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ARTICLE · Park-PFI

としまみどりの防災公園 IKE・SUNPARK:造幣局跡地 + 防災公園 + Park-PFI の三重統合モデル

豊島区東池袋の造幣局東京支局跡地(約3.2ha内1.7ha)に整備された としまみどりの防災公園 IKE・SUNPARK は、UR による公園整備 + 豊島区の Park-PFI(便益施設公募)+ 防災機能の三重統合モデル。2020年7月部分開業・12月全面開業、指定管理は日比谷アメニス + NTT アーバンバリューサポートの共同事業体(設計・施工を含む事業チーム全体は4社)が担う構造を解説する。

この記事の要点

  • IKE・SUNPARK は造幣局東京支局跡地(約3.2ha)のうち1.7haに整備された豊島区の防災公園
  • 豊島区 + UR(都市再生機構)が公募で民間事業者を選定、便益施設(収益施設)は別途 Park-PFI で公募
  • 指定管理者は日比谷アメニス + NTT アーバンバリューサポートの共同事業体、設計・施工を含む事業チーム全体は4社、2020年7月(部分)・12月(全面)供用開始
対象読者・読む前に確認したいこと

こんな方に

  • 国有地跡地 + 防災公園 + 官民連携を検討している政令市・中核市の自治体職員
  • 指定管理者と Park-PFI の併用スキームを参考にしたい民間事業者
  • 都心防災公園の空間デザインを研究している都市計画コンサルタント

前提となる知識

  • Park-PFI の基本的な仕組み([Park-PFI 完全ガイド](/park-pfi-guide)を参照)
  • 指定管理者制度の概要([Park-PFI vs 指定管理者制度](/park-pfi-vs-designated-manager)を参照)
この記事の内容

事業の概要

供用開始日・事業者・対象範囲・立地の一次資料検証情報

造幣局跡地

約3.2ha

うち公園1.7ha

全面開業

2020年12月

7月部分開業

指定管理者

2社

共同事業体

としまみどりの防災公園 IKE・SUNPARK は東京都豊島区東池袋 4-42 に立地する防災機能を備えた都市公園である。もともとは造幣局東京支局が置かれていた約3.2haの国有地で、跡地の一部(1.7ha)が公園整備の対象となり、2020年7月に部分開業、同年12月に全面開業した。豊島区は地域住民の避難空間確保の要請に応えるかたちで、UR(都市再生機構)と連携して公園整備を推進した。

指定管理者が辞退した場合の4つの対応方法。直営に復帰、非公募で指定、条件を直して再公募、手法を転換。
辞退の原因、運営費、サービスの継続条件を比較して対応方法を検討する出典: 本記事の整理

指定管理者は日比谷アメニスと NTT アーバンバリューサポートの共同事業体で、設計・施工を含む事業チーム全体では都市計画研究所・株木建設を加えた4社が携わっている。主要施設は芝生広場 / 遊具 / 健康運動広場 / カフェ / KOTO-PORT(収益施設)/ 木製デッキで構成される。


三重統合モデル

国有地移管 + 防災公園整備 + Park-PFI 便益施設の3段階連携

IKE・SUNPARK の特徴は3つの制度が重ね合わされていることにある。第一に国有地の自治体移管、第二に防災公園としての整備、第三にによる便益施設の民間運営である。

段階内容主体
国有地の自治体移管造幣局東京支局のさいたま市移転を機に跡地利用計画を検討財務省・東京都・豊島区
防災公園としての整備一時避難場所・備蓄倉庫・マンホールトイレ等を平時機能と一体設計豊島区 + UR
Park-PFI 便益施設カフェ + KOTO-PORT を別途公募し民間運営豊島区(Park-PFI 公募)

国有地の自治体移管は造幣局東京支局のさいたま市移転をきっかけに進んだ。跡地の利用計画を検討する過程で、地域住民から避難空間としての公園整備が強く要請され、豊島区が東京都と財務省との協議を経て公園整備方針を確定した。


二層公募構造

UR + 豊島区の公園整備公募と Park-PFI 便益施設公募の分離設計

IKE・SUNPARK の公募は二層構造で設計されている。上層(公園整備側)は豊島区 + UR が連携して実施し、公園整備 + 指定管理の事業者を公募・選定した。下層(便益施設側)は豊島区が別途 Park-PFI 公募を実施し、商業性の高い便益施設の事業者を選定した。

この二層公募構造は Park-PFI 制度の標準的な公募方式とは異なる。標準的には Park-PFI の認定計画提出者が便益施設 + 特定公園施設(公園整備)を一体で公募・整備するが、IKE・SUNPARK では防災公園整備の上位計画が公園整備を先行決定し、そのうえで Park-PFI が便益施設の追加として公募された順序である。


