用用途の数は、飯綱町の事例20が6つ(創業支援施設、宿泊施設、社会体育施設、放課後児童クラブ、企業や法人等の施設、その他)で最も多い。
47事例の一覧と、分野ごとの事例は廃校活用事例47選の記事に載せた。
用途ごとに確かめる建築基準法
用途変更の確認が要る用途、類似の用途の組、第一種低層住居専用地域に建てられる用途、用途ごとの詳しい記事
用途変更の確認が要る用途
建物の用途を変えて、別表第一(い)欄の用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が200㎡を超えるものにする場合は、確認の手続きの規定が準用される。用途の変更が政令で指定する類似の用途相互間のものである場合は除かれる。別表第一(い)欄は、(一)項が劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場など、(二)項が病院、診療所(患者の収容施設があるもの)、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎など、(三)項が学校、体育館など、(四)項が百貨店、マーケット、展示場、遊技場など、(五)項が倉庫など、(六)項が自動車車庫、自動車修理工場などである。(二)項の用途に類するものは児童福祉施設等、(三)項に類するものは博物館、美術館、図書館、ボーリング場、スキー場、スケート場、水泳場又はスポーツの練習場、(四)項に類するものは公衆浴場、待合、料理店、飲食店又は物品販売業を営む店舗(床面積が10㎡以内のものを除く)である。確認が要らない類似の用途の組は、劇場・映画館・演芸場、公会堂・集会場、診療所(患者の収容施設があるもの)・児童福祉施設等、ホテル・旅館、下宿・寄宿舎、博物館・美術館・図書館、体育館・ボーリング場・スケート場・水泳場・スキー場・ゴルフ練習場・バッティング練習場などで、学校はどの組にも挙がっていない。第一種低層住居専用地域などにある建築物では、組によってこの扱いから外れる。
学校から次の用途に変えるときの確認をまとめると、次のとおり。確認が要るのは、その用途に使う部分の床面積の合計が200㎡を超えるときである。
| 変えた後の用途 | 別表第一(い)欄 | 用途変更の確認 |
|---|---|---|
| 児童福祉施設等(老人福祉施設、障害者支援施設、保育所など) | (二)項に類する | 要る |
| ホテル、旅館 | (二)項 | 要る |
| 体育館、スポーツの練習場 | (三)項、(三)項に類する | 要る |
| 博物館、美術館、図書館 | (三)項に類する | 要る |
| 飲食店、物品販売業を営む店舗 | (四)項に類する | 要る(物品販売業を営む店舗は、床面積が10㎡以内のものを除く) |
| 倉庫 | (五)項 | 要る |
| 事務所 | 無い | 要らない |
| 工場(自動車修理工場を除く) | 無い | 要らない |
児童福祉施設等は、児童福祉施設(幼保連携型認定こども園を除く)、助産所、老人福祉施設、有料老人ホーム、母子保健施設、障害者支援施設、地域活動支援センター、福祉ホーム、障害福祉サービス事業(生活介護、自立訓練、就労移行支援又は就労継続支援を行う事業に限る)の用に供する施設などである。第115条の3は、(二)項に類する児童福祉施設等に幼保連携型認定こども園を含めている。用途変更の確認が要らない場合でも、階数が2以上か延べ面積が200㎡を超える建築物で大規模の修繕や大規模の模様替をするときは、工事に着手する前に確認を受ける。
第一種低層住居専用地域に建てられる用途
建築物の用途を変更する場合は、第48条第1項から第14項まで(用途地域等の制限)の規定を準用する。第一種低層住居専用地域の「建築することができる建築物」は、住宅、住宅で事務所・店舗などを兼ねるもののうち政令で定めるもの、共同住宅・寄宿舎・下宿、学校(大学、高等専門学校、専修学校及び各種学校を除く)・図書館その他これらに類するもの、神社・寺院・教会など、老人ホーム・保育所・福祉ホームその他これらに類するもの、公衆浴場(個室付浴場業に係るものを除く)、診療所、巡査派出所・公衆電話所など政令で定める公益上必要な建築物、これらに附属するもの(政令で定めるものを除く)である。第二種低層住居専用地域では、これに加えて、店舗・飲食店などのうち政令で定めるもので、その用途に供する部分の床面積の合計が150㎡以内のもの(3階以上の部分をその用途に供するものを除く)が建てられる。
第一種低層住居専用地域では、学校を老人ホーム、保育所、福祉ホーム、図書館などに変えることは「建築することができる建築物」の範囲に入る。事務所(住宅と兼ねる政令のものを除く)、ホテル・旅館、工場、店舗・飲食店は、この地域の一覧に無い。ただし、特定行政庁が第一種低層住居専用地域における良好な住居の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合は、この限りでない。この許可をするときは、原則として、あらかじめ利害関係を有する者の出頭を求めて公開により意見を聴取し、建築審査会の同意を得る。
用途ごとの詳しい記事
用途ごとの制度、条文、事例集の事例は、次の記事に載せた。
福祉事業者のための廃校活用ガイド:借り方、建物の確認、補助金、指定基準と事例【2026年版】
取得の方法と行政との交渉、建物の調査、補助金・交付金、サービスの種類ごとの設備の基準と事例
廃校×児童福祉(保育所・学童):省令の面積基準と整備費の補助割合、三原市・西海市・四日市市の事例
保育所の設備の基準と改修、学童保育への転用、補助金、校庭と余った教室の使い方
放課後等デイサービス×廃校:報酬の単位数、設備と人員の基準、指定の要件、建物で確かめること【2026年版】
令和6年度改定後の報酬体系、施設基準と改修、法人格の取得から指定申請まで
廃校×観光・宿泊施設:旅館業法の許可、用途地域と消防、農泊の補助、事例集の6事例
旅館業法の許可と構造設備の基準、用途地域と市街化調整区域、消防法施行令の区分
廃校×IT・コワーキング:事例集の10事例、用途地域と市街化調整区域、お試しサテライトオフィスと交付金
実態調査の件数、事例集の10事例の契約の形と改修費、建築基準法と都市計画法の条文、お試しサテライトオフィスの要綱
廃校の用途変更と建築基準法:福祉施設転用時の改修義務【2026年版】
用途変更の確認が要る面積、防火区画・排煙設備・内装制限の条件を条文で確かめた記事
次にやること
この記事を読んだあと、その週のうちに動かせる順に並べる。
| 順 | やること | どこで | 目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 入居予定者を1者でも先に見つける。用途を決めてから探すのではなく、借りる人を決めてから用途を決める | サウンディング、地元事業者 | 1〜3か月 |
| 2 | 耐震診断とアスベスト調査の結果を出す。無ければ先に実施する | 営繕担当 | 2〜3か月 |
| 3 | 2を踏まえた改修費の概算を取る。解体費も同時に出して比べる | 設計事務所 | 1か月 |
| 4 | 財産処分の手続きを確認する。国庫補助を受けた校舎を処分制限期間内に学校以外に使うときは文科省の承認が要る(要件を満たせば報告で済む) | 教育委員会、文科省 | 1〜2か月 |
| 5 | 用途を公表する前に、卒業生・地域団体に説明の場を持つ | 同窓会、自治会 | 1か月 |
1を飛ばすと、用途だけ決まって借り手が現れない状態になる。
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