指定管理者と事業チームの役割分担

指定管理者(2社の共同事業体)と設計・施工を含む事業チーム(4社)の役割分担

IKE・SUNPARK の指定管理者は日比谷アメニスと NTT アーバンバリューサポートの共同事業体(2社)である。設計・施工を含む事業チーム全体では、これに都市計画研究所(設計業務)・株木建設(施工業務)を加えた4社が携わった。日比谷アメニスは代表企業として統括業務を担い、NTT アーバンバリューサポートは維持管理業務を担当する。

役割分担の特徴は、公園緑地専門企業(日比谷アメニス)が現場運営を担い、NTT グループの事業会社(NTT アーバンバリューサポート)が維持管理を担うこと。設計・施工の専門企業を含めた事業チーム全体で都心防災公園の整備ニーズに対応する構造である。この公園ではと Park-PFI が併用されている点も特徴的である。


他自治体への示唆

国有地跡地 + 防災公園整備の事業スキームを模倣する前提条件

IKE・SUNPARK を参考にする自治体が押さえるべきポイントは3点ある。

第一に、国有地跡地の民間活用は財務省 + 東京都(or 都道府県)+ 自治体の三者協議が前提となる。造幣局跡地の事例のように大規模移転が発生するタイミングでしか発動しないが、自治体は平常時から国有地の動向を追跡することで機会捕捉が可能になる。

第二に、防災公園 + Park-PFI の併用モデルは平常時の賑わいと非常時の避難機能を両立させる有効な手法だが、便益施設の事業性が防災機能に制約される点を認識する必要がある。営業時間・施設配置・設備仕様の各観点で、平常時収益と非常時対応の両立設計を事前検討する。

第三に、二層公募構造は公園整備 + 便益施設の別々の事業者選定を可能にする一方で、両者の空間デザインの一貫性が損なわれるリスクがある。IKE・SUNPARK では UR + 豊島区の一体設計がこの課題を抑制したが、他自治体では上位計画で空間デザイン原則を明示する必要がある。

基礎知識

Park-PFI 完全ガイド

公募設置管理制度の仕組み・手続き・事例を網羅的に解説

Park-PFI vs 指定管理者制度 徹底比較

2 制度の違い・使い分け・併用パターンを解説

久屋大通公園 Hisaya-odori Park の独立採算型 Park-PFI

日本最大級 Park-PFI の事業スキームを解説


次にやること

指定管理者の辞退や公募不調に対応する際は、理由を把握したうえで管理方法と募集条件を見直す。

順確認・検討すること担当・相談先
1辞退や公募不調の理由を事業者に聞く。指定管理料、指定期間、修繕負担、人員など、どの条件が問題になったかを確認する現指定管理者、関心を示した事業者
2指定管理料の算定根拠を確認する。人件費の前提を現在の最低賃金などと照合する担当課
3直近5年の修繕要望と予算措置の実績を確認する。未対応の修繕と、今後必要になる費用を整理する営繕・予算担当
4辞退の理由、管理料、修繕費を踏まえて、直営、非公募、条件を見直した再公募、別の事業手法を比較する所管課、意思決定を担う部署
5再公募する場合は、物価変動への対応、指定期間、修繕の負担ルールを見直す募集要項の作成担当

再公募に当たっては、辞退や不調の理由を確認し、事業者が継続して運営できる条件へ見直す。事業者固有の事情と、募集条件の問題を分けて検討する。


この記事で使った統計の出典

  1. 1豊島区 としまみどりの防災公園(愛称:IKE・SUNPARK)(2020年) 出典を開く
  2. 2NTTアーバンソリューションズ としまみどりの防災公園 提供価値の取り組み事例(2020年) 出典を開く

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この記事の用語

Park-PFI(公募設置管理制度)
都市公園法に基づき、飲食店等の収益施設と公園施設の整備・管理を一体的に行う民間事業者を公募する制度。2017年の法改正で創設。収益施設の設置許可期間は最長20年。
指定管理者制度
地方自治法第244条の2に基づき、公の施設の管理を民間事業者やNPO等に委ねる制度。2003年の法改正で導入。総務省の調査(令和6年4月1日現在、79,332施設)では指定期間は5年が77.1%、3年が10.9%、10年以上は5.7%で、この期間の短さが長期投資を妨げる課題として挙げられる。

ご自身の案件で確認すること

  • 自らの自治体に国有地跡地の民間活用の見込みはあるか
  • 防災公園と便益施設の併存が平時 + 非常時の双方で機能できるか
  • 指定管理者と Park-PFI の併用が事業リスクを分散するか、管理を複雑化するか

